猫
ロスのアパートに落ち着くと、まもなく、子猫がやって来ました。ある日、私たちのアパートのドアの前に現れたのは、片手にも乗りそうな小さな猫で、しきりに中に入りたがっています。長女は、飼いたがりましたが、猫を飼うのもタダではありません。教会のアパートで飼っていいのかも、分かりませんでした。
周りの人に聞くと、声を合わせて、「飼ったらいいじゃないか」と言います。よく考えれば、周りは、犬や猫を飼っている人ばかりでした。ただ、できるだけ留学中は余分な出費を抑えたかったので、一晩、玄関ドアの外において、神様のみこころを祈り求め、次の日の朝までそこにいたら飼うことにしました。
翌朝、玄関のドアを開けると、驚いたことに、子猫がすかさず中に入って来ます。そこで、長女の希望通り、うちで飼うことにしました。後で聞くと、隣に引っ越して来た猫好きの若い女性スタッフが、外にいる子猫をかわいそうに思い、その晩は、自分のベッドで一緒に寝たという話でした(笑)。
猫の名前は、「Kiki」にしました。茶と白と黒の混じった、美人ならぬ「美猫」でした。最初は、ミルクを飲ませていましたが、そのうちキャットフードを食べさせるようになりました。プラスチック製の「トイレ」と、その中に入れる砂も買ってきました。必要なワクチンの注射にも、何回か連れて行きました。いやがるのを押さえつつ、ノミとりシャンプーで全身を洗ったこともあります(笑)。
アメリカ流(ロス流?)に、動物病院で2回、手術も受けさせました。1回目は、前足の爪を抜く手術です。これは、猫を家の中だけで飼う場合、壁や家具に傷をつけないためのものです。そして、少し後になってから、避妊手術もしました。この時は、あまりにショックが大きくて人間不信に陥ったのか、家に帰ってきてからしばらく、私たちに近寄って来ませんでした。
猫は、犬と違って実にマイペースで、見ていて羨ましいくらいでした。養育するため、確かに費用はかかりましたが、子どもが喜んだだけでなく、私自身も、「いやされた」ような気がします。宿題に追いまくられ、プレッシャーに押しつぶされそうになる時、のんびりと昼寝をしているKikiを見ると、何だかホッとしました。
帰国する時には、ほしいと言ってくれた教会員の人に、ゆずって来ました。うちでペットを飼ったのは、その時だけです。神様が、留学中の慰めのために、特別に遣わして下さった猫かもしれませんね。
「神は、どのような苦しみのときにも、私たちを慰めてくださいます。こうして、私たちも、自分自身が神から受ける慰めによって、どのような苦しみの中にいる人をも慰めることができるのです。」(IIコリント1:4、新改訳第3版)
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