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2017年1月

2017年1月29日 (日)

主イエスに全てをささげる

 映画「容疑者Xの献身」は今年、中国でリメイク版が公開されるそうです。日本版は9年前の2008年公開。5年前には韓国版が公開されました。このストーリーも人気があるようですね。原作は東野圭吾さん。日本版の映画出演者は福山雅治さん、柴咲コウさん、松雪泰子さん、堤真一さんなど。私は、テレビドラマのガリレオシリーズは見ていませんでした。原作が直木賞を取ったことも、良く知りませんでした。しかし映画のタイトルを見た時、非常に興味が湧きました。「献身」という言葉があったからです。辞書によると「献身」とは、「他人やある物事のために、自分自身を犠牲にして尽くすこと」です。教会でよく使われる言葉です。もちろん教会では、神への献身を意味します。私はクリスチャンになって以来、この言葉を非常に意識して来ました。容疑者Xは、一体何に献身したのか。それが、私の興味を惹いた点でした。

 (以下ネタバレです。)映画では冒頭、ある殺人事件が起こります。女性とその娘が、暴力をふるう元夫を思わず殺してしまいます。呆然とする二人を、ある人が助けてくれます。アパートの隣に住む独り者の石神哲哉です。彼のトリックのおかげで、二人のアリバイは完璧になりました。警察はお手上げ。担当刑事は、大学時代の友人に相談します。ガリレオという異名を持つ天才物理学者・湯川学です。湯川は、見事にトリックを見破りました。石神がアリバイ作りに協力した理由にも気づきました。恋心でした。彼はある日、人生に絶望し、首をつろうとしていました。しかし丁度その時、隣に魅力的な女性が引っ越して来ました。彼女と娘の楽しそうな様子を見ることは、石神の生きがいになりました。彼らのためなら何でもすると、石神は考えました。完璧なアリバイを作り、罪の身代わりにもなりました。それが、容疑者・石神の献身でした。

 聖書が教える献身は、犯罪とは関わりがありません。密かな恋愛感情が動機でもありません。動機は、神様への愛です。神様は、限りなく大きな愛で私たちを愛しておられます。愛される資格のない私たちを、無条件に愛されています。その愛の素晴らしさを知り、神様のためなら喜んで犠牲を払い、何でもするというのが聖書的な献身です。そうする人は、神様に喜ばれることが生きがいとなります。聖書の中には、そんな生き方をした人たちが多く記されています。ノアは、箱舟づくりに献身しました。そのために世間の評判を犠牲にしました。アブラハムは、約束の地への旅に献身しました。そのために故郷での安定した生活を犠牲にしました。モーセは、ユダヤ人の解放と訓練に献身しました。そのために穏やかな余生を犠牲にしました。そしてイエス様は、神ご自身でありながら、私たちに献身の模範を示して下さいました。神の愛の素晴らしさを全世界に伝えるため、十字架で自らを犠牲にされました。愛のゆえに、全ての人の罪の身代わりになったのです。

 イエス様は、こう言われています。「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、自分の十字架を負い、そしてわたしについて来なさい。」(マタイ16:24)使徒パウロは、この生き方を最期まで全うしました。彼は、無実の罪の容疑者として捕えられました。それでも、最期まで「転び」ませんでした。神様の愛に感謝し、自らの命を犠牲にしました。それが「容疑者パウロ」の献身でした。彼は、天国で授けられる義の栄冠を楽しみに地上の人生を走り抜きました。イエス様を信じ、ついて行く人は、誰でもそれを楽しみに生涯を全うできるのです。

「するとパウロは、『あなたがたは、泣いたり、私の心をくじいたりして、いったい何をしているのですか。私は、主イエスの御名のためなら、エルサレムで縛られることばかりでなく、死ぬことさえも覚悟しています』と答えた。」(使徒21:13)

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2017年1月22日 (日)

神のことばによって生きる

 映画「猿の惑星」シリーズは今年、最新作が公開予定だそうです。映画はこれまで8本製作されたそうですから、人気がありますね。最初の作品は1968年公開で、49年前です。主演は、「十戒」でモーセを演じたチャールトン・ヘストン。私は中学生の頃、テレビでこの映画を観たように思います。衝撃的でした。宇宙飛行士テイラーが辿り着いた惑星では、サルが人間を支配していました。人間は言葉を話せず、サルだけが話していました。しかも英語のようでした。(私が観たのは日本語吹き替え版です。)人間は知能が低く、野蛮な下等生物だと見なされていました。サルは人間から進化したと考える、サルの学者もいました。テイラーがいくら真実を訴えても、どのサルも信じてくれませんでした。人間が言葉を話し、高度な文明を築いて宇宙船を飛ばすなど、サルたちには考えられなかったのです。

