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2006年11月29日 (水)

第一子

最初に、妻から妊娠を告げられた時、ドラマのように、手放しで喜ぶことはできませんでした。私のとまどったような反応は、妻にとっては、ちょっと意外だったようです。私にはまだ、父親となる心の準備ができていませんでした。自分の父にはずいぶん反発してきた私でしたが、自ら父親になる番が来ると、責任の重さをずっしりと感じ、良い父親になれるかどうか、まったく自信がなかったのです。

つわりがひどくなかったことは感謝でしたが、7ヶ月目くらいに、お腹の子が順調に育っていないと言われた時には、たいへん困りました。自分ではどうすることもできず、ただ祈るしかありません。栄養状態を改善するため、かかりつけの病院に入院したところ、あまり環境がよくなかったので、妻は早めに、函館の実家に帰ることにしました。

88年の初夏、友人の結婚式に出席したある土曜日、式から帰ってくると、所沢のアパートに電話が入りました。「今日、生まれました」という、義母からの連絡です。予定日までまだ3週間あったため、突然の誕生にびっくりしました。その日、検診を受けると、胎児がいつもより元気だったので、急遽、帝王切開で生まれさせたと言うのです。思ったより早く、いきなり父親になってしまいました。

すぐに休暇をとって、函館に飛びました。妻は、立派な個室にいて、食事もよいようなので安心しましたが、長女は別な大きな病院の未熟児病棟に入院していました。無菌室のような部屋に入ると、インキュベーター(保育器)の中に、「箱入り娘」が寝かされていました。2253g、43cmと小さく、鼻には母乳を供給するためのチューブが挿入されていました。あまりに弱々しく見えたため、この子は元気に育つだろうか、と心配になりました。

早いもので、その子も今は、高校3年生です。母親よりも背が高く、ティーンエイジャーらしく、元気いっぱいです。親として一生懸命ではありましたが、初めての子は試行錯誤が多く、良い父親であったかどうか、よく分かりません。ただ、神様が愛をもって、ここまで育てて下さったことを感謝しています。

「父たちよ。あなたがたも、子どもをおこらせてはいけません。かえって、主の教育と訓戒によって育てなさい。」(エペソ6:4、新改訳第3版)

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