« 2019年2月 | トップページ | 2019年4月 »

2019年3月

2019年3月31日 (日)

回復の奇跡を喜ぶ

 東日本大震災から8年が経過しました。岩手県や宮城県は比較的復興が進む一方、福島県は原発事故の影響で遅れているとのこと。放射線量が高い地域は、今も廃墟のようです。福島県内の7市町村には帰宅困難地域が残り、現在も4万人以上の人が避難しているそうです。

 放射線量が高すぎると、避難者は自宅に帰れません。当然、町は廃墟になります。そこには、誰も人がいません。道路や建物は、壊れたまま放置。家や店舗には空き巣が入ったり、野生動物が住んでいたりします。発電所内に残る核燃料は溶け落ちて、簡単に取り出せません。放射能に汚染された水も、たまる一方です。汚染土などが入った黒いフレコンバッグは無数にあり、あちこちに積まれたまま。原発周辺の放射線量は、100年後も非常に高いと予想されています。健康被害の実態も今後、さらに明らかになると言われています。避難指示が解除されても、多くの人、特に若い人たちは福島に戻って来ないと聞きます。廃墟の復興は、たいへん厳しい状況だと言えます。

 日本全国で、政府と東京電力に損害賠償を求める裁判が起こっています。避難者等が訴えた裁判で、30件ほどあるそうです。先週は愛媛県で、政府と東電に賠償金2,740万円の支払いを命じる判決が下りました。避難費用や「ふるさと喪失」の慰謝料等だそうです。賠償金は、請求額より1億円以上少なかったとのことで、今後も裁判は続くようです。

 避難者の方々が「ふるさと」を失ったのは、確かです。平穏無事に暮らしていた地域や職場、人間関係が、ある日突然消え去りました。かつての住民全てが「ふるさと」に戻り、昔と同じように安心して暮らせる見込みは、ほとんどありません。健康上の不安を抱える人も、いるかもしれません。周囲の心ない言葉や行動に傷ついている人も、いるかもしれません。そうした方々の心や体が癒やされ、奇跡的に「ふるさと」が回復するため、祈り続けたいと思います。

 人類には、かつて共通の「ふるさと」がありました。エデンの園です。私たちの祖先アダムとエバは、その「ふるさと」を失いました。地震でも津波でも、原発事故のせいでもありません。神の信頼を裏切る重大な過ちのためです。しかし神は、人類を愛しておられました。アダムとエバの子孫が、安心して帰れる新たな「ふるさと」を計画されていたのです。計画実現のため、神はたっぷり時間をかけられました。「ふるさと」に帰る人の代表として、まずアブラハムを選びました。「約束の地」を目指し旅立つように、彼に命じられました。

 数百年後、アブラハムの子孫は、約束の地を手に入れました。ソロモン王の時代には、その地に平和と繁栄がありました。しかし残念ながら、ユダヤ人も、アダムとエバと同じ過ちを犯したのです。神の信頼を裏切り、「ふるさと」を失ってしまいました。彼らの町は荒れ果て、廃墟となりました。それでも神の計画には、まだ続きがありました。荒れ果てた地を復興させ、エデンの園のようにする計画が、残っていたのです。

 イエス様は、人類の「ふるさと」回復のため、この世に来られました。イエス・キリストを信じる人は、エデンの園のような「ふるさと」に帰ることができます。廃墟となった「ふるさと」は今、再建されつつあるのです。イエス様は、その土台を築いて下さいました。弟子にされた星の数ほどの人々が、「ふるさと」復興ボランティアとして活躍して来ました。そして私たちも今、そのチームに加えられています。天の「ふるさと」復興は、人の力だけでは不可能です。しかし、神がそれを可能にされます。私たちは「ふるさと」回復の奇跡を目にし、大きな喜びで満たされるのです。

「このとき、人々はこう言うだろう。『あの荒れ果てていた地はエデンの園のようになった。廃墟となり、荒れ果て、破壊されていた町々も城壁が築かれ、人が住むようになった』と。」(エゼキエル36:35)

| | コメント (0)

2019年3月24日 (日)

救いの奇跡を喜ぶ

 今月15日、ネット上ではアウシュビッツ記念館によるコメントが注目されました。3年半前、ある日本人医師がツイッターに書いた言葉に、日本語で反論したのです。その医師は、こうつぶやきました。「南京もアウシュビッツも捏造だと思う。」大虐殺はなかったと主張したのです。このつぶやきに対し、アウシュビッツ記念館はこう書き込みました。「アウシュビッツは世界中の人々の心に絶えず忠告する史実です。ナチス・ドイツによって造られたその強制・絶滅収容所の史跡は、人類史上最大の悲劇を象徴しています。」同記念館は通常、英語かポーランド語で情報発信するとのこと。日本語の書き込みは、たいへん珍しいそうです。この騒動は、意外な所に飛び火しました。その医師のクリニックは、映画「翔んで埼玉」の応援CMを流していたのです。「翔んで埼玉」の公式ツイッターアカウントにも、医師に批判的なコメントを書く人がいたようです。

