« 2018年12月 | トップページ | 2019年2月 »

2019年1月

2019年1月27日 (日)

喜びの人生を生きる

 朝日新聞日曜版のスポーツ面に、「未来ノート―202Xの君へ―」というコーナーがあります。子供向けの記事で、日本のトップアスリートを4回シリーズで特集しています。小さい頃どんな練習をしていたか、どんな人たちに支えられたか、将来どんな夢を持っているか等が紹介されています。これまでテニスの錦織圭選手、野球の大谷翔平選手、卓球の平野美宇選手等が登場しました。(そのうち、大坂なおみ選手も登場するかもしれません。)今月は、バレーボール女子の黒後愛選手です。黒後選手は20歳で、栃木県宇都宮市出身。(餃子は好きかな?)身長180cmで、かつてのエース、木村沙織選手の後継者とも言われるそうです。

 先週20日の記事は「笑顔」がテーマでした。黒後選手の笑顔は、たいへん印象的です。昨年、世界バレーで活躍した時、笑顔が輝いていました。でも彼女は子供の頃、感情の起伏が激しかったそうです。泣き虫で、すぐ泣くし、すぐ怒りました。(「泣き虫愛ちゃん」が、もう一人いたようです!)感情のコントロールができず、気持ちにムラがありました。試合中、つまらない態度を見せることもあったそうです。父からは、こう言われました。「試合では笑顔をつくらないとダメ。試合で華のある選手になってほしい。」姉は、こう言いました。「バレーボールは一人じゃできない。エースのあなたの顔色をうかがうチームになっちゃいけない。」姉と2人で、笑顔づくりの練習もしたそうです。朝日新聞の記者に対し、黒後選手はこう語りました。「笑っていれば、いいことがある。前向きでいたい。」

 笑顔には、確かにいいことがあるようです。フランスの哲学者アランは、こう言ったそうです。「幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ。」笑顔の表情をつくるだけで、脳の中でドーパミンが増えるそうです。幸せを感じさせる物質です。笑顔一つで、チョコバー2000個分幸せになるという話もあります。(チョコバーが大好きな人の場合でしょうね。笑)笑顔の人は、穏やかで有能そうな印象を与えるとも言われます。旧ソ連のユーリイ・ガガーリンは、人類初の宇宙飛行士に選ばれました。選出理由の一つは、彼の笑顔だったそうです。輝くような笑顔は、ヒーローになるのにふさわしいと判断されたとのこと。笑顔は、健康にも良いそうです。ストレスを発散させ、血行を良くし、ガンやウィルスへの抵抗力を高めると聞きます。もちろん笑顔は、人間関係も良くします。笑顔で写真に写る人は満足度の高い人生を送り、長生きするという調査結果もあるそうです。「笑う門には福来たる」ということわざ通りですね。

 聖書には、こう書かれています。「喜んでいる心は健康を良くし、打ちひしがれた霊は骨を枯らす。」旧約聖書の箴言17章22節です。私たちの地上の人生は、嬉しいことや楽しいことばかりではありません。悲しいことや辛いことも起きます。打ちひしがれた思いになる時も、あるかもしれません。でもイエス・キリストを信じる人は、どんな時にも喜ぶことができます。目の前に起きる出来事が、全てではないと知っているからです。

 私たちの人生がたとえ荒野の旅のようでも、永遠の世界に比べれば一瞬に過ぎません。時が来たら、クリスチャンは素晴らしい約束の地に到着できます。限りない喜びと楽しみに満ちた、永遠の神の国です。そこに向かう人は、旅の途中から喜びと楽しみの「味見」ができるようになります。荒野にデパ地下がオープンするかのようです。(食べるのが好きな人向けのたとえです。笑)そこを歩けば幸せな気持ちになり、笑顔になれます。永遠の神の家に着けば、大好物を好きなだけ食べられる――その時を楽しみに、喜びながら「デパ地下」を制覇できるのです!信仰によって人生の荒野を笑顔で進み、華のある生き方ができることを感謝します。

「いつも主にあって喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい。」(ピリピ4:4)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年1月20日 (日)

天与のゴールを目指す

 今年のNHK大河ドラマは、オリンピックがテーマです。主役は2人で、一人はオリンピックに初めて参加した日本人。もう一人は、オリンピックを初めて日本に呼んだ人。(フランスで今、捜査中の人ではありません。)来年の東京オリンピックへ向け、いろいろ話題が尽きませんね。

 初めてオリンピックに参加した日本人は、金栗四三(かなくりしそう)さんとのことです。私は番組の宣伝が始まるまで、この方のことを何も知りませんでした。1891年、熊本生まれ。8人兄弟の下から2番目。父親が43歳の時に生まれたので、四三と名付けられたそうです。(うちの息子は、私が33歳の時に生まれました。同じ名付け方なら「三三(さんぞう)」だったかもしれません。笑)四三君は小学生になると、自宅から学校まで毎日走りました。皆さんの小学校は、家からどのくらい離れていましたか?私は、数百メートルだったと思います。四三君の場合は学校まで片道6キロ、往復12キロでした。そこを毎日走りました。冬はわら草履、夏は裸足だったそうです。すごいトレーニングですね。それだけ走った甲斐あって、日本で初めてオリンピックのマラソン代表に選ばれました。1912年に開催されたストックホルム五輪です。四三君が、東京高等師範学校(今の筑波大学)の学生の時です。

