« 歴史に神の祝福を見出す | トップページ | 夢や幻を読み解く »

2017年11月 5日 (日)

絶望の彼方に希望を見出す

 先日の総選挙では、「希望」が失速しました。9月25日の記者会見で小池百合子氏は、新たに立ち上げた政党についてこう語りました。「今の日本に足りないものは希望。だから、『希望の党』という名前にしました。」党のホームページには、こう書かれています。「昨日より今日のほうが、いい。今日より明日のほうが、きっといい。そう信じられる社会。それが希望ある社会です。…ここは、日本の政治をリセットしましょう。…今こそ、日本を前進させる大きなチャンスです。」希望ある社会を目指す志は、良かったのかもしれません。しかしさまざまな理由から、希望の党に対する支持は広がりませんでした。多くの人は、希望の党に希望を見出せなかったのです。

 今回の小池氏の発言は、17年前に出版されたある小説が土台ではないかと推測されています。村上龍さんが書いた「希望の国のエクソダス」という小説です。小説の中で主人公・ポンちゃんは、こう発言しています。「この国には何でもある。ただ、『希望』だけがない。」彼の考えが、日本の中学生たちに広く支持されるというストーリーです。80万人の中学生が学校から脱出し、独立国を造ります。場所はカタルーニャではなく、北海道です。この話のポイントは、2つあります。一つは、中学生という若い世代が日本に絶望し、行動を起こすこと。政治家による上からの運動ではありません。選挙権もないティーンエイジャーによる下からの、草の根の運動でした。もう一つのポイントは、彼らは日本を変えるのではなく、脱出したこと。日本のリセットではなく、新たな国の建設です。様々なしがらみから解き放たれるには、その方が手っ取り早いかもしれません。小説の中では多くの中学生が、ポンちゃんの主張に希望を見出しました。

 「エクソダス」とは、英語で「出エジプト」のこと。今から3千数百年前、モーセに率いられたユダヤ人がエジプトを脱出した歴史的な出来事です。当時、ユダヤ人は奴隷にされていました。エジプトで彼らの人口は、70人から数百万人に膨れ上がりました。エジプト王は、反乱が起きたら大変だと考えました。そこで彼らを奴隷に落とし、強制労働をさせたのです。ユダヤ人の男の子が生まれたら一人残らず殺すようにとも、エジプト王は命じました。繁栄を誇る超大国エジプトには、何でもあったかもしれません。ただ奴隷のユダヤ人には、希望がなかった。絶望的な状況でした。その彼らに神はモーセを遣わし、希望のメッセージを伝えられたのです。自分たちの力では何も変えられない奴隷たちに、神は憐れみを持たれました。彼らの苦しみの叫びを聞き、心を痛められました。そこで、彼らを絶望の地から解放されたのです。草の根のユダヤ人たちを、約束の地での「希望の国」づくりへ旅立たせました。モーセが伝えた神のメッセージは、彼らの心に響きました。ユダヤ人たちは、希望を見出すことができたのです。

 イエス様は、預言者モーセのように希望のメッセージを伝えられました。ユダヤ人だけでなく、全世界の人々に対してです。世界は、終わりが近づいています。どんなに平和で豊かな国も、未来は絶望的です。終わりが来たら、全てが滅びるからです。日本をリセットしても北海道に移住しても、人類滅亡の流れは止められません。イエス様は、滅びに向かう私たちを助けに来られました。イエス・キリストを信じる人は、絶望の国から脱出できます。神の希望の国に迎えられます。その素晴らしい希望を周りの人に伝えることができます。どんなに深い絶望を背負う人も、イエス様は救って下さいます。この希望は、失速することがありません。永遠の愛に満ちた神は、救いを求める人を決して排除されないからです。

「私は山に向かって目を上げる。私の助けは どこから来るのか。私の助けは主から来る。天地を造られたお方から。」(詩篇121:1-2)

|

« 歴史に神の祝福を見出す | トップページ | 夢や幻を読み解く »

礼拝」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/186781/66006326

この記事へのトラックバック一覧です: 絶望の彼方に希望を見出す:

« 歴史に神の祝福を見出す | トップページ | 夢や幻を読み解く »