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2017年9月

2017年9月24日 (日)

天のミッションに誇りを持つ

 先日、土星探査機カッシーニが20年に及ぶミッションを完了し、土星の大気圏で燃え尽きました。カッシーニは、アメリカ航空宇宙局(NASA)などが開発。1997年にフロリダのケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。10種類以上の観測機器や分離して着陸できる小型探査機ホイヘンスを搭載した、総額4,300億円の一大プロジェクトでした。地球から土星まで、約14億キロだそうです。土星周辺に達するまで、7年かかりました。探査機ホイヘンスは予定通り、カッシーニから分離され、土星最大の衛星タイタンに着陸。そこに、液体のメタンでできた川や巨大な湖を発見しました。(都市ガスに使うメタンです。)メタンの雲が空に浮かび、メタンの雨が降ることも分かりました。ホイヘンスからのデータをカッシーニが受け取り、地球に送りました。その後カッシーニは、土星や周辺の輪の鮮明な画像を撮影。南極には王冠のように広がるオーロラ、北極には巨大な六角形の台風がありました。衛星エンケラドゥスからは水蒸気が吹き出し、地下深くに液体の水があると分かりました。微生物がいる可能性もあるとのこと。カッシーニは約80億キロを旅し、45万枚以上の写真を地球に送信。その観測データをもとに、約4千の論文がすでに書かれているそうです。

 燃料切れが近づいたため、カッシーニは土星の大気圏に突入し、焼却処分となりました。宇宙ゴミにならないためです。地球の微生物を他の星に持ち込まないためでもあるそうです。カッシーニから交信が途絶えると、プロジェクトマネージャーのアール・メイズ博士は、こう言いました。「関わった皆さんが、カッシーニが成し遂げた成果に大きな誇りを持つことを願っています。信じがたいほど、素晴らしいミッションでした。これでミッションは終わりです。」NASAの司令室にいた関係者たちから、拍手が沸き起こりました。このプロジェクトに30年近く関わって来たリンダ・スピルカー博士は、次のように語りました。「土星に到着してから13年間に送られてきた全てのデータを完全に理解するには、おそらく何十年もかかる。別れは本当に悲しいが、信じがたいほどに素晴らしいミッションに関わることができて、誇りに感じている。」カッシーニのミッションは、天に輝く土星の神秘を解き明かすことでした。その偉大なミッションに関わった科学者たちは、誇りを持つことができたのです。

 ユダヤ人たちは、神がなさる偉大なみわざ、「天のミッション」に誇りを持って来ました。信じがたいほどに素晴らしいミッションです。神は全宇宙を造り、人を愛されています。詩篇の作者たちは、その真実を告げた神を誇りました。神は驚くべき奇跡により、ユダヤ人をエジプトから解放されました。彼らは、救いの神を誇りました。長年子供がなく苦しんでいたハンナに、神は赤ちゃんを授けられました。ハンナは、祈りに応える神を誇りました。神はダビデを用い、イスラエルに王国を確立されました。ダビデは契約の箱をエルサレムに運び入れ、全国民に呼びかけました。あらゆる戦いに勝利を与える全能の神を誇りとするようにです。しかしユダヤ人は、その後「天のミッション」を忘れてしまいました。真の神ではなく、偶像や自分たち自身に誇りを持つようになりました。そして、彼らの国は滅びました。ほとんどの人々が、「天のミッション」に関わらなくなったからです。

 イエス様は「天のミッション」を回復し、完成させるためにこの世に来られました。イエス・キリストを信じる人は、「天のミッション」の神秘を解き明かすことができます。その偉大なミッションに関わり、誇りを持つことができます。天を見上げ、神の創造の偉大さを誇ることもできます。科学者の中にもその偉大な神秘を知り、信じがたいほどに素晴らしい「天のミッション」に誇りを持つ人がいるかもしれません。