 マラソン当日の7月14日は、快晴。午後1時半のスタートで、最高気温40度になりました。参加者68名中、半数が途中棄権。レース中に倒れ、翌日死亡した人もいました。(来年の東京五輪も心配ですね。)金栗四三選手は、26キロを過ぎた辺りで熱中症に。コース近くの家に行って倒れ、介抱されました。残念ながら、ゴールできませんでした。ところが55年後の1967年、ストックホルム五輪の記念行事に四三さんは招待されました。オリンピックの時、四三さんは棄権ではなく、行方不明扱いになっていたのです。五輪スタジアムを少し走り、ゴールテープを切りました。すると、こうアナウンスが流れたそうです。「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイムは、54年8ヶ月6日5時間32分20秒3。これをもって、ストックホルム五輪の全日程を終了します。」このマラソン最長記録は、今後おそらく破られないでしょう。四三さんはゴールの後、こう言ったそうです。「長い道のりでした。この間に孫が5人できました。」

 人生は、マラソンレースのようです。創造主なる神は、私たち一人ひとりに走るべきコースを用意されています。ゴールはどこか、どこをどう走るのが一番よいか、私たちの生まれる前から全て計画されています。でも私たちはほとんどの場合、何も分からないうちに走り出します。どんなコースなのか分かりません。ゴールがどこか分かりません。どのくらい長く走るのかも分かりません。多くの人は、神が計画された最善のコースから外れています。いつまで走っても、ゴールインできません。途中で疲れ果て、倒れる人もいます。目指すゴールを見失い、レースを投げ出す人もいます。

 イエス様は、そのような私たちに目指すべきゴールと正しいコースを教えに来られました。ゴールは、ストックホルムではありません。東京でもありません。永遠の神の都のスタジアムです。イエス・キリストを信じる人は誰でも、そのスタジアムにゴールインできます。ゴールを見失った人も、途中で倒れた人も、しばらく休んだ人も大丈夫です。大歓声に包まれた栄光のスタジアムに、世界中から無数のランナーが集まって来ます。レースを走り抜いた最高の喜びを、私たちは、イエス様とともにいつまでも味わうことができるのです。

「兄弟たち。私は、自分がすでに捕らえたなどと考えてはいません。ただ一つのこと、すなわち、うしろのものを忘れ、前のものに向かって身を伸ばし、キリスト・イエスにあって神が上に召してくださるという、その賞をいただくために、目標を目指して走っているのです。」(ピリピ3:13-14)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年1月13日 (日)

新しい自分を生きる

 映画「ボヘミアン・ラプソディー」は先週、ゴールデン・グローブ賞の映画ドラマ部門で、最優秀作品賞と最優秀主演男優賞を獲得したそうです。ご存知、伝説のロックバンド「クィーン」のボーカル、フレディー・マーキュリーの生き方を描いた映画。日本では先週末までに600万人以上がこの映画を観て、84億円以上の入場料を支払いました。売上げは世界一とのこと。リピーターも多く、まだまだ大ヒット上映中だそうです。

 私はクィーンのファンではなく、映画も観ていません。(妻は関心があるようです。)でも先週、ネットを見ていたら、映画を観た人たちの感想に目が留まりました。その人たちは、フレディー・マーキュリーの次のような言葉に感動したそうです。「I decide who I am.(自分が何者かは自分で決める。)」彼が、自分の病気(エイズ)をバンドメンバーに告白するシーンだそうです。フレディーは、マイノリティ(社会的少数派)でした。アフリカ・タンザニアの島で生まれた、ペルシャ系インド人。ゾロアスター教を信じていたようです。そしてゲイ(同性愛者)でした。今風に言うと、LGBTです。17歳の時、イギリスに移住しましたが、社会の中で明らかに彼は少数派でした。「他の人々と全く違う自分は、一体何者なのか。」フレディーは、その答えを長い間、求めていたのかもしれません。

 「自分は何者か」という意識を、心理学で「アイデンティティ」と言います。私たちは、たいてい大人になるまでに、自分がどういう人間か意識するようになります。私は道産子(北海道出身)で、日本人です。無宗教の家に育ち、大学卒業後、クリスチャンになりました。今は所沢の教会の牧師です。プロテスタントの中でも、ペンテコステ(聖霊派)というグループに属しています。長男であり、夫であり、父であり、祖父です。それが、私のアイデンティティです。

 時々私たちは、自分が何者かを見失うことがあります。「アイデンティティ・クライシス」と呼ばれます。東京で一人暮らしを始めた頃、私は自分を見失いました。道産子は、マイノリティです。(どこの地方出身でも同じでしょう。)大都会の人混みで、自分だけ浮いている感じがしました。大学の難しい勉強について行けないように思いました。東京の有名私立高出身者に気おくれがしました。地方出身の友人たちと渋谷でさんざん飲み歩きましたが、何の解決にもなりませんでした。(お金を失くしただけです。笑)自分のアイデンティティを再発見したのは、創造主なる神と出会った時です。自分は神に造られ、愛されている存在だと、初めて分かりました。自分が何者かを、神に教えていただいたのです。その時、私は心に決めました。「そのアイデンティティを、自分は信じる」と。