 ご存じの通り、アウシュビッツには、ユダヤ人強制収容所がありました。ナチス・ドイツは、ゲルマン人による世界征服を目指しました。他民族のうち、特にユダヤ人を排斥し、絶滅させようとしました。いくつもの収容所を作り、ユダヤ人を虐殺したのです。いわゆる「ホロコースト」です。殺されたユダヤ人は、600万人と言われています。私はアウシュビッツに行ったことはありませんが、イスラエルの「ホロコースト記念館」は訪問しました。犠牲者の写真をはじめ、心の痛む展示物がたくさんありました。多くのユダヤ人を救った日本人、杉原千畝さんの記念碑もありました。アウシュビッツが解放された1月27日は、国際ホロコースト記念日になっているそうです。ツイッター社はその日、「#WeRemember」というハッシュタグをつけて投稿するよう呼びかけていました。同社の広報担当者は、こう語ったそうです。「ジェノサイド(大量殺人)や人種差別、ヘイトスピーチなど差別がなくなることを期待している。SNSとしてのツイッター社が情報発信や拡散において、重要な役割を果たしていることは理解している。」

 先週は、プリムと呼ばれるユダヤ人のお祭りがありました。彼らの先祖が大虐殺から救われたお祝いの日です。20世紀ではなく、紀元前5世紀の出来事です。その頃、バビロニアは滅び、ペルシア帝国が中東一帯を支配していました。ユダヤ人は、帝国各地に分散していました。エルサレムに帰った人もいます。でも彼らの祖国は、100年前に滅んだままでした。その時、ユダヤ人を嫌悪する人がペルシア王の補佐官となり、政治の実権を握りました。帝国内のユダヤ人を絶滅させようしました。しかし、たった一人の勇気あるユダヤ人女性が、間一髪、その悪巧みを阻止したのです。悲しみとなるはずの日は、救いの奇跡を喜ぶ日に一変しました。

 イエス・キリストを信じる人も、救いの奇跡を喜ぶことができます。全ての人は、死を目前にしていました。天の王への反逆罪で、死刑でした。でもイエス様は、たった一人で勇気ある行動をとられました。全人類の罪を背負い、身代わりに死刑になって下さったのです。そう信じる人は罪が帳消しになると、天の最高裁判所が判決を下しました。私たちは、起死回生の救いを周りの人とともに喜ぶことができるのです。

「自分たちの敵からの安息を得た日、悲しみが喜びに、喪が祝いの日に変わった月として、祝宴と喜びの日、互いにごちそうを贈り交わし、貧しい人々に贈り物をする日と定めるためであった。」(エステル9:22)

| | コメント (0)

2019年3月17日 (日)

天の力でパワーアップされる

 今日は、「セントパトリックスデー」です。みなさん知っていましたか?私は昔(そのまた昔?笑)、米国に留学するまで、聞いたことがありませんでした。米国では、この日になると街の至る所が緑色に飾られ、多くの人が緑色のものを身につけます。全身緑の人もいます。パレードもあり、テレビで放映されます。その様子を見て、当時の私はこう思いました。「セントパトリックという人は、聖書に出て来ない。カトリックの聖人だろう。アイルランドのお祭りのようだ。私は日本人だし、プロテスタントだから関係ない。」でも日本は、何でも輸入します。この祭りも輸入したようです。(ハロウィーンよりは、いいかも・・・苦笑)昨日、今日と東京・表参道をはじめとし、日本各地でパレードが行われています。アイルランドを日本に紹介したい人たちが27年前、私が留学したその年に始めたそうです。代々木公園では、「アイラブアイルランド・フェスティバル」が開かれているとのこと。アイルランドは漢字で「愛蘭土」と書かれ、略称は「愛」です。イベントに行くと、「アイルランド愛」を感じるかもしれません。

 聖パトリックは、「アイルランドの使徒」と呼ばれます。カトリックでは、アイルランドを守る聖人の中心人物とされています。グレートブリテン島のクリスチャン家庭出身。4~5世紀、島の南部がローマ帝国に支配された時代の人です。16歳の時、彼は海賊に拉致されました。アイルランドに連れて行かれ、6年間、奴隷として働かされました。苦しみの中、彼は神に救いを求めました。自分の罪を悔い改め、神への信仰を深めました。すると6年たった頃、こんな声を聞いたそうです。「あなたは、もうすぐ家に帰る。船の用意ができている。」その声を聞き、パトリックは捕われていた場所から脱走しました。船に乗り、帰宅できたのです。その後も彼は、キリスト教について学び続けました。