「それで、神に仕えることに関して、私はキリスト・イエスにあって誇りを持っているのです。私は、キリストが異邦人を従順にならせるため、この私を用いて成し遂げてくださったこと以外に、何かを話そうなどとはしません。…」(ローマ15:17-18)

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2017年9月17日 (日)

互いの違いに配慮する

 今週水曜日、東京・浅草であるイベントが開催されます。「ムスリム観光客の気分でまわる浅草ツアー」です。浅草は、日本で一番ムスリム観光客に人気の街だそうです。浅草寺の門前町として、浅草は発展して来ました。浅草寺には、観音像が祀られています。イスラム教は、ユダヤ教やキリスト教と同じで、偶像礼拝を禁じています。なぜ浅草が一番ムスリムに人気なのか、不思議ですね。観光で来るので、自分たちの国にはない異文化を見たいのかもしれません。水曜日のツアーを企画したのは、日本商工会議所・東京商工会議所・日本マレーシア経済協議会。ムスリム観光客へのサービスを学びたい人が、対象です。彼らが浅草でどんな物を買い、どんな料理を食べるのか、見て回るそうです。最初は、ハラール対応のお寿司屋さん「すし賢」でランチ。東京で最初のハラール寿司屋とのこと。その後、他のお店も見て回り、最後にハラール・ベジタリアン対応カフェにて懇談。貴重な学びができて、ランチ、お茶、お土産がついて、なんとお値段5000円!学生は1000円割引です!

 最近、来日するムスリム観光客が増えているそうです。それに合わせ、日本でもハラール対応のお店が増加しています。私が住む所沢にも、ハラールフードを扱うお店があるようです。ハラールとは、イスラムの教えで食べて良いとされる料理。食べられないのは、豚や犬、猫、カエル、蛇など。アルコールもダメです。人の思いが神から離れる危険があるためとのこと。牛や羊などは大丈夫ですが、肉にする時は、必ずムスリムの人が屠殺しなければならないそうです。イスラムの祈りを唱えながら、ナイフで頚動脈を切ります。完全に血を抜いた後、解体します。保管場所や輸送のトラックも、豚肉などと完全に分けなければなりません。日本では馴染みのない習慣が多いですね。ムスリム観光客を受け入れるには、たくさん学ぶ必要がありそうです。

 旧約聖書にも、食物規定があります。ヘブライ語で、カシュルートと呼ばれています。モーセの律法の中に記されています。ユダヤ人が命じられたのは、イスラム教が生まれる2000年近く前のことです。ユダヤ人も、豚肉を食べてはいけません。犬や猫、カエル、蛇などもダメ。肉の解体方法も、律法に定められています。ただ、イスラムとは違う点もありました。アルコールは、禁じられていません。ぶどう酒は、神の祝福を象徴していたのです。新しいぶどう酒ができると、人々はその恵みを神に感謝しました。しかしぶどう酒の祝福は、呪いに変わる危険もありました。人々の心が神から離れると、ぶどう酒は神のさばきの象徴にもなりました。人の心を惑わせ、全てを失わせる危険物でもあったのです。そのため律法を守るユダヤ人たちは、今でも深酒はしないそうです。ぶどう酒を飲むのは、安息日かお祭りの時に限られるそうです。

 イエス様が十字架につかれたのは、過越の祭りの時でした。最後の晩餐でぶどう酒の杯をとり、これは血による新しい契約だと言われました。ぶどう酒は、イエス様が全人類のために受ける神のさばきの象徴でした。同時にそれは、新しい契約の恵みも象徴していました。全ての人が受けられる恵みです。イエス・キリストを信じる人は、誰もが神の祝福の民とされます。もはやユダヤ人もムスリムもありません。食物規定があってもなくても関係ありません。信じるなら、全ての人が神の永遠の祝福を受け取ることができます。しかしそれは、私たちの違いが全てなくなるということではありません。聖書の教えに反しない限り、食物規定を守り続ける人はいるでしょう。守る必要がないと信じる人もいます。背景の全く異なる私たちが、一つの家族とされます。神の愛を受け、互いの違いに配慮することのできる家族に加えられるのです。