 聖書の神を信じる人は、多くの場合、マイノリティです。アブラハムやその子孫のユダヤ人たちは、全世界のマイノリティとして神のことばを伝えました。イエス様と弟子たちも、社会の少数派でした。ヨーロッパに最初に福音が伝わった時も、信じる人は少数でした。今なお世界中の多くの国々で、クリスチャンはマイノリティです。日本もその国の一つです。全てを造られた神は、全ての人を愛しておられます。マジョリティ(多数派)の人も、マイノリティの人も、神は愛しておられます。その愛のゆえに、神は全ての人にこう言われています。「あなたにふさわしい、最善の人生を歩んでほしい。」でも神は、強制はしません。自分は何者かを選択する自由が、私たち一人ひとりに認められています。聖書が教えるアイデンティティを選択する人は、本来の自分の姿に回復することができます。人が自分たちの思いで決める姿でなく、神が計画し、完成して下さる新しい自分の姿です。どんな人であっても、神に受け入れられ、新しい人として生きる助けが与えられるのです。

「ただキリストの福音にふさわしく生活しなさい。」(ピリピ1:27)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年1月 6日 (日)

完成への道を突き進む

 スペインのバルセロナに、サグラダ・ファミリアという未完成の教会堂があります。正式名称は、「聖家族贖罪教会」だそうです。ご存知の通り、アントニ・ガウディの作品で、建物の一部は世界遺産です。建設開始は1882年。ガウディは翌年1883年から、2代目の建築家としてこの教会の設計を始めました。それから40年以上にわたり、彼はこの建設プロジェクトに関わりましたが、1926年に73歳で亡くなった時、完成していたのは全体の4分の1以下だったそうです。費用は全て、個人の献金でまかなわれたため、建設が遅々として進まなかったのです。スペインの内戦もあり、反乱軍に建物の一部を破壊されたこともありました。完成には数百年かかると言われましたが、コンピュータ技術の飛躍的な発展により、2026年に完成予定とのこと。ガウディの死後100年にあたります。世界遺産になったためか、拝観料収入が大幅に増え、経済的な必要も満たされました。カトリック教会らしく、イエス・キリストの誕生や十字架・復活のエピソードを表現した彫刻がたくさんあるようです。大聖堂の内部も森の中をイメージしたような幻想的な空間との話。完成した頃、まだ元気だったら、一度見に行きたいですね。(笑)

 普通の建物は、建設着工から1年以内で完成します。高層ビルでも数年以内です。池袋のサンシャイン60は、建設に5年かかりました。新宿の東京都庁舎は2年半。スカイツリーは3年半で建ちました。建設に100年以上かかる建築物は、滅多にありません。ドイツのケルン大聖堂は、完成までになんと630年かかったそうです。イタリアのピサの斜塔は、200年かかって完成しました。実は教会関係の建物で、ピサ大聖堂の鐘を鳴らす塔だそうです。これらの設計を担当した人たちは、建物の完成した姿を実際に見ることはありませんでした。でも彼らの頭の中には、完成した建物がはっきりイメージされていたはずです。そのイメージに合わせ、彼らは設計図を描き、建設作業をする人たちに指示を出したのです。サグラダ・ファミリアの設計図や模型は、内戦の時になくなったそうです。でも、その後の設計者たちがガウディの完成イメージを推測し、建設は続けられました。ロマンに満ちた、壮大なプロジェクトですね。

 創造主なる神も、天地創造の前に、全てが完成した世界の設計図を描かれました。その世界は、永遠の祝福に満ちています。イエス・キリストが王として、全世界を治めておられます。そこに悪は存在しません。苦しみや悲しみもありません。あるのは良いことだけ。喜びや楽しみに満ち溢れた世界です。あらゆる国から集められた人々が、その世界に集っています。イエス様を王と認め、そこに入ることが許された人たちです。その世界で人々は、限りない祝福をいつまでも喜び、楽しむことができます。あらゆる束縛から解放されています。限りない自由と平和があります。神は、これまでイスラエルの預言者たちを通し、完成した世界の設計図を少しずつ人類に伝えて来られました。そこに描かれた素晴らしい世界は今、天のスケジュールに沿って完成されつつあります。悠久の時間をかけた史上最大のプロジェクトです。イエス様を救い主、全世界の王と信じる人は誰でも、その何よりも偉大なプロジェクトに参加可能です。私たち自身も完成した世界の一部とされ、その光り輝く美しさをいつまでも満喫できるのです。

「あなたがたの間で良い働きを始められた方は、キリスト・イエスの日が来るまでにそれを完成させてくださると、私は確信しています。」(ピリピ1:6)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2018年12月 | トップページ | 2019年2月 »