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2018年12月 2日 (日)

愚かな道から救われる

 ハワイでは、毎年12月7日に特別な催しがあります。日本の真珠湾攻撃で亡くなった兵士を追悼する式典で、今年77回目です。77年前のその日、ハワイにいた2,400人以上の米国人が命を落としました。レイ・チャベスさんという退役軍人の方は、その様子を目撃した一人でした。真珠湾攻撃の生存者で最高齢でしたが、つい先日106歳で亡くなったと報道がありました。昨年まで追悼式典に出席しましたが、今年はかないませんでした。

 私は33年前、洗礼を受けた年の秋、パールハーバーを訪問しました。アリゾナ記念館に向かう船内には、当時の新聞が置いてありました。1面トップが真珠湾攻撃の記事で、大きな見出しがついていました。「Blasphemy」、神への冒涜という言葉です。見出しを見た私は、心が痛みました。その年の12月7日はアドベント2週目の日曜日で、クリスマスが近づく頃でした。その朝、多くの人が教会に集まり、救い主を礼拝しようとしていたはずです。ところが日本の奇襲攻撃により、その喜びの日は悲しみと憎しみの日になりました。海に沈む戦艦アリゾナには、今も1,100人以上の遺体が残されているとのこと。そこから流れ出し、海面に浮かび上がって来るオイルも見ました。「アリゾナの涙」、「黒い涙」と呼ばれるそうです。真っ白な記念館の周りには、平和で静かな海と真っ青な空が広がっていました。そこに日本の飛行機が何百機もやって来て、爆弾や魚雷で攻撃したなど、信じられない思いがしました。なんて愚かなことをしたのかとも思いました。

 ジェイコブ・ディシェイザーという人は、オレゴンで真珠湾攻撃のニュースを聞き、日本人を激しく憎みました。自ら志願して、日本本土を空襲する爆撃隊に加わりました。空襲は成功でしたが、その後、燃料切れで中国に不時着しました。ディシェイザー軍曹は日本軍に捕えられ、収容所に入れられました。ところが彼は、そこで聖書を読み、イエス・キリストを信じたのです。日本人を憎んだ罪を悔い改め、神に赦しを求めました。自分をひどい目に遭わせた日本兵たちへの憎しみは、愛と憐れみに変わりました。イエス様が十字架の上で祈られたように、日本人が神に赦されるように祈ったそうです。戦後、彼は宣教師になり、日本に来ました。「私は日本の捕虜であった」という冊子も作り、日本で100万部以上配布しました。

 それを読んだ一人が、淵田美津雄さんです。淵田さんは、日本軍の真珠湾攻撃隊長でした。あの12月7日、真珠湾上空で全軍突撃の命令を出したその人。日本の司令部に向け、「トラトラトラ(我奇襲に成功せり)」と発信した本人です。日本が戦争に負け、淵田さんは絶望していました。しかしディシェイザーの冊子を読み、心が揺さぶられました。聖書を買って、自分でも読んでみました。すると、彼もイエス様の十字架上の祈りに心をとらえられたのです。イエス様が祈られた人々の中に、自分も含まれているように感じました。愛国心の名の下に、彼は多くの人の命を奪いました。その罪の赦しを神に求め、祈りました。すると人への憎しみが、愛とあわれみに変えられて行きました。淵田さんもその後、イエス・キリストの恵みを伝える伝道者になりました。ディシェイザー宣教師とも友人になり、一緒に奉仕する機会もあったようです。

 イエス様は、ご自身を十字架につけた人々を憎みませんでした。彼らを愛し、憐れまれたのです。全世界の創造主であり、王である神ご自身を十字架につけるほど、愚かな行為はありませんでした。でもイエス様は、人々がその愚かさから救われるように祈られたのです。私たちは誰もが、神に逆らう愚かな道を歩んでいました。イエス様はそんな私たちを愚かな生き方から解放し、新たな道を示して下さったのです。

「そのとき、イエスはこう言われた。『父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです。』」(ルカ23:34)

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