 数年後、パトリックは幻を見ました。アイルランドから手紙が届く幻です。その時、こんな声が聞こえました。「私たちの所に戻り、一緒に歩んで下さい。」彼は宣教師になる決心をしました。訓練を受け、神父となり、今度は自らの意思でアイルランドに行きました。そこには、多くの神々を信じるケルト人たちが住んでいました。さまざまな迫害に勝利し、パトリックは何千もの人々に洗礼を授けたそうです。彼らのリーダーとなる神父たちも任命しました。彼の働きを通し、アイルランドはカトリックの一大拠点となりました。3月17日は、パトリックの命日だそうです。伝説によると彼は、三位一体の説明のため、三つ葉のクローバー(shamrock)を使ったという話。後に緑色はアイルランドのシンボルカラーとなり、セントパトリックスデーの色にもなりました。

 パトリックは天から力が注がれ、迫害に勝利できました。奇跡も体験しました。33人の死者がよみがえったという話もあります。私たちの人生は、それほど劇的でないかもしれません。でも私たち一人ひとりにも、天の力が必要です。人生の困難を乗り切るため。勇気をもって福音を語るため。迫害に勝利するため。そして神の偉大さを証しするためです。イエス様は、私たちに天の力を注いで下さいます。私たちをパワーアップして下さいます。セントパトリックスデーの緑色を見たら、パトリックに注がれた天のパワーを思い起こしましょう。その同じパワーは、私たちにも注がれるのです。

「終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。」(エペソ5:10)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年3月10日 (日)

神に喜ばれる人生を歩む

 誰かの家を訪問する時、私たちはよく手土産を持って行きます。買う前には、何が喜ばれるか考えます。埼玉県外に行く時は、所沢周辺や埼玉の名産品を持って行くこともあります。(埼玉は最近、ずいぶんディスられていますが、埼玉にも名産品はあります。笑)所沢の名産は何でしょう。焼き団子?焼き団子は日持ちしないし、遠くへ持って行けませんね。狭山茶?狭山茶は、これまで多くの人に差し上げて来ました。深井醤油のたまり漬け?これも、どなたかに上げたことがあります。川越まで範囲を広げると、くらづくり本舗のお菓子があります。それも、以前持って行きました。深谷発祥の黒胡椒せんべいも美味しいです。これも、何度か持って行きました。北海道に行く時は、東京のお土産品を買うこともよくあります。(私も北海道出身ですが、北海道の人にとっては、東京のお土産も埼玉のお土産も似たようなものかも・・・笑)羽田空港には、美味しそうな物がたくさんあります。何をお土産にするか考えるのも、楽しいですね。――どれが美味しいだろう。あの人は何が好きだろうか。このお土産は喜んでもらえるだろうか。喜んでほしいな――と思いながら購入します。

 もちろん、手土産以上に大切なのは、私たち自身です。実際に会って話をすることに意味があります。先日、妻と私は茨城に住む叔母を訪問しました。会うのは私の父の葬儀以来で、18年ぶりでした。叔母はピアノの先生で、70代後半になった今も現役で教えています。バプテスト教会で信仰を持ち、今もオルガニストの一人として奉仕しているようです。私が北海道で牧師をしていた頃、叔父と二人で訪ねに来てくれました。叔父が亡くなる一年前のことです。叔母がクリスチャンになったと聞き、たいへん嬉しく思いました。所沢に来てから、なかなか機会がありませんでしたが、ようやく先日訪問できました。黒胡椒せんべいを持って行きました。手土産を喜んでくれたかどうかは、分かりません。でも上げた以上にたくさんお土産を、逆に私たちがもらいました。(笑)叔母は、私たちの訪問をたいへん喜んでくれたようでした。18年分の話をし、交わりを深めることができました。

 私たちは、全てが完成した永遠の神の家に向かう途中です。神は、私たちの到着を待っておられます。その大きな家は、現在建設中です。私たちの祖先アダムとエバは、神に与えられた家を失ってしまいました。家主の父なる神を裏切り、家から追い出されたのです。それ以降、アダムとエバの子孫はみなホームレスになりました。神はそんな私たちを憐れみ、新居の建設を開始されました。神と永遠に同居する家――限りなく広い、多世代・多文化住宅です。私たちをその家に住まわせるため、神は史上最大のプロジェクトを開始されました。人類の代表として選んだアブラハムに、神はこう言われたのです。「あなたとあなたの子孫が、永遠の新居に入る。」