 現実の世界では、サルが人間のように言葉を話すことはありません。人間が言葉を話せる大きな理由は、他の動物と比べて特に大脳が発達しているためだそうです。チンパンジーと比べると、5倍ほどあります。人間の体全体には外部情報を伝える神経のネットワークが張り巡らされ、情報は脳に集まります。脳には、140億個の神経細胞が集まっています。その中でも大脳は、何かを考えたり、感じたり、言葉を話したり、記憶したりする働きを担います。この大脳の中に、言語野と呼ばれる部分が存在します。言葉のやり取りを専門にする部分です。ブローカ野と呼ばれる部分は、おもに話すことを担当します。ウェルニッケ野と呼ばれる部分は、おもに言葉の理解を担当します。この二つの部分の活躍により、私たちは言葉を話し、理解できるのです。

 なぜ人間の大脳だけが特に発達し、高度な言語を駆使できるのか――。聖書を見れば、その理由は明らかです。人間は、神のかたちに造られたからです。天地創造の神は、言葉を話すお方です。被造物である人間も、そのように造られました。最初の人類であるアダムとエバは、言葉を話しました。「エデン語」だったかもしれません。神様と自由にお話しすることができました。いつでも何でも話を聞くことができたはずです。彼らがそうしなかった時、問題が起きました。神様との約束を破り、楽園にいられなくなったのです。神様は、その後も聞く耳を持つ人々に語り続けました。ノアとその子孫を洪水から救い、二度と人類を洪水で滅ぼさないと約束されました。アブラハムには、彼の子孫によって地上の全ての国々が祝福されると語られました。モーセには、ユダヤ人は世界の宝だと言われました。彼らは天地創造の神とお話しし、その恵みを全世界に知らせる特別な民に選ばれたからです。

 神のことばであるイエス様は、天地創造の神の大切なメッセージを伝えに来て下さいました。信じる人は、神様とのコミュニケーションを永遠に回復できるというメッセージです。アダムとエバ以来、人類は神様とのコミュニケーションが断絶していました。神様は、その状態を修復する計画を着々と進めて来られました。特別に選ばれた人たちを通し、計画の断片を少しずつ伝えられました。イエス様は、その計画を実現する最大の切り札としてこの世に来られたのです。イエス様を信じる人は、大脳を本来の設計通りに活かすことができます。「神のかたち」として造られた人が、神様とお話しし、そのことばを聞いて生きるようになるからです。

「いま私は、あなたがたを神とその恵みのみことばとにゆだねます。みことばは、あなたがたを育成し、すべての聖なるものとされた人々の中にあって御国を継がせることができるのです。」(使徒20:32)

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2017年1月15日 (日)

新しい人生を歩む

 伊勢神宮の参拝者は昨年、約874万人だったそうです。過去120年で4番目に多かったとのこと。昨年5月に開催されたG7伊勢志摩サミットの影響だとか。ちなみにこれまで1番多かったのは2013年で、1420万人。式年遷宮のあった年です。2番目は翌年の2014年で、1087万人。ですから、過去4番目というのは結構多い人数です。サミットの場所をその地域にした理由について、安倍首相はこう語りました。「日本の美しい自然や豊かな文化、伝統を世界のリーダーたちに肌で感じてもらえる場所にしたいと考えた。伊勢神宮は悠久の歴史を紡いできた。たくさんの日本人が訪れる場所であり、日本の精神性に触れていただくには大変良い場所だ。」ちなみに佐藤栄作氏以降、歴代首相は新年に伊勢神宮を参拝しているそうです。今年は、4日に安倍首相が参拝しました。

 伊勢神宮がある意味特別なのは、天皇家の祖先とされる太陽の女神アマテラスを祀る中心的な施設だからです。日本国民なら誰もが拝むべき神だと言う人もいます。アマテラスは最初、皇居の中で祀られていました。その後、約2000年前に伊勢に礼拝施設が作られたそうです。当初は天皇専用の礼拝所でしたが、次第に他の人たちも参拝するようになりました。武士は戦の勝利、農民は豊かな収穫、商人や職人は商売繁昌を祈願しました。御師と呼ばれる伝道者のような人々が全国を回り、信者を増やしたそうです。江戸時代末には、日本人の6人に1人が参拝したとも言われています。明治の時代、指導者たちは神道を中心とする国づくりを進めました。キリスト教を土台とする欧米の国々に対抗したのです。伊勢神宮は全国の神社の頂点に位置づけられ、国の施設になりました。東京から伊勢神宮に向かう道が、国道1号線と呼ばれたこともありました。学校でも、アマテラスとその子孫が日本の国を始めたと教えました。日本はアマテラスの国だという信仰が、国民全体に刷り込まれたのです。

