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2009年12月

2009年12月23日 (水)

神の恵みの時

先日、所沢の教会が建つこの土地をフォースクエア教団が購入したのは1960年であることを発見しました。5月に土地を購入し、10月頃に建物が建ったようです。かつての古い会堂は、平屋(1階建て)の「将校ハウス」と呼ばれる建物でした。私はちょうどその頃、札幌で生まれました。同じ時期だったことに何か神様の計画があるように思い、うれしく感じました。

フォースクエアによる所沢での伝道は、ビリー・チャールズ(Billie Charles)という宣教師によって1950年代に始められています。1959年に秋津教会の会堂が建ちましたが、同じ頃、所沢のプロペ通りのあたりにも会堂が建てられ、最初はそこが所沢教会の場所だったようです。

ここ南住吉には何人かの宣教師たちが交代で住み、英語教室や聖書学校を開いたようです。1981年からは、日本人の牧師たちによって教会開拓が進められました。その後、1992年に日本の教団がハワイからコーリー牧師を招き、教会は現在のホープチャペルという名前になりました。

今年は、同じフォースクエアに属する秋津福音教会と沖縄新生教会の50周年のお祝いがありました。しかし、この所沢の教会も50年ほどの歴史を持つことになります。この場所でクリスマスをお祝いするのも、ひょっとしたら50回目かもしれません。

今、私たちは、ひょっとしたら特別なクリスマスの時を迎えているのかもしれません。

聖書の中で、50年というのは特別な意味を持っています。それはヨベルの年(Year of Jubilee)と呼ばれています。ヨベルとは角笛(shofar; ram’s horn)という意味です。50年目の年の始まりに角笛が吹き鳴らされました。

ヨベルの年は、特別な恵みの時でした。イエス様は、このヨベルの年のような「恵みの時」を告げ知らせるために、私たちのもとに来られたと自ら宣言されています(ルカ4:16-21)。それは、どのような恵みなのでしょうか。

第一に、救いの恵みです。ヨセフの見た夢の中で天使は、生まれてくる子をイエスと名付けなさいと命じました(21節)。イエスとは「主は救い(The Lord saves)」という意味です。私たちを罪から救い出すため、イエス様は誕生されたのです。ヨベルの年には、借金が帳消しにされました。イエス様は、私たちの罪の身代わりとなって十字架について下さいました。自らのいのちにより、私たちの罪の代価を支払って下さり、私たちの負債を帳消しにして下さったのです。そして、それだけでなく、私たちが罪から離れた生き方をしていくことができるように、いつもともにいてくださるお方です。何が正しくて何が間違っているかを教え、正しい方向へと導いて下さるのです。

第二に、神の国の恵みです。イエス様が生まれたことを聞き、東方の博士たちが「ユダヤ人の王」(2節)の誕生をお祝いに来ました。彼らはまずヘロデ王のもとを訪ねますが、ヘロデ王はイスラエルの真の王とは言えませんでした。ヘロデはエドム人であり、ローマ帝国から王として認められ、その地を治めていたのです。ユダヤ人たちは、ヘロデを真の王とは認めていませんでした。そこに突然、外国の使節がやってきて、「ユダヤ人の王が生まれた」と聞けば、ヘロデはたいへんな恐れをもったはずです。

さっそく「ユダヤ人の王」の誕生する場所を調べると、ベツレヘムだという預言があることが分かりました。イエス様が生まれる700年ほど前、旧約聖書のミカという人が残した預言です。ベツレヘムはエルサレムのすぐそばにあるダビデ王の出身地であり、「ダビデの町」とも呼ばれていました。神の民イスラエルを治める真の王なるイエス様は、ダビデ王家の正統な子孫として誕生したのです。

ベツレヘムは、実は「パンの家」という意味です。イエス様は天から下りいのちを与えるパンとして、「パンの家」に誕生されたのです。そして、そのパンをいただく私たちを永遠の神の国へと招き入れて下さいました。ヨベルの年は、神様から与えられた相続地が本来の所有者に返還される年でした。神の国の王なるイエス様は、私たちの本来の相続地である神の国、天の御国を私たちの手の中に戻して下さったのです。

第三に、自由の恵みです。博士たちは、自ら進んでイエス様の誕生をお祝いしに来ました。そして幼子のもとにひれ伏し、贈り物をささげたのです。誰から強制されたわけでもありません。自らの自由な意思により、イエス様を礼拝しに来ました。ちなみにヘロデ王は幼子のもとを訪れず、その地域の幼子たちを皆殺しにしました。ヨベルの年は、奴隷たちが解放され、自由にされる年でした。私たちもイエス様によって罪や死の呪いから解放され、自由とされています。そしてその自由をどのように行使するかは、私たち一人ひとりの選択にゆだねられています。イエス様を礼拝し、自分はこのお方のために何をささげることができるのかそれぞれ自由に祈り求め、考えることができることを感謝します。

皆さんは、今どのような恵みを感謝していますか? 救われていますか? 神の国の一員となっていますか? 与えられている自由をどのように用いていますか?

神様が私たちに大きな恵みを注いで下さっていることを感謝します。ご降誕の御子イエス様を通して与えられた救い、神の国、自由の恵みを喜び、このお方の誕生を心からお祝いしましょう。

「マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方です。」(マタイ1:21, 新改訳第三版)

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