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2008年6月 4日 (水)

使徒ウェスレーとメソジスト運動

私たちの教会では、「愛(i)の流れ」を重視しています。神様の愛の「おしえ(instruction)」が心の中に流れ込み、神様と直接、「おはなし(intimacy)」をすることにより、一人ひとりが無限の愛によって「満たし(infilling)」を受け、それが周りの人々への愛の「おこない(impact)」となって流れ出すという考え方です。

メソジスト運動の創始者であるジョン・ウェスレーも、神様の愛が心に流れ込み、その愛に満たされることによって、産業革命期の混乱・退廃したイギリス社会に一大変革をもたらし、また開拓時代のアメリカにおけるリバイバル(信仰復興)運動の基礎を築きました。

今日の多くの福音派教会も聖霊派(ペンテコステ・カリスマ派)教会も、ウェスレーの偉大な霊的遺産を相続した子どもたちであるかのようです。彼は「英国の使徒」と呼ばれたようですが、世界中に広がる「福音主義教会の使徒」、あるいは「リバイバル運動の使徒」と呼んでも、おそらく過言ではないでしょう。

英国国教会の牧師の15番目の子として生まれたジョン・ウェスレーは、自らも牧師の道を選びます。弟のチャールズたちとともに「ホーリー・クラブ(Holy Club)」というグループを作り、規則正しい信仰生活を目指し、日々の聖書研究、祈り、断食、病人や囚人への訪問、貧民家庭での奉仕などを実践しました。周囲から半分馬鹿にされ、つけられた「Methodists(きちょうめん屋)」というあだ名が、彼らのその後の運動の名称となりました。

敬虔主義運動との出会いは、ウェスレーに一大転機をもたらします。彼は米国ジョージア植民地に赴任した際、船で一緒になったモラヴィア兄弟団の姿に感銘を受けます。彼らは嵐の中、死が迫っているように見える時にも決して動揺せず、静かに祈り、賛美していたのでした。ウェスレーは、モラヴィア兄弟団にある救いの確信が、自分にはないことを悟りました。

帰国後の1738年5月24日、ウェスレーは、ロンドンのアルダスゲイト街で行われたモラヴィア派の集会で不思議な体験をします。ルターが書いた「ローマ人への手紙講解」序文を司会者が読んでいると、心が温まるような感覚があり、その瞬間、キリストが自分を罪から救って下さった確信が与えられたのです。

1739年1月1日には、同じくロンドンのフェッター小路で、朝の3時に祈っていた人々が特別な「聖霊体験」をしました。ウェスレーの日誌は、こう記しています。「神の力が強く私たちに臨んだため、多くの者は非常な喜びをもって叫び、また多くの者が地に倒れた。神の威厳ある臨在に対する恐れと驚きから少し我に帰ると、私たちはすぐに一つの声で叫び出した。『神様、あなたを賛美します。あなたが主であることを認めます。』」

ジョン・ウェスレーは、その後、精力的な宣教活動により英国労働者の生活を一変させます。馬に乗って総計36万キロ余りを走破、4万回以上の説教をし、50冊以上の本を書いたそうです。弟のチャールズは、6,000以上の賛美歌を書き、その一部は今でも世界中で歌われています。

ウェスレーらの運動は、やがて英国上層階級にまで影響を与えました。イギリスにフランスのような暴動や血の革命が起きず、産業革命後の世界に「イギリスによる平和(パックス・ブリタニカ)」が築かれたのは、ウェスレー兄弟たちの働きが一端を担っていたとも言われているそうです。

メソジスト運動は、英国国教会内のリバイバル運動でしたが、ジョン・ウェスレーの死後、国教会から分離・独立します。19世紀のアメリカにおいては最大教派となり、日本にも宣教師が派遣されました。学校設立にも熱心で、青山学院、関西学院、遺愛学院、弘前学院、長崎の活水学院、そして福岡女学院などが生み出されています。

ジョン・ウェスレーとメソジスト運動は、「愛の流れ」により、創造主なる神様の愛を世界中の人々に伝えました。私たちも同じように、神様の愛を知り、その愛によって満たされ、愛を伝える者となっていきたいですね。それは「生ける水の川」の流れ、つまり、イエス・キリストを信じる者の心の奥底に宿って下さる聖霊なる神様の働きです。

「…イエスは立って、大声で言われた。『だれでも渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい。わたしを信じる者は、聖書が言っているとおりに、その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになる。』」(ヨハネ7:37-38、新改訳第3版)

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