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2019年11月10日 (日)

サーバントリーダーになる

 最近は、サーバントリーダーシップという考え方が、ビジネスの世界で注目されているようです。「サーバント」とは、仕える(奉仕する)人という意味です。――人の先頭に立つリーダーは、「だまって俺について来い」では良くない。周りの人に奉仕して導くべきだ。――そういう教えです。ロバート・グリーンリーフという人が、50年ほど前からこの考え方を広めたと言われています。米国では当時、リーダーが全てを決め、他の人はそれに従うというやり方が主流でした。グリーンリーフ氏は、それではうまく行かないと主張したのです。彼の考え方は世界的に高い評価を受け、著書は数十カ国語に翻訳されたとのこと。日本語訳も11年前に出版され、なんと私も電子書籍版を買っていました。(すっかり忘れていましたが、アマゾンのページに購入履歴を発見しました。笑)

 サーバントリーダーというアイデアは、ある本を読んで思いついたと、グリーンリーフ氏は語っています。ノーベル賞作家であるヘルマン・ヘッセが書いた「東方巡礼(Journey to the East)」という短編小説です。ある信仰を持つグループのツアーに、レオという召使い(サーバント)が参加するストーリーです。それは、「東方に究極の真理を求めるツアー」でした!(参加したい人は、どのくらいいるかな?)彼らの旅は、途中までは良かったようです。でもある日突然、召使いのレオがいなくなります。するとツアー参加者の中で内輪もめが起こり、旅行は中止になってしまいました。何年か後、参加者の一人は召使いだったレオと再会します。驚いたことにレオは、ツアーを企画した教団のトップだったのです。グリーンリーフ氏はこの本を読んで、ひらめきました。優れたリーダーは本来、サーバントだということです。彼は、そのアイデアを世界中に伝え始めたのです。

 

 実は、サーバントリーダーというアイデアは、グリーンリーフ氏の時代より遙か昔からありました。2000年前、イエス・キリストがそのアイデアを自ら実践し、弟子たちに伝えられたのです。さらにその700~800年前には、旧約の預言者イザヤが、サーバントリーダーの到来を予告していました。それらのことばは、欧米から見れば東方のイスラエルの地で語られた「究極の真理」に他なりませんでした。ヘルマン・ヘッセの祖父は、インドに遣わされたプロテスタントの宣教師でした。父親も元宣教師で、内村鑑三の本をドイツ語に翻訳したそうです。ヘッセは両親に反抗し、ヒンズー教や仏教、中国の道教にも関心を持ちました。でも彼は、クリスチャンである両親の信仰生活から、強い影響を受けたと語っています。レオという召使いは、明らかにイエス・キリストがモデルだと考えられます。サーバントリーダーシップの模範を示し、そのアイデアを世界中に広めたのは、実はイエス・キリストだったのです。

 2000年前の中東も今の社会と同じで、多くのリーダーが威張っていました。ユダヤ人社会を牛耳っていたのは、外国のお偉いさんたちです。エルサレムのユダヤ人エリートは彼らと手を握り、「上級国民」という特権的地位にしがみつきました。パリサイ人や律法学者は、自分たちが一般庶民より上の「勝ち組」だと誇りました。一般庶民は、「身の丈に合わせて」生きるしかなかったのです。彼らに仕え、親身になってくれるリーダーは、残念ながらいませんでした。その中でイエス様は、新しいリーダーのあり方を示されました。しもべのような姿で、弟子たちの汚れた足を洗われました。全ての人の必要に仕え、自分の命までささげられました。忠実なサーバントとなったその姿は、全人類の模範です。イエス・キリストに弟子入りする人は、聖霊の助けにより、誰でもサーバントリーダーになれるのです。

「あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、皆に仕える者になりなさい。あなたがたの間で先頭に立ちたいと思う者は、皆のしもべになりなさい。