キリストの証人となる(使徒1章)
経営学者のジェームズ・C・コリンズ氏は、その著書「ビジョナリー・カンパニー2・飛躍の法則」の中で、偉大な組織をつくるための条件について記しています。飛躍的に成長する組織のリーダーは総じて謙虚であり、次世代における成功を目指した後継者選びをする。必ずしもカリスマ的な個性を持たず、自分がいなくなったとしても永続的に成長を続ける仕組みを作り上げるという話です。
イエス・キリストは、少なくとも一時的にはイスラエルにおいてカリスマ的な指導者でしたが、弟子たちの足を洗い、「罪人(つみびと)たち」のために命を投げ出すほど謙虚でした。そして、次世代の成功のため後継者を選び、永続的な成長を続けることのできる「教会」という仕組みを作り上げたのです。
偉大な師であるキリストが天に昇られ、神の国を築いていく働きを弟子たちに引き継いだ時、弟子たちは最初、不安だったに違いありません。彼らのリーダーを十字架につけたイスラエルの有力者たちは、まだそのまま残っていました。復活のキリストがそばにいれば心強かったでしょうが、いなくなってしまえば、今度は弟子たちが捕らえられ、処刑されるかもしれないのです。
しかし、イエス・キリストは、自分は弟子たちのもとを去った方が良いのだと言われます。去ることにより、弟子たちを通して、さらに神の国の働きが拡大していくことになったからです。キリストが天に昇られた後、弟子たちは心を合わせて祈りました。するとその直後のペンテコステの祭りの日、弟子たちに聖霊の力が注がれます。そして彼らは、各地にイエス・キリストの証人として遣わされ、信者の集まりである「教会」が世界中に生み出されていったのです。
キリストを信じる私たちは、今もその証人としての働きを引き継いでいます。全世界の王からそれぞれ独自のミッション(任務)が与えられ、神の国の大使として世界中に派遣されているというのは、たいへん光栄なことです。永続的に成長を続ける神の国の働きのため、私たちも力を尽くし、愛と謙虚さをもって、次世代がさらに飛躍できるよう後継者づくりをしていきたいですね。
「しかし、聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります。」(使徒1:8、新改訳第3版)
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