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2017年2月

2017年2月26日 (日)

元気100倍になる

 「元気100倍」は、アンパンマンの言葉ですね。困った人やお腹がすいた人を助けるヒーローです。わが家でも子供たちが小さい頃、いつもテレビアニメを見ていました。絵本も人形もありました。妻は、長女からよくおねだりされました。「キャラクターの似顔絵を描いて」と。絵が苦手で、たいへん困っていたようです。アンパンマンに助けに来てほしいと思ったかもしれません。でも何とか苦労して描き続けたら、絵が上手になりました。ハレルヤ!(笑)アンパンマンの顔は、とても美味しい粒あんパンだそうです。原作者のやなせたかしさんは、こしあんより粒あんが好きだったとのこと。(私もそうです。)お腹が減った人がいると、アンパンマンは自分の顔をちぎって食べさせます。自己犠牲の愛です。顔の一部がなくなると力を失い、ピンチになります。それにも関わらず、空腹の人に食べさせてあげます。力を回復する方法は、ただ一つ。新しい顔に取り換えることです。そうすると「元気100倍」になります。ただ、正しい材料であんパンを作らないと100倍まで行きません。逆に、特別な「黄金の小麦」を使ったり、太陽光エネルギーを集めたら、元気が200倍や300倍になったこともあるそうです。

 力を失う状況は、誰にでも起こり得ます。顔をちぎらなくてもです。モーセに率いられたユダヤ人たちは、エジプト軍に追い詰められました。ユダヤ人は、元奴隷の烏合の衆。一方のエジプト軍は、当時の世界最強の軍隊。ユダヤ人側に勝ち目はありません。元気100分の1です。力が出なくなった彼らは、モーセのせいだと文句を言いました。責任転嫁です。「エジプトにいた方が良かった。こんな荒野で死ぬために、我々をエジプトから連れ出したのか。」しかし神様は、驚くべき計画をお持ちでした。顔の交換ではありません。海が2つに割れました。ユダヤ人は向こう岸に渡り、エジプト人は海におぼれました。神の偉大な奇跡を体験した人々は、元気100倍になりました。神様を賛美し、喜び一杯で踊りました。神様が交換されたのは、顔ではなく心でした。真っ暗な心が、光に満ちた心に変えられたのです。

 ペリシテの巨人ゴリヤテを見た時も、ユダヤ人たちは元気100分の1になりました。彼に勝てる人は、世界中どこにもいないように思えました。圧倒的な強さを誇る歴戦の勇士。誰よりも背が高く、ボディビルダーのような体つき。しかも頑丈な武具を身に着け、巨大な投げ槍を持っていました。イスラエル軍の代表一人と、サシの勝負を挑みました。勝った側が負けた側の国を奴隷にする条件です。そんな条件で戦おうとする兵士は、イスラエル軍に誰もいません。たった一人、元気100倍だったのは羊飼いの少年ダビデです。神様が必ず勝利を与えられると、彼は確信していました。そして、その信仰の通りになりました。彼の勝利により、イスラエル軍は新しい心をゲットしました。元気100倍の心です。

 イエス様は、全ての人に元気100倍の心を与えに来られました。ユダヤ人たちが元気100倍になったのは、一時的でした。彼らの体験は、将来起こる素晴らしいことを預言的に示す出来事だったのです。全人類は、罪を犯してエデンから追放された時、元気100分の1になりました。出なくなった力を回復させるため、神様は大きな計画をお持ちでした。しばらくしたら、人類を再び楽園に帰らせる計画です。神様は、着々と計画を進められました。救い主が生まれる国を選ばれました。彼らの先祖をエジプトから救出されました。ペリシテ人たちの攻撃からも守られました。そして時が来て、全人類の救い主が来られました。十字架により、自己犠牲の愛を示して下さいました。信じる全ての人の心は、新しい心と交換されます。永遠の光に満ちた心です。イエス・キリストは、どんな人も元気100倍にして下さるのです。

