信仰により力を得る
でも神様の計画が何なのか、なかなか分かりませんでした。ニックは、小さい頃から周りの人たちにじろじろ見られました。学校に入ると、いじめられました。つらい日々が続きました。両手足のない自分を、みじめに思いました。彼は両親の教会で育ったので、神様の愛のことは聞いていました。でも自分はなぜ生まれて来たのか、何のために生きるのか、全く分かりませんでした。どうして自分には手足がないのかと、神様に怒りをぶつけたこともありました。神様に愛されていないのではないかと思う時もありました。8歳の時、すでに人生を悲観していました。仕事も結婚もできないだろうと思いました。心は、次第に神様から離れて行きました。10歳の時、自殺を試みました。湯船につかって、顔をお湯の中に沈めました。でもその瞬間、両親がお墓の前で泣く様子が思い浮かびました。そして、自殺を思いとどまりました。
転機が訪れたのは、15歳の時です。聖書を読んでいて、あることばに目が釘付けになりました。生まれつきの盲人を見て、弟子たちがイエス様にこう質問した箇所です。「この人の目が見えないのは、誰が罪を犯したせいですか。この人ですか。それとも両親ですか。」イエス様は、こう答えられました。「この人でも両親でもありません。神のわざがこの人に現れるためです。」この聖書箇所を読んだ時、ニックは神様から全ての答えをいただいたように感じました。ニックもその盲人も、自分がなぜハンディを負って生まれて来たのか分かりませんでした。でも神様はその理由をご存知であり、祝福の計画を持たれていたのです。そのことに気付いた時、ニックの心は解放されました。その後、大学を卒業し、不動産の会社に就職しました。4年前には日系人の宮原佳苗さんと結婚し、子供も2人与えられました。今は世界中を回って講演活動をし、神様の愛と希望を伝えています。
ニックは、ずっとこう祈って来ました。「手足を下さい。奇跡を起こして下さい。」その祈りは、今のところ答えられていません。でも神様が手足を下さらなかったことに、今は感謝しているそうです。神様は、彼に奇跡を与えられませんでした。でも神様の計画は、ニック自身が他の誰かにとって奇跡となることだったのです。彼は今、神様の愛を信じています。その信仰により、彼は生きる力を得ました。他の人を愛する力を得ました。世界の至る所に行き、神の愛と希望を伝える力を得ました。イエス・キリストを信じる信仰により、私たちは神様からさまざまな力をいただくことができるのです。
「そして、このイエスの御名が、その御名を信じる信仰のゆえに、あなたがたがいま見ており知っているこの人を強くしたのです。イエスによって与えられる信仰が、この人を皆さんの目の前で完全なからだにしたのです。」(使徒3:16)
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