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2019年2月 3日 (日)

天命を全うする

 旧約聖書に登場する信仰の勇者の一人、ヤコブの子ヨセフは、波瀾万丈の生涯を生きた人です。10人いた兄たちに憎まれ、奴隷として売られ、売却先のエジプトでは監獄に入れられました。ところが奇跡的な出会いを通し、ファラオの夢を解き明かすチャンスが与えられ、それがきっかけでエジプト全土の支配者にまで上り詰めます。家族をカナンから呼び寄せ、飢饉から救い、兄たちとも和解しました。それは、ヨセフの生涯のハイライトと言える感動的な名場面です。

 ところが、信仰の勇者を列挙する新約聖書・ヘブル人への手紙11章には、この感動的なシーンは出て来ません。ヨセフの話はたった一節だけ、臨終の場面です。創世記37章から50章までが、ほとんどヨセフ関連の話であるのと比べると、驚くばかりの簡潔さです。ヨセフは年老いて最期の時が近づくと、家族に将来の展望を語り、自らの埋葬場所を指定しました。「神は必ずアブラハムの子孫、ユダヤ人を約束の地に帰して下さる。だから自分の遺骸は、その地に埋葬してほしい。」彼は、そう遺言したのです。

 その遺言は、確かに守られました。数百年後、モーセに率いられたユダヤ人たちは、エジプトを脱出する際、ヨセフの遺骸も運び出しました。荒野を40年間さまよった時も、遺骸は彼らと一緒でした。約束の地を占領すると、遺骸はシェケムの地に埋葬されました。そこは、かつてヨセフが奴隷として売られる前、父に命じられて兄たちを捜しに行った土地でした。

 ユダヤ人をエジプトから約束の地に導かれたのは、もちろん創造主なる神です。その神の導きを象徴的に表したのは、荒野で彼らの先頭を進んだ契約の箱でした。神のことばを語るモーセの強力なリーダーシップも、ユダヤ人のサバイバル生活には不可欠でした。と同時にヨセフの遺骸は、彼らにとって大きな励ましとなったはずです。彼らのレジェンド、伝説の人物であるヨセフの遺骸は、荒野を行く民とともに約束の地を目指したのです。「必ずその地に帰ることができる。」ユダヤ人たちは遺骸を見るたび、ヨセフのその証言を思い起こすことができたはずです。

 ヨセフの天命は、エジプトの支配者となり、家族を救うことにとどまりませんでした。彼の伝説的な生涯とその遺言は、後世のユダヤ人を励まし、彼らが進むべき方向を指し示したのです。もちろんその姿は、私たちの信仰の模範でもあります。

 創造主なる神は、私たち一人ひとりにも果たすべき天命を用意されています。私たちの生涯と語ることばを通し、周りの人を励まし、人類に用意された約束の地を指し示す天命です。イエス・キリストを信じる人は、誰でもアブラハムの子孫に加えられ、ヨセフのように天命を全うすることができるのです。

「信仰によって、ヨセフは臨終のときに、イスラエルの子らの脱出について語り、自分の遺骸について指示を与えました。」(ヘブル11:22)

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