「ですから、皆さん。元気を出しなさい。すべて私に告げられたとおりになると、私は神によって信じています。」(使徒27:25)

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2017年2月19日 (日)

真実を語る

 先週は、衝撃的なニュースがありました。女優の清水富美加さんが、幸福の科学に出家したという話です。私が彼女を初めて見たのは、NHKの朝ドラ「まれ」に出演した時だと思います。主人公まれの友人・一子役。個性的で気ままな役柄が、印象に残りました。昨年春からは、土曜朝の情報バラエティ番組「にじいろジーン」で司会の一人を務めていました。前任者がスキャンダル(いわゆる「ゲス不倫」)で突然降板した後を引き継ぎました。難しい役割でしたが、よく頑張っているように見えました。持ち前の明るいキャラが、スタジオの雰囲気を和らげていました。ところが今回、突然の出家発表。たいへん残念に思いました。彼女が仕事を途中で投げ出し、他の人に迷惑をかけたからでしょうか?これまで築いてきたキャリアと信用を台無しにしたからでしょうか?いやそれ以上に、幸福の科学が信仰する「神」に人生をささげる決心をしたからです。精神的に追い詰められ、ギリギリの選択だったのかもしれません。崇高な存在に自らをささげるのは、立派な態度かもしれません。ただ、自分の人生を何にささげるかによって、永遠の違いが生まれます。

 幸福の科学は、1986年に設立された新宗教です。エル・カンターレという「神」を最高神と信じています。過去のさまざまな偉人たちは、この「神」が地上に遣わしたと主張します。イエス・キリストや釈迦、孔子、ソクラテス、ムハンマド等は、みなそうだと言います。そしてこの「神」は全人類を一つにするため、現代の日本に人間として誕生したと信じています。創始者の大川隆法氏のことです。大川氏は数多くの本を出版し、自らの信仰を宣べ伝えて来ました。歴史上の人物や政治家、著名人などの霊が語ったと言い、その言葉を本に記して来ました。その著作は、30言語以上に翻訳されているとか。現在、世界100か国以上に1200万人以上の信者がいると公表されています。2009年には「幸福実現党」を結成し、政治活動も始めました。昨年の東京都知事選挙にも、候補者を立てました。当選はしませんでしたが、若い女性候補が道行く人と次々にハグをして話題になりました。

 たった一人の言葉を全て真実と信じるのは、たいへん危険です。その人は、間違っているかもしれないからです。キリストの教えは、一人の人間の言葉ではありません。千数百年かけて何十人もの人々が聖書を記し、キリストの到来を予告して来ました。アブラハムは、キリストがユダヤ人として生まれると語りました。モーセは、自分のような預言者になると言いました。ダビデは、イスラエル王家の子孫として生まれると語りました。預言者ミカは、ベツレヘムに生まれると告げました。イザヤは、キリストが全人類の罪を背負って死ぬと語りました。そして詩篇のことばは、キリストの復活を暗示していました。イエス様は、それらの預言を全て成就されました。死んで3日目によみがえられ、自らが救い主であることを証明されました。復活後、500人以上の弟子の前に姿を現されました。そして弟子たちは、命を懸けてその真実を語り続けました。2000年を経た今でも、世界中の弟子たちがイエス・キリストの真実を語り続けています。人間が思い描いた偶像の「神」ではなく、全てを創造された真の神に人生をささげています。

 イエス様は、こう言われました。「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。」イエス様こそが真実であり、真の神への唯一の道です。こうも言われました。「偽預言者たちに気をつけなさい。」終末の時代には、偽キリストが現れるとも警告されました。私たちは偽りに惑わされることなく、真実を語りましょう。イエス・キリストを信じる人に与えられる永遠の祝福の真実です。出家しなくても、語る機会と必要な訓練は、真の神様が与えて下さいます。

「こうして、私はこの日に至るまで神の助けを受け、堅く立って、小さい者にも大きい者にもあかしをしているのです。そして、預言者たちやモーセが、後に起こるはずだと語ったこと以外は何も話しませんでした。すなわち、キリストは苦しみを受けること、また、死者の中からの復活によって、この民と異邦人とに最初に光を宣べ伝える、ということです。」(使徒26:22-23)

