韓国人と日本人
昨日は、鈴木啓之牧師をお招きし、人生やり直しの実体験に基づく、感動的なお話を聞かせていただきました。絶望的な思いをかかえて新宿の教会にとび込んだのは、ちょうどクリスマスの時期だったそうです。数々の悪事に手を染め、人からは決して赦されないようなことをしてきた自分。そんな自分であっても、神様は「高価で尊い」と言って下さり、愛して下さっていることを知った時、鈴木啓之さんの心の中に、初めて本当のクリスマスが訪れました。
韓国人の奥様は、暴力をふるい、自分と娘を捨てた夫をずっと待ち続け、神様に祈っていました。夫が突然、帰ってきた時、韓国からお母さんも来ていました。二人は、帰って来た啓之さんを責めなかったそうです。妻は夫を気遣い、涙で頬をぬらし、義母は笑顔で夕飯を用意してくれたとのこと。日本人の夫に苦しめられ続けた韓国人の妻が、夫を赦すことができたのは、キリストから与えられた愛のゆえでした。
(お二人については、以前の記事参照→ http://lifestream.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_e4c2.html、http://lifestream.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_b376.html)
韓国と日本は、ともに中国文明の周辺国として、兄弟のような歴史を辿って来ているように思います。中国大陸の文化・文物の多くは、朝鮮半島(韓半島)を経由して日本に入ってきたわけですから、韓国は日本の兄貴分にあたります。弟分が国を挙げて兄貴を足蹴にしたのは、上下関係が崩壊した下克上時代の覇者、豊臣秀吉の時が最初でしょうか。「天下統一」をアジア諸国にまで広げようとした秀吉は、中国・明王朝の征服を企て、朝鮮半島に侵攻。その後の日韓関係を大きく変える象徴的出来事となりました。
「脱亜入欧」を唱えて西欧近代文明にいち早く乗り換えた日本は、アジア各国を見下すようになり、日清・日露戦争勝利の後、韓国を併合します。「日帝」36年の支配を通して、日本は韓国人から言葉や姓名、土地財産を奪い、男は強制労働、女は慰安婦として連れ去り、反抗する人々を拷問し、虐殺したそうです。韓国・天安市郊外にある広大な規模の「独立記念館」には、日本人には見るに耐えないような数々の展示物があるようです。
この日韓近代史の中で、対照的な展開をみせたのが、両国におけるキリスト教でした。日本は「和魂洋才」を唱え、西洋の物質文明は受け入れるが、精神文明は拒否する態度をとります。神道を国家建設の土台とし、一時は仏教まで「外国の宗教」として排斥しようとしました。これに対して朝鮮半島では、神社参拝の強要に反発するクリスチャンたちが、抗日独立運動の中心的役割を果たしたようです。日本のナショナリズムは、キリスト教を拒絶しましたが、韓国のナショナリズムは、キリスト教が土台となったわけです。
現在、韓国では、クリスチャンが仏教徒よりも多く、人口の30%ほどを占めるとのこと。世界最大のプロテスタント教会は、韓国にあるヨイド純福音教会で、会員数は約80万人だと言われています。海外宣教にも熱心で、150カ国以上の国で活躍する1万人以上の宣教師数も、アメリカに次いで世界第2位だそうです。最近は、アフガニスタンでの韓国人宣教チーム拉致事件が世界中の注目を浴びました。
今後の韓国と日本の友好関係は、キリスト教が重要な役割を果たすように思います。たとえ「ヤクザな日本人」であったとしても、心から悔い改めて新しい良好な関係を築きたいと願うなら、キリストの愛に満たされた韓国の人々は、赦してくれるはずです。実際、私がこれまで出会った韓国人クリスチャンたちは、そのような心をもった人たちでした。
「悔い改め」とは、自分中心の生き方・考え方から、創造主なる神様の方向に向きを変えることです。神様は、どんな人に対しても、新しい「やり直し」の生き方を与えて下さいます。このクリスマスの時、イエス・キリストが与えて下さった愛と赦しの人生、和解の人生を感謝して受け取っていきたいですね。
「イエスは答えて言われた。『医者を必要とするのは丈夫な者ではなく、病人です。わたしは正しい人を招くためではなく、罪人を招いて、悔い改めさせるために来たのです。』」(ルカ5:31-32、新改訳第3版)
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コメント
クトゥファンさま
また情報をありがとうございました。
このブログは、当方があずかり知らぬうちに、さまざまなサイトで紹介されているようです。その一つひとつについて、こちらとしては特に関知するところではなく、また監視しようとも思いません。
どうぞご了解下さい。
祝福がありますように。
投稿: shigeki | 2007年12月14日 (金) 21時12分