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2007年10月 9日 (火)

ディアスポラ

人は、自分のもつ物差しでしか、物事を理解しない傾向があります。多くの日本人にとって、日本という国は神代の昔から存在し、その歴史は「千代に八千代に」永続する天皇家を大きな軸として展開し、地殻変動によって沈没でもしない限り、未来永劫、日本人の大半は同じ列島に住み続けると考えるのが、「フツーの感覚」なのかもしれません。

そのような感覚からすると、イスラエルの歴史は、想像を絶しています。彼らの先祖は、紀元前2100年頃、神様に選ばれ、メソポタミアから地中海沿岸に移住してきたアブラハムでした。その後、子孫は今のイスラエルの地に王国を築きますが、アッシリアとバビロニアに国を滅ぼされ、人々は外国の地に連れ去られます。これが紀元前8~6世紀に起きた、イスラエルの離散(ディアスポラ)でした。

バビロニアに取って代わったペルシアの時代、紀元前538年に、一部のユダヤ人は祖国に帰還します。ペルシアの次はギリシア(マケドニア)、そしてその次に「占領軍」としてやって来たのは、ローマ帝国でした。この時代に、ユダヤ人たちは国を挙げて、ナザレのイエスがメシア(救い主)であることを拒絶します。その血の責任は、自分たちやその子孫にふりかかってもよいと、彼らは宣言しました。

キリストの十字架から40年後の紀元70年、エルサレムはローマ軍により、徹底的に破壊されます。きっかけは、ユダヤ人たちの反乱でした。このエルサレム包囲戦で100万人のユダヤ人が犠牲となり、エルサレム以外のユダヤ人も大勢殺され、何万人もの人々が奴隷として売り飛ばされたそうです。

国を失ったユダヤ人たちは、また世界中に散らされました。これが現代にまで続く「離散(ディアスポラ)のユダヤ人」です。彼らは各地にシナゴーグ(会堂)を建て、旧約聖書とユダヤ法(ハラハー)に基づくコミュニティーを築いていきました。領土を失い、世界各地に離散した民が、1900年もの間、民族的アイデンティティを失わずに生き延びたのは、奇蹟としか言いようがありません。

イスラエルの歴史には、神様の計画がありました。不信仰により、世界中に散らされたユダヤ人たちに対しても、時が来たら、神様が回復を与えて下さると約束して下さっていたのです。「メシアニック・ジュー」と呼ばれる、イエス・キリストを信じるユダヤ人たちが今、増え広がっているとのこと。イスラエルの人々が真のメシアを知り、アブラハム以来の「選ばれた民」という本来の姿に立ち返るよう、さらに祈っていきたいですね。

「見てごらんなさい。神のいつくしみときびしさを。倒れた者の上にあるのは、きびしさです。あなたの上にあるのは、神のいつくしみです。ただし、あなたがそのいつくしみの中にとどまっていればであって、そうでなければ、あなたも切り落とされるのです。彼らであっても、もし不信仰を続けなければ、つぎ合わされるのです。神は、彼らを再びつぎ合わすことができるのです。」(ローマ11:22-23、新改訳第3版)

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