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2018年12月23日 (日)

飼葉桶に希望を見る

 今日は、天皇誕生日です。平成の天皇誕生日は、これが最後になります。今上天皇は85年前、東京都千代田区に誕生されました。当時、皇居の中に「産殿」と呼ばれるお産用の御殿があり、そこで生まれたそうです。天皇が神とされていた時代でした。生まれて来た皇太子様には特別室が用意され、皇室御用達の最上級の布団に寝たはずです。寒くないよう、十分に温かくされたに違いありません。何人もの医師や看護師、使用人たちに見守られ、当時としては最高の新生児ケアがなされたのでしょう。

 一方、2000年前にベツレヘムで生まれたイスラエルの王子様は、どこにも居場所がありませんでした。唯一いられたのは、家畜がつながれた暗い空間。牛やロバの臭いに満ちていました。干し草の入った飼葉桶があり、王子様はその上に寝かされました。医師も看護師も使用人もいません。なぜ、そうなったのでしょう。イスラエルの国は当時、ローマ帝国に占領されていました。ローマの皇帝は、ユダヤ人でない人をイスラエル国王に任命しました。その王様はやり手で、残虐でした。自分に代わって王になりそうな人を、次から次へと殺しました。誰も逆らえませんでした。イスラエル王家の血を引く王子様が生まれたら、王宮で歓迎されるどころか、命を狙われたのです。

 その時、王子様が寝た飼葉桶は、今もし残っていたら、たいへんなお宝だと思いませんか?どんな値段がつくか、想像もつきません。王宮や宿屋には、見た目も寝心地も素晴らしい、高級なベビーベッドがあったかもしれません。でも、天から下った特別な王子様が寝たのは、どこにでもあるごく普通の飼葉桶でした。その飼葉桶はその時、どんな高級ベッドにもはるかに勝る値打ち物になったのです。もし当時のベツレヘムの住民が赤ちゃんの素性を知っていたら、飼葉桶は蔵の中に大切にしまわれ、厳重に保管されたかもしれません。

 飼葉桶は、私たち人間を象徴すると考えられます。最初は、きれいです。でもしばらく使われると汚れ、臭いが漂います。(加齢臭?笑)飼葉桶として役目を終えたら、お別れの時を迎えます。私たち人間は、誰もが古い飼葉桶のように汚れ、臭いがしみ付いていました。そんな私たちのところに、イエス様は来て下さいました。私たちの汚れや臭いを取り去るためです。もし私たちが、このお方を喜んで心に迎え入れるなら、イエス様は私たちの心の大掃除をして下さいます。新品のようにピカピカに磨き上げ、麗しい香りを放つようにされます。どんなに汚れ、悪臭を放つ飼葉桶にも希望があります。永遠の値打ちを持つ、お宝の飼葉桶に変えられるのです。

 イエス様から与えられた希望には、3つの特徴があります。第一に、その希望はあらゆる立場を超越しています。イエス様がベツレヘムで生まれたのは、皇帝アウグストゥスがローマ帝国全土に住民登録を命じたからです。ナザレの大工ヨセフは、故郷ベツレヘムに向かいました。皇帝と大工は、全く立場、身分が違いました。でも創造主なる神は、この2人を用いて、キリストがベツレヘムで生まれるという預言を成就されたのです。アウグストゥス自身はイエス・キリストを信じませんでしたが、後のローマ皇帝はイエス様が治める神の国の希望を信じるようになります。ヨセフはもちろん、誕生する王子様に希望を抱いていました。皇帝たちにも大工にも、イエス様は希望となったのです。

 羊飼いにも、イエス様は希望となって下さいました。羊飼いは、落ち着く場所がどこにもない人の代表です。生まれたばかりのイエス様を誰よりも先に訪問したのは、彼らでした。イエス様は、落ち着く場所のない人に永遠の住まいを与えに来られました。立派な家に住む人もそうでない人も、あらゆる立場の人が、その永遠の希望を受け取ることができるのです。

 第二に、イエス様から与えられた希望は、時代を超越しています。生後40日経ち、ヨセフとマリアはイエス様をエルサレムの神殿に連れて行きました。そこにいたのは、シメオンとアンナという2人のお年寄りです。この出会いは、時代を超えた希望を象徴しています。若い夫婦にも2人のお年寄りにも、イエス様は希望だったのです。遠い昔になされた神の約束を、イエス様が実現されるという希望です。2000年後に生きる私たちにとっても、イエス様は希望です。イエス様が今、永遠の希望に満ちた神の国を築かれているからです。

 第三にイエス様から与えられた希望は、国境を超越しています。イエス様の誕生をお祝いし、遠い国から来た人たちもいました。東方の博士たちです。彼らは、ユダヤ人以外の全ての国の人を代表しています。日本に住む私たちの代表でもあります。イエス様はユダヤ人だけでなく、あらゆる国の人を神の国に招いて下さいました。神の国の王なるイエス様は、全世界の希望なのです。

 日本の今の天皇は、昭和天皇の5番目のお子様でした。皇室に初めて男の子が生まれ、日本の多くの人々は大喜びしました。「皇太子さまお生まれなつた」という歌まで作られました。作詞者は、あの北原白秋さんです。

 イエス様が生まれた時、賛美したのは天使と羊飼いたちだけでした。でも今や、全世界で20億以上の人々が救い主の誕生を喜び、賛美の歌を歌っています。私たちもともにイエス様のご降誕をお祝いし、賛美しましょう。どんなに粗末で汚い飼葉桶にも、私たちは希望を見ることができるのです。

「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。あなたがたは、布にくるまって飼葉桶に寝ているみどりごを見つけます。それが、あなたがたのためのしるしです。」(ルカ2:11-12)

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