 イエス様は、人類の代表、そしてアブラハムの子孫の代表として、この世に来られました。世界中のあらゆる人を神の家に住まわせるためです。イエス・キリストを信じる人は、誰でもアブラハムの子孫になれます。神の家に入り、神と永遠に同居する特権が与えられます。私たちは、その家に手土産を持って行きます。黒胡椒せんべいではありません。(笑)手土産は、地上の私たちの人生です。私はこんな生き方をしましたと、神に差し上げるのです。イエス様は、私たちの人生をとんでもなく高い値段で買い取って下さいました。ご自身のいのちの値段です。聖霊は、買い取られた私たちの人生を値段にふさわしいものに加工して下さいます。父なる神に喜ばれる手土産にして下さるのです。神はもちろん、私たちが家に行くことだけで喜んで下さいます。と同時に、私たちの持参する手土産も大いに喜んで下さるのです。

「何が主に喜ばれることなのかを吟味しなさい。」(エペソ5:10)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019年3月 3日 (日)

天の王家にふさわしく生きる

 この2年ほどで小室圭さんは、たいへん有名になりました。横浜出身の一人っ子で28歳。10歳の時、悲しいことに父親が自殺。それ以降は、母一人の手で育てられました。東京のインターナショナルスクールからICU(国際基督教大学)に進み、現在は米国ニューヨーク州のロースクールで法律を学んでいます。7月に行われる司法試験を受けるとも噂されています。ひときわ目立つとは必ずしも言えないこの青年が、一躍、時の人になりました。眞子さまの婚約相手だと報道されたからです。おととし5月、NHK夜7時のトップニュースでした。その年の9月、婚約内定を発表する記者会見が行われました。その頃は、日本中の多くの人がお二人の婚約を祝福し、喜んでいたように思います。

 ところがその後、風向きが変わりました。週刊誌やTV等が、小室さん親子の金銭トラブルを報道し始めたからです。ネット上でも、さまざまな意見があるようです。「小室さんは眞子さまの結婚相手にふさわしくない」と言う人が、たくさんいるのです。多くの人が二人を引き離そうとしているようで、現代版のロミオとジュリエットだと言う人もいます。眞子さまも28歳で、そろそろ結婚したいと思って当然です。いい大人のお二人が結婚したいのに、見ず知らずの大勢の人に断固反対されるのは、たいへんお気の毒な気がします。

 親族や友人でもない人たちが盛んに口を挟むのは、もちろん、眞子さまが皇族だからです。「天皇家の子にふさわしい相手と結婚してほしい」と思う人が、たくさんいるのです。(金銭トラブルの解決に税金が使われるか心配する人もいます。)日本の皇族は、生まれながら自由がありません。国民のしもべ、奴隷のような立場です。その天皇家に生まれることを、眞子さまは自分で選んだのではありません。それでも、これまで忠実に皇族として務めを果たして来られました。結婚したら天皇家を離れ、ようやくしもべの立場から解放されます。その後の長い人生をともにする相手くらい、自由に選んでいただきたいと、私は個人的に思います。私もお二人の親族でも友人でもありませんが、国民の一人として、これまでの眞子さまのお働きに感謝し、将来の祝福をお祈りしています。

 イエス様は、イスラエル王家の子として、この世に誕生されました。全知全能の神なので、何でも可能でした。どの時代のどの家に生まれるか、自由に選択できました。そのイエス様が選ばれたのは、イスラエルの国が滅び、ローマ帝国に支配されていた時代です。王族の立場を奪われ、大工をしていたヨセフの家を選ばれました。イスラエルの王家を立て直し、その家を全世界に広げることを自ら志願し、イエス様はこの世に来られたのです。そして神のしもべとして、全人類に仕える使命を見事に全うされました。今は天の王座につき、全世界に広がる神の国を治めておられます。

 イエス・キリストを信じる人は、天の王家に養子として迎え入れられます。生まれながらでも、知らない間にでもありません。自らの意思と決心により、天の王家の子になることを志願するのです。天の王家の子供には、ふさわしい生き方があります。王の模範にならい、しもべとして仕える使命を全うする生き方です。愛に満ちたその生き方を、私たちは自分の意思で選ぶことができます。何も知らずに捕えられていた不自由さから解放され、天の王に与えられる本当の自由を満喫することができます。天の王家に入る人は誰でも、イエス様が永遠の祝福と喜びで満たして下さるのです。

「さて、主にある囚人の私はあなたがたに勧めます。あなたがたは、召されたその召しにふさわしく歩みなさい。」(エペソ4:1)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2019年2月 | トップページ | 2019年4月 »