歴史に神の祝福を見出す
ユダヤ人は、ノーベル賞受賞者が多いことで知られています。今年も、4人のユダヤ人が受賞しました。レイナー・ワイス氏とバリー・バリッシュ氏が物理学賞(先週お話しした重力波の観測です)、マイケル・ロスバッシュ氏は医学・生理学賞、そしてリチャード・セイラー氏が経済学賞です。ユダヤ人は、世界人口の0.2%以下。にもかかわらず、ノーベル賞受賞者約900人のうち、20%はユダヤ人とのこと。ノーベル賞6部門の全ての賞をこれまでに受賞しているそうです。ちなみに日本人や日系人は世界人口の約1.4%で、ノーベル賞受賞者は全体の3%くらいです。経済学賞を受賞した日本人や日系人はいません。日本人も頑張っていますが、ユダヤ人の優秀さは際立っています。なぜ優秀か、多くの人が理由を考えています。ある人は、彼らの教育が優れていると言います。別の人は、タルムードと呼ばれるユダヤ教の教えが良いと言います。迫害を受けた歴史が良かったと言う人もいます。もともと遺伝的に優秀だと言う人もいます。中には、全てユダヤ人の陰謀だと言う人もいます。でも私には、別の理由が思い浮かびます。創造主なる神が、彼らを祝福されたからです。
ある歴史家は、こう言ったそうです。「ユダヤ人が現在存在すること自体が奇跡だ。」4000年ほど前、彼らの先祖アブラハムは、創造主から祝福のことばをいただきました。その後、ユダヤ人は驚くべき奇跡の祝福を少なくとも3度経験しています。最初の奇跡は、出エジプト。アブラハムの孫ヤコブの時代、彼らはエジプトに移住しました。ユダヤ人はそこで奴隷とされ、迫害を受けました。男の子は、みな殺されそうになりました。そのエジプトから彼らが無傷で脱出できたのは、大きな奇跡でした。2度目の奇跡は、バビロン捕囚からの帰還。ダビデやソロモンの時代の後、彼らの国は二つに分裂しました。北王国は、アッシリアに滅ぼされました。彼らに拉致されたユダヤ人は、今なお行方不明です。南王国は、バビロニアに滅ぼされました。しかし捕虜として連行されたユダヤ人は、奇跡を体験します。捕囚のユダヤ人は一人残らず殺されそうになりますが、絶体絶命の危機をかろうじて逃れ、首都エルサレムを再建できたのです。
3度目の奇跡は、第2次大戦後のイスラエル建国です。紀元1世紀、カナンの地はローマ帝国が支配していました。ユダヤ人は独立を求め、反乱を起こしました。しかしローマ軍は反乱を鎮圧、ユダヤ人は世界中に散らされます。その後、彼らは各地で迫害されました。その最大規模のものが、ナチスドイツによるホロコーストです。数年間で600万人ものユダヤ人が拉致され、虐殺されました。大戦後、国連決議に基づき、イスラエルの建国が宣言されました。1800年以上にわたる離散の時代を生き延び、ユダヤ人は再び独立国を持つ奇跡を体験したのです。建国宣言をし、初代首相に選ばれたダヴィド・ベン=グリオン氏は、こう言っています。「奇跡を信じないユダヤ人は、リアリスト(現実主義者)ではない。」
ユダヤ人の歴史の中に、私たちは創造主の憐れみと祝福を見ることができます。彼らは、必ずしも神に従順ではありませんでした。神が救い主イエスを遣わされても、多くのユダヤ人はそれを拒否しました。それでも神は、アブラハムへの約束を忠実に守られました。ユダヤ人は、祝福されたのです。驚くべき奇跡を3度も経験し、今も国が栄えています。世界中に離散したユダヤ人は、絶滅するどころか、ノーベル賞に値する偉大な働きをしています。彼らの貢献により、全世界が祝福されています。イエス・キリストを信じる人は、誰でもアブラハムの子孫とされます。神の祝福の約束を受け継ぐことができます。今や世界人口の33%となったクリスチャンは、ノーベル賞受賞者の65%を占めるそうです。このように神の祝福は、人類の歴史の中に見出すことができるのです。
「そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとする。あなたは祝福となりなさい。」(詩篇12:2)
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