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2017年2月12日 (日)

勇気を出す

 今年1月から、企業のマタハラ防止措置が義務化されたそうです。マタハラとは、マタニティ・ハラスメントの略語。和製英語で、「働く女性が妊娠、出産をきっかけに職場で受ける嫌がらせ」のことです。この言葉は、2009年に出版された本のタイトル「働く女性とマタニティ・ハラスメント」が語源とされています。著者は、社会学者の杉浦浩美さん。日本では、働く妊婦が直面する問題はあまり知られていませんでした。彼女の本の出版後、少しずつ注目されて来たようです。2013年には労働組合の全国組織である連合が、初めてマタハラに関する意識調査を実施しました。2014年には、最高裁判所で重要な判決が下されました。広島の病院に勤めていた理学療法士の女性が、妊娠後に降格されたケースについてです。それは違法で無効だと最高裁が判断しました。この判決は大きな反響を呼び、「マタハラ」はその年、流行語大賞トップ10に入賞しました。(ちなみにこの時の年間大賞は2つで、一つは「ダメよ~ダメダメ」、もう一つは「集団的自衛権」でした。)

 最高裁の判決には、小酒部(おさかべ)さやかさんの活動が影響を与えたとも言われています。彼女は2014年7月に、NPO法人「マタニティハラスメント対策ネットワーク(通称マタハラnet)」を設立しました。以前、契約社員として雑誌を編集していた頃、彼女はマタハラ被害に遭いました。妊娠した彼女に、上司はこう言いました。「仕事に戻るなら妊娠を諦めろ。」「仕事も妊娠も取るのは欲張りだ。」無理して働き続けた結果、2度流産しました。彼女は結局、退職しました。妊娠しない方が良かったと思い詰めた時もあったそうです。その辛い経験をもとに、マタハラ被害者の支援を始めました。実態調査の他、企業幹部や女性向けの講演活動も行ったそうです。彼女の活動は、米国の外交・国際政治専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に掲載され、世界的に注目を浴びました。キャロライン・ケネディ前駐日大使や各国メディアから、何度も同じ質問があったそうです。「経済先進国の日本で、どうしてマタハラが起こるのか?」欧米の国々では、マタハラは珍しいとのこと。小酒部さんには2015年、米国国務省から「国際勇気ある女性賞(International Women of Courage Award)」が授与されました。女性の権利向上のため活躍した、全世界の勇気ある女性の一人に選ばれたのです。

 聖書は、男性中心の時代に記されました。それでも、勇気ある女性たちが何人も登場します。リベカは、勇気をもって結婚の決心をしました。相手は、アブラハムの子イサク。見ず知らずの地に住む、一度も会ったことのない人です。ゼクシィもお見合い写真もない時代。アブラハムのしもべと名乗るおじさんに、勇気をもってついて行きました。エリコの遊女ラハブは、勇気をもってイスラエルのスパイをかくまいました。敵のスパイですから、すぐその場で殺される危険もありました。裏切り者として、エリコの王に殺される危険もありました。しかしその勇気ある行動により、エリコでは彼女の家族だけが生き残りました。王妃エステルは、勇気をもってペルシア王に会いに行きました。王の機嫌次第では、死刑になるかもしれませんでした。王妃の立場をはく奪される恐れもありました。しかし彼女の勇気により、帝国内のユダヤ人は滅亡の危機から救われました。

 困難に出会う時、私たちは不安や恐れを持つかもしれません。恥をかいてもいいから、逃げようとするかもしれません。しかしイエス様はどんな時も私たちを励まし、困難に立ち向かう勇気を与えて下さいます。私たちに力を与え、勝利へと導かれます。勝利の主は、弱い者を勇士に変えて下さるのです。