「あなたがたは信仰の弱い人を受け入れなさい。その意見をさばいてはいけません。」(ローマ14:1)

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2017年9月10日 (日)

天の品位を身に着ける

 先週は、秋篠宮家の眞子さまと小室圭さんの婚約が正式発表されました。ほほえましい会見でしたね。互いの魅力を聞かれると、眞子さまは「太陽のような明るい笑顔」と答えられました。圭さんは、「月のように静かに見守ってくださる存在」と語りました。理想の家庭については、こういう言葉がありました。「温かく、居心地が良く、笑顔あふれる家庭。」「いつも自然体で和やかな家庭。」日本中で多くの人が、お祝いの言葉を寄せていました。二人がデートしたとされる長瀞町では、横断幕も掲げられたそうです。(長瀞まで電車で行ったなら、所沢経由だったのでしょうか。)プロポーズは4年前で、結婚式は来年秋。丁度良い時期を待っていたようです。皇族のご結婚はいろいろ準備がありそうで、時間がかかりますね。

 結婚すると、眞子さまは皇族でなくなります。その時、国から一時金が支払われます。元皇族の品位を保つためだそうです。1億数千万円ほどになる見込みです。品位を保つには、お金がかかるようですね。普通の人と大きく違う点は、警備の厳重さです。皇族でなくなると、警備費は自分で払わなければなりません。天皇の長女・黒田清子さんは、12年前に結婚されました。最初の頃は、スーツ姿のSPが、常に張り付いていたそうです。その後、黒田さんは都心のマンションに引っ越しました。セキュリティーが厳重な場所で、1億円ほどしたようです。眞子さまも、同じように警備にお金がかかりそうですね。品位とは、上品な人柄のこと。天皇家に生まれた子供たちは、皇族として育つプロセスの中でふさわしい品位を身に着けられるのでしょう。お金で買えるものではありません。でも身の安全やプライバシーがなければ、品位が傷つけられることもあり得ます。結婚後は「居心地の良い家庭」となり、品位が保たれてほしいですね。

 モーセは、王族の品位を身に着けていた可能性があります。彼は、超大国エジプトの王宮で育ちました。王女に拾われ、彼女の養子となりました。大人になると、王族の一員として公務も果たしたはずです。しかし彼は、誤って人を殺してしまいました。エジプトから逃亡し、王族の身分を失いました。一時金も、もらえませんでした。ミデヤンの地で、彼はイテロの家族と出会いました。羊に水を飲ませていたイテロの娘たちを助けてあげました。それがきっかけで、彼はイテロの家族と一緒に住むようになりました。イテロは、モーセが気に入ったようでした。彼の人柄を見て、信頼したようです。自分の娘チッポラを、彼と結婚させました。(記者会見も横断幕も、なかったと思います。)その後40年間、モーセは羊飼いとして、忠実に家族を支えました。義理の父イテロの忠告にも、謙虚に耳を傾けました。神の声を聞いた後も、その人柄は変わりませんでした。彼は、「地上のだれにもまさって非常に謙遜であった」と記されています。エジプトで身に着けた王族の品位は、荒野で神の完璧な警備に守られ、さらにバージョンアップしたかもしれません。

 そのモーセは、キリストの到来を予告しました。「私のような預言者が起こされる」と、彼は語りました。イエス様は、最高の品位を身に着けたお方です。イスラエル各地を巡り歩き、天の王の品位を人々に示されました。イエス・キリストを信じる人は、その品位を受け継ぐことができます。天の王族に加えられ、品位を身に着けることができるのです。天のSPによる完璧な警備つきです。何かの必要が生じれば、一時金ではなく、必要な時に十分なものが与えられます。天の王なるイエス様は、私たちが天の品位を身に着け、保つ環境を全て整えておられるのです。

「主イエス・キリストを着なさい。肉の欲のために心を用いてはいけません。」(ローマ13:14)

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2017年9月 3日 (日)

