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2007年11月15日 (木)

バビロニア

確か、大学1年の頃、英語のクラスで使ったテキストに、バベルの塔のことが書いてあったように記憶しています。人々が神様のみこころに反し、一つの町に集まって天に届く塔を建て、自分たちの力を誇ろうとしたところ、神様はそれを喜ばず、言葉を混乱させたという旧約聖書・創世記の話です。私は、その話が強く印象に残り、言語と文化の違いに関心を持つ一つのきっかけになりました。

塔が建てられた町バベルは、メソポタミア文明の中心都市バビロンのこと。現在のイラク・バグダッドの南方90キロほどに位置していました。この町を首都とした古バビロニアは、法典で有名なハンムラビ王の時代、紀元前18世紀に最盛期を迎え、全メソポタミアを支配します。アッシリア帝国を滅ぼしたのは、それより1000年以上後となる新バビロニアで、こちらはネブカデネザル(ネブカドネザル)大王の時代に全盛期を築きます。

アッシリア帝国の支配から奇跡的に守られたイスラエルの南王国(ユダ王国)は、紀元前586年、このネブカデネザルによってついに滅ぼされ、国民の大多数はバビロニアに捕虜として連れ去られました。昨年暮れに死刑となったイラクのフセイン元大統領は、大統領在任時、自らを「現代のネブカドネザル」と称していたようです。イラク周辺国やイスラエルとその同盟国では、多くの人々が、彼の言葉に心中穏かではなかったでしょう。

ネブカデネザルは、彼が見た夢の意味を解き明かした預言者ダニエルや、偶像礼拝を拒否した他のユダヤ人たちを通し、イスラエルの民が信じる「いと高き神」を知るようになります。バビロニアの繁栄を自らの偉業として誇るようになった時、ダニエルの預言通り、大王は精神的な病に冒され、その回復後、本当の神様を礼拝するようになったと聖書に記されています。

70年間のバビロン捕囚は、神様に聞き従わなくなったユダヤ人たちへの天罰と再訓練でしたが、神様はその災厄をも用いられ、バビロニアにご自身のことばを伝えられました。フセイン元大統領最後の言葉は、イスラムの信仰告白、「アッラーは偉大なり。アッラーの他に神はない。ムハンマドはアッラーの使徒なり」だったそうです。ネブカデネザルの信仰とは、少し違ったようですね。

バビロニア王国は滅びましたが、イスラエルの民は捕囚の地から帰還し、他国の支配を受けつつも、祖国復興と来たるべき王(メシア)への希望を持ち続けます。南ユダ王国が陥落する前、神様は預言者エレミヤを通し、愛するイスラエルの人々に捕囚への警告と将来の希望について語られました。その恵みのことばは、混沌とした現代社会で将来を見失いがちな私たちにとっても、大きな励ましを与えてくれます。

神様が、ユダヤ人だけでなく、すべての人に将来と希望を約束して下さっていることを感謝します。

「まことに、主はこう仰せられる。『バビロンに七十年の満ちるころ、わたしはあなたがたを顧み、あなたがたにわたしの幸いな約束を果たして、あなたがたをこの所に帰らせる。わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。──主の御告げ──それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。」(エレミヤ29:10-11、新改訳第3版)

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