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2007年2月14日 (水)

サバティカル(安息年)

人間は、オンとオフの切り替えが大切です。神様は、人に「労働」を命じられましたが、同時に「安息の時」も与えられています。6日働いて1日休みを取るのは、ご存知「安息日」で、現在、世界中で用いられている週7日制の起源ですね。イスラエルには毎年、過越(すぎこし)の祭り、七週(ペンテコステ)の祭り、仮庵(かりいお)の祭りという三大祭りがあり、祭りごとに「労働」はお休みになります。そして、6年働いた後、7年目は安息年と呼ばれ、一年間休むことが旧約聖書で命じられています。英語ではこれを「サバティカル(sabbatical)」と言います。アメリカでは、大学の先生たちが7年ごとに一年間の有給休暇をもらい、本を書き上げたりするようです。

牧師になるための実地訓練が6年ほど経過した頃、私は、そろそろ次の段階に進まなければならないように感じていました。教会での奉仕は一通り経験し、牧師とは具体的に何をする仕事なのか、だいたい理解できました。会社勤めをしながら、所沢で毎週、土曜礼拝の司会をし、月一回メッセージ(説教)をし、渋谷で毎月開かれる小グループのリーダーもしていました。牧師が異動で一時不在になった時には、事実上の牧師代行となり、日曜礼拝の司会とメッセージの両方を、月3回のペースで半年ほど続けました。「安息」をとらないと、そのうち燃え尽きてしまいそうでした。

実地訓練の中で、一番たいへんだったのは、やはりメッセージです。礼拝に集まった人たちに、聖書の中から、日々の生活の指針や励ましとなるようなお話を、30分ほどします。当時の聴衆のほとんどは、私よりも年長で、信仰歴が長く、聖書に詳しい人たちでした。その人たちに対して、クリスチャンになってせいぜい2年、人生経験も浅いまだ20歳代の私が、ほとんど独学で聖書を研究し、「説教」を始めたのですから、神様から与えられた務めとはいえ、簡単なはずがありません。何をどう話して良いのか、まったく手探り状態でした。

最初は、聖書のあちこちを開くのではなく、一箇所を選んで、そこに書かれていることを語った方が良いと、牧師からアドバイスされました。これは、専門用語で「講解説教」と呼ばれます。別の牧師からは、「自分の話したいこと」ではなく、「聖書が語っていること」を、そのまま伝えなさいとも言われました。そこで、聖書を読んで心に響いた箇所の前後を、何度も繰り返し読み、祈りつつ全体のテーマを定め、いくつかのポイントを拾い、自分の感じたことや例え話を交えて、分かりやすくお話しするようにしました。毎回、試行錯誤の連続でしたが、20年ほどたった今も、ほぼ同じ方法でメッセージを続けています。

メッセージ準備で痛感したのは、読解力の弱さでした。聖書は、ただでさえ分厚く、内容は膨大で、しかも数千年前の異国・異文化の出来事やその中で語られた教えを、翻訳で読むという難しさがあります。会社の仕事と教会の奉仕をしつつ、解説書や神学書を一人で読み続けるのは、時間的に大きな制約がありました。私のいた教会には、聖書を専門的・体系的に教えられる「教師」もいませんでした。数年間の実地訓練(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の後、今度は現場を離れ、「オフ・ザ・ジョブ」で、プロの「教師」に教えてもらう必要を強く感じるようになったのです。

留学期間は、3年でした。3回分の安息年を使い切ってしまったのか、あるいはユダヤ人ではなく異邦人のクリスチャンだからか(笑)、帰国後は、なかなかサバティカルの時がないですね。何年か前に、私の夏休みは家族旅行の1週間だとドイツ人の宣教師に話したら、「それだけしか休みをとらないのか。働き過ぎの日本で、牧師が十分に休暇をとる模範にならなくて良いのか」と言われました。そのうちまた、安息年が神様から与えられることを期待したいですね(笑)。

「わたしが与えようとしている地にあなたがたが入ったとき、その地は主の安息を守らなければならない。六年間あなたの畑に種を蒔き、六年間ぶどう畑の枝をおろして、収穫しなければならない。七年目は、地の全き休みの安息、すなわち主の安息となる。あなたの畑に種を蒔いたり、ぶどう畑の枝をおろしたりしてはならない。」(レビ25:2-4、新改訳第3版)

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