「その夜、主がパウロのそばに立って、『勇気を出しなさい。あなたは、エルサレムでわたしのことをあかししたように、ローマでもあかしをしなければならない』と言われた。」(使徒23:11)

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2017年2月 5日 (日)

原点を語り続ける

 NHKの朝ドラ「べっぴんさん」は、あと2か月で終わりそうです。主人公のモデルは坂野惇子(ばんのあつこ)さん。お嬢さん育ちだった彼女は、思いがけず商売を始めることになりました。戦争直後の苦しい時、知り合いからこう言われたからです。「お嬢さん生活じゃダメだよ。自分の手で働く、一労働者にならんといかんね。」馴染みの靴屋さんからは、こう言われました。「自分の店に陳列棚を用意するから、手作業の品物を売ってみませんか。」彼女が売り始めたのは、ベビー用品でした。彼女は結婚した頃、神戸の「外人村」と呼ばれる辺りに住んでいました。外国人たちは「日本の育児はたいへん遅れている」と言っていました。そこで自分の子供が生まれた時、イギリス人女性からある看護師を紹介してもらいました。日本人の女性で、外国人の赤ちゃんを専門にお世話していた人です。彼女からいろいろ教わると、あることに気がつきました。当時の赤ちゃん用衣料品は、赤ん坊のことをよく考えていなかったのです。惇子さんは、新しい育児法を日本の家庭に広め、子供たちにより良い物を提供したいと願いました。「お母さんの気持ちになって物作りをする。」これが会社設立の原点になりました。友人たちと一緒に始めた会社「ファミリア」では、今でも創業者の原点が語り継がれているようです。

 坂野惇子さんは、74歳でカトリックの洗礼を受けました。きっかけは心筋梗塞で危篤になり、その後奇跡的に回復したことでした。夫の通夫さんと一人娘の光子(てるこ)さんもこの時、受洗しました。光子さんは、以前から洗礼を希望していたそうです。彼女は、小学校から高校まで兵庫県宝塚市にあるカトリックのミッションスクールに通いました。神の愛を教え、祈る心を養う学校だそうです。そこでの学びが、彼女を信仰に導いたのかもしれません。ところが光子さんが洗礼を受けたいと言うと、両親は許してくれませんでした。洗礼は、先延ばしになりました。それでも光子さんの信仰は、何らかの形で両親に伝わったのでしょう。結局、彼らは神の奇跡を信じて洗礼を受けました。坂野家の親子は、3人で信仰の原点を共有したのです。惇子さんはその後、10数年生きました。しかし通夫さんは看病疲れのためか、受洗後1か月余りで天に召されました。洗礼は、その時が最後のチャンスだったのです。通夫さんを天に送り出した惇子さんと光子さんは、信仰の原点を家族で共有した恵みを語り続けたのではないでしょうか。

 聖書の登場人物たちも、彼らの原点を語り続けました。アブラハムは、旅立ちの思い出を語りました。彼の原点は、旅立てば全世界が祝福されるという神の約束でした。ヨセフは死んでミイラになっても、故郷への思いを語り続けました。彼の原点は、約束の地に必ず帰されるという祖先の言い伝えでした。モーセは律法の書を書き記し、神の命令を語り続けました。彼の原点は、神がシナイ山で語られた特別なみことばでした。そしてダビデは数々の詩を書き綴り、神の素晴らしい恵みを語り続けました。彼の原点は、羊飼いの少年が偉大な王にされた恵みへの感謝と喜びでした。

 イエス・キリストを信じる人には、誰でも信仰の原点が与えられています。その人は、全世界を祝福する旅人です。天の故郷に向かっています。聖書のことばが、旅の道しるべです。永遠の王家の一員とされています。私たちは、この素晴らしい恵みを受けた原点を語り続けることができるのです。

「私たちの父祖たちの神は、あなたにみこころを知らせ、義なる方を見させ、その方の口から御声を聞かせようとお定めになったのです。あなたはその方のために、すべての人に対して、あなたの見たこと、聞いたことの証人とされるのですから。」(使徒22:14-15)

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