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2016年5月 8日 (日)

仕える人になる

 日本では最近、大企業の不正がまた明らかになりました。私は昔、仕事で三菱の2トントラック「キャンター」を毎日運転していました。燃費がどうだったかは分かりませんが、事故がなくて良かったです。実は米国でも21世紀に入ってから、大企業の不正が次々に暴露されたようです。米国ではその後、リーダーには能力だけでなく、高い倫理観が必要だと多くの人々が主張しました。そこで「サーバント・リーダーシップ」という考え方が、再び注目されるようになったそうです。奉仕する(仕える)リーダーシップという意味です。人に指示や命令するよりも、人の行動や成長を支援するリーダーの働きです。このようなリーダーは、「サーバント・リーダー」と呼ばれます。

 サーバント・リーダーシップは、1970年頃からロバート・グリーンリーフによって提唱されました。その頃、米国はベトナム戦争が長期化し、出口が見えませんでした。ヒッピー等による反戦平和運動も盛んになっていました。多くの若い人たちが、国や社会のリーダーを信用しなかったそうです。自分たちもリーダーになりたくないと考えました。グリーンリーフは、「このままでは将来、国や社会でリーダーシップを取る人がいなくなる」と危機感を持ちました。私利私欲を求めるのではなく、他の人のために奉仕するリーダーが必要だと、彼は考えました。そのようなリーダーがいれば周りの人は信頼し、主体的に協力してくれるはずだとも考えました。

 サーバント・リーダーシップには、次の10個の特徴があるそうです。1)傾聴 (listening)。話をしっかり聞き、どうすれば自分が役に立てるか考える。2)共感 (empathy)。相手の立場に立って、その気持ちを理解する。3)癒し (healing)。相手の心の傷を取り除き、本来の力を取り戻させる。4)気づき (awareness)。鋭い感覚によって、物事をありのままに見る。5)納得 (persuasion)。服従を無理強いせず、相手の同意を促す。6)概念化 (conceptualization)。大きな夢やビジョンを持ち、それを相手に伝える。7)先見力 (foresight)。現在と過去を照らし合わせ、将来を予想する。8)執事役 (stewardship)。自分の利益よりも、相手の利益を喜ぶ。9)成長への関与 (commitment to the growth of people)。一人ひとりの力や価値を見出し、仲間の成長を促す。10)コミュニティづくり (building community)。愛情と癒しに満ち、人々が成長できるコミュニティをつくる。

 サーバント・リーダーと正反対なのが、君臨・支配型のリーダーです。君臨・支配型リーダーは、自分の成功を求め、人をそのために利用します。情報をコントロールし、自分の立場を守ろうとします。データもごまかすかもしれません。人には指示、命令を与えるだけです。何か問題が起きたら、誰か別な人の責任にします。人々は、その権威に従いますが、心の中では恐れています。これに対してサーバント・リーダーは、自分よりもチームの成功を求め、そのために仕えたいと思っています。ビジョンを共有し、信頼のネットワークを作ろうとします。情報の正確さを大切にし、人の話をよく聴きます。何か問題が起きたら、そこから得た教訓を生かそうとします。人から信頼され、愛されています。

 イエス様は、すでに2000年前にサーバント・リーダーシップについて教えられました。イエス様ご自身が、完璧なサーバント・リーダーです。サーバント・リーダーシップの特徴を、全て備えておられます。イエス様は、私たちも同じように「仕える人」になってほしいと願われています。日本にイエス様のようなサーバント・リーダーが増えるなら、不正はきっと減って行くに違いありません。

「…あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。あなたがたの間で人の先に立ちたいと思う者は、あなたがたのしもべになりなさい。」(マタイ20:26-27)

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