全能の神の「パワースポット」になる

 毎週土曜日の朝、「にじいろジーン」という番組がテレビで放映されています。今年10年目の長寿番組です。4月からは、新しいコーナーが始まりました。出演者が、日本全国の「パワースポット」を巡るコーナーです。「パワースポット」とは、ある日本人が造った造語で、霊的な力がみなぎる場所のこと。その力を求め、たくさんの人が集まります。有名なのは例えば富士山、伊勢神宮、出雲大社等。所沢周辺には三峰神社、川越氷川神社、所沢神明社等もあります。番組では毎週、異なる場所が紹介されます。そんなにたくさん「パワースポット」があるのかと驚かされます。ガレッジセールのゴリさんはレギュラー出演者なので、毎週どこかの神社やお寺に参拝します。このコーナーが始まった頃、彼はこう言っていました。「これで年末、僕らの仕事ぶりに変化が無かった時が怖いですね。…絶対結果出さなきゃな~(笑)。」

 日本人は、無宗教だとよく言われます。しかし多くの人が、「パワースポット」の目に見えない力を信じているようです。マスコミもこれまで、たくさんの場所を「パワースポット」として紹介して来ました。旅行会社は、「パワースポット」を訪れるツアーを企画しています。パワーをもらうには、正しい方法で参拝すべきだと教えるウェブサイトもあります。最近は、若い女性の間で朱印集めが流行りだそうです。パワースポットの神社やお寺を参拝する時、可愛らしいノートを持参します。そこに参拝日と場所を書いてもらい、印を押してもらうのです。朱印は、お守りと同じだと考えられています。つまりこのノートがあれば、パワースポットのパワーをどこにでも持ち運べると信じられているのです。

 モーセのパワースポットは、シナイ山でした。彼は、そこで燃える柴を発見しました。その時、天地創造の神から大きな使命が与えられました。エジプトのユダヤ人を解放し、その山に連れて来る使命です。使命達成のため、彼には特別なパワーが与えられました。超大国エジプトのあらゆる霊的パワーにまさる偉大なパワーです。次から次へと奇跡が起こり、モーセはユダヤ人をシナイ山に連れて来ました。すると神は、彼らの特別な使命を明らかにされました。天地創造の神だけを礼拝し、全世界の民族の模範となる使命です。神のパワーの素晴らしい祝福を彼らが体験し、それを全世界の人と分かち合う使命でした。シナイ山に代わる、新たなパワースポットも与えられました。契約の箱です。それは、全能の神がとともにいる象徴でした。契約の箱は、どこにでも持ち運び可能でした。神のパワーは、いつでもどこでも彼らとともにあったのです。全能の神の力は、異邦人が頼りとするあらゆる霊的パワーにはるかにまさりました。ユダヤ人は契約の箱とともに前進し、約束の地を手にすることができたのです。

 契約の箱はダビデ王により、エルサレムにあるシオンの山に安置されました。ソロモン王は、そこに神殿を築きました。シオンの山は、イスラエルの国のパワースポットになったのです。ところがユダヤ人は、次第に創造主の力ではなく、偶像の力に頼るようになりました。全能の神から心が離れ、礼拝しなくなりました。結局、神殿は破壊され、契約の箱は行方不明になりました。天地創造の神のパワースポットは、地球上から消え失せてしまったのです。

 イエス様は、このパワースポットを再建しに来られました。イエス・キリストを信じる人は、一人ひとりがパワースポットとされます。全能の神の神殿とされ、聖霊の力が注がれます。全能の神は天下無敵なので、どこかに別の力をもらいに行く必要がありません。いつでもどこでも私たちは天地創造の神を礼拝し、そのパワーをいただくことができるのです。

「そういうわけですから、兄弟たち。私は、神のあわれみのゆえに、あなたがたにお願いします。あなたがたのからだを、神に受け入れられる、聖い、生きた供え物としてささげなさい。それこそ、あなたがたの霊的な礼拝です。」(ローマ12: 1)

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