 聖書に記されるアルテミス信仰も、似た部分があったように思えます。巨大な神殿があったエペソは、ローマ、アレキサンドリアに次ぐ帝国第3の大都市で、小アジアの中心都市でした。神殿は、アテネのパルテノン神殿の4倍あったとも言われます。古代の旅行者たちは、世界7不思議の一つに数えました。地中海世界全体から、大勢の参拝者が訪れました。アルテミスは、ギリシヤ神話の女神です。ギリシヤ人がエペソの町を築いた時、昔からあった神殿をアルテミスの神殿にしました。土着の女神信仰と混じり合ったようです。エペソの人々は、アルテミスはエペソで生まれたと信じました。多くの子宝を授ける母なる女神として、礼拝されました。その神殿は地域の精神性を表し、悠久の歴史を紡いでいました。アルテミス信仰は、彼らの文化であり伝統だったと言えます。小アジア一帯が女神アルテミスの地だという信仰は、おそらく人々の心に深く刷り込まれていたのでしょう。

 イエス・キリストは、先祖伝来の精神性からエペソの人々を自由にしました。彼らは、アルテミスよりもはるかに偉大な神がおられることに気づきました。神々としてあがめられる全ての霊的存在の上に立つお方。人類の歴史を超越した、永遠の歴史を紡ぐお方。全世界を創造し、全ての霊的存在を造られたお方。そして、あらゆる生物に命を与えるお方です。子宝はアルテミスではなく、天地創造の神から授けられます。その真実を悟ったエペソの人々は、偶像を捨て、新しい人生を歩み始めました。イエス様は、日本の人々も先祖伝来の精神性から自由にして下さいます。信じる人は伝統の縛りから解放され、新しい人生を歩むことができるのです。

「このことがエペソに住むユダヤ人とギリシヤ人の全部に知れ渡ったので、みな恐れを感じて、主イエスの御名をあがめるようになった。」(使徒19:17)

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2017年1月 8日 (日)

天の声に導かれる

 今年も大勢の人が、初詣に出かけたようです。クリスチャンの目から見ると、初詣は不思議な現象です。神社やお寺に行く人は、多くの場合、どんな神や仏が祀られているのか気にしません。目に見えない霊的な存在は、その人たちにとって同じようなものなのです。初詣客を迎える神社やお寺の方も、それはよく分かっています。どんなご利益があるかにアピールポイントがあります。健康や合格、商売繁盛、縁結び、安産等。最近は、IT情報の安全もあるそうです。有名な場所には、たくさんの人が集まります。明治神宮や成田山新勝寺、川崎大師がトップ3で、300万人以上集まるようです。一躍、有名になる場所もあります。昨年、「逃げるは恥だが役に立つ」というTVドラマが大ヒットしました。契約結婚のドラマで、テーマソングも大ヒット。エンディングで出演者が踊るダンスは、多くの人が真似しました。ドラマの中で、山梨のお寺と横浜の神社がロケ地になりました。今年、その場所は初詣客が大幅に増えたそうです。若いカップルと家族連れが多かったとのこと。縁結びのお守りもたくさん売れたそうです。

 初詣の参拝後、多くの人はおみくじを引きます。神々や諸仏等に何かお願いした後、その願いが叶いそうかどうか確認するのです。おみくじは、古代中国の占いがもとになっているようです。それが日本風にアレンジされて、江戸時代に広まったという話。明治時代になって、今のような紙のおみくじが売り出されました。山口県の神社の宮司が考案したそうです。その人が設立した会社は、今も全国のおみくじの7割のシェアを占めるそうです。おみくじ製作で「がっちり」ですね。おみくじには、「予言」のような言葉が記されています。もちろん、天地創造の神が与えた預言ではありません。中国や日本の神々や諸仏等が与える「予言」なのでしょう。これから良いことが起きるかどうか、5~7段階で評価します。通知表のようです。一番良いのが大吉で、一番悪いのが凶ですね。10以上の段階に細かく分ける場合もあるそうです。占いやおみくじを信じる日本人は28%とのこと。残念ながら、イエス様を信じる人よりも圧倒的に多いですね。男性は20%、女性は37%の人が信じるそうです。若い人ほど信じる傾向が高いようです。信じる人たちは、おみくじの「予言」を新たな一年の指針とするのかもしれません。

 聖書では、占いを禁じています。天地創造の神以外の霊的存在にお伺いを立てるからです。もちろんそれは、偶像礼拝です。古代メソポタミアの人々は、多くの神々を信じていました。その神々の意思を知るため、人々は占いをしました。アブラハムは、そのような文化の中から救い出されました。古代エジプトの人々も、多くの神々を信じました。神々の像を運ぶ時の動きを見て、疑問に対する答えを得たそうです。モーセたちは、そのような文化の中から救い出されました。ギリシヤやローマの人々も、多くの神々を信じました。神々からお告げを受け取り、占いもしました。イエス様は、そのような文化の中から多くの人々を救い出されました。初詣に行き、おみくじを引く文化の中からも、多くの人が救い出されてほしいですね。

 イエス様は、おみくじとは別の方法で私たちを導いて下さいます。聖書のみことばを通して…。あるいは夢や幻を通して…。預言のことばが語られることもあります。天の羊飼いイエス様の御声に導かれる人は、幸いです。新しい年も、常に祝福の道を歩むことができるからです。

「ある夜、主は幻によってパウロに、『恐れないで、語り続けなさい。黙ってはいけない。わたしがあなたとともにいるのだ。だれもあなたを襲って、危害を加える者はない。この町には、わたしの民がたくさんいるから』と言われた。」(使徒18:9-10)

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2017年1月 1日 (日)

神の愛で世界を変える

 新年を迎えました。2017年はどんな年になるでしょうか。昨年から世界各地に、敵意や憎しみのどす黒い津波が押し寄せているように見えます。米国では、新しい大統領がもうすぐ就任します。昨年の選挙は、最後までどうなるか分かりませんでした。国を分断するような選挙戦でした。選挙が終わると、各地で暴動が起きました。選挙中の分裂状態は、まだ解消されていない印象を受けます。一つの原因は、ヘイトスピーチのような発言が多かったことでした。一部の人々は、そのような過激な発言を支持しました。しかし、その他多くの人々は、不快感を持ちました。憎しみの表現は、連鎖反応を起こします。全米各地で、差別行為が激しくなったという話も聞きます。米国は、信仰の自由を求めたクリスチャンたちが築いた国です。人々が神様に立ち返り、愛と赦しの連鎖が広がるように願っています。

 欧州は、移民や難民の問題が拡大しています。英国がEU 脱退を望んだのも、難民問題が大きかったそうです。EUに残っていると、移民や難民の受け入れを拒否できないとのこと。移民・難民が急増したのは、イラクやシリアなどの内戦が大きな原因の一つですね。イスラム国(ISIS)が深く関わっています。彼らは、巨大なイスラム帝国を武力によって再建しようとしています。彼らに家を追われた多くの人々は難民となり、EU各国に避難しました。ところが各国で、受け入れ賛成派と反対派の論争が続いています。反対派による暴力行為も各地で発生しているそうです。武力闘争の敵意と憎しみが、EU各国で連鎖反応を起こしています。欧州各国にも、教会はたくさんあります。ムスリムの人がイエス様を信じた話も耳にします。欧州でも、愛と赦しの連鎖が広がってほしいですね。

 イスラム過激派のテロは、今や世界中に広がっています。2001年9月11日のテロ事件は、今から思えば始まりの号令のようでした。それ以降、世界各地で数えきれないほどのテロが起きています。日本人で殺された人たちもいます。去年だけでも、テロは20件以上あったようです。トルコ、エジプト、ナイジェリアなど中東やアフリカの国。ベルギー、フランス、ドイツなど欧州の国。米国のフロリダ州。そしてパキスタン、バングラデシュ、インドネシアなどアジアの国。日本でいつ起こっても、おかしくありません。もし日本でテロが起きたら、私たちはどのように反応するでしょうか。難民が押し寄せたら、どんな行動を取るでしょうか。憎しみと敵意の連鎖で日本中が埋め尽くされるのでしょうか。愛と赦しの連鎖は生まれるのでしょうか。今日は初詣に多くの人が出かけていますが、日本で大きな影響力を持つ神道や仏教に、人の心を変える力はあるでしょうか。

 イエス様は、私たちの心を変えに来て下さいました。神様の愛と赦しを教えて下さいました。そのために十字架の上で、自らの命をささげて下さいました。イエス様の愛と赦しを知る時、人の心は変えられます。変えられた人が増え広がるなら、世界は変わります。今年は、宗教改革500周年になります。マルティン・ルターも、イエス様の愛と赦しを知って心が変えられました。彼から始まった教会改革と宣教の波は、その後、全世界に広がりました。神の愛で世界を変える人々が、世界中に増え広がりました。新しい年、世界を変える愛の働きが、さらに力強く推し進められることを期待しています。

「ですから、愛されている子どもらしく、神にならう者となりなさい。また、愛のうちに歩みなさい。キリストもあなたがたを愛して、私たちのために、ご自身を神へのささげ物、また供え物とし、香ばしいかおりをおささげになりました。」(エペソ5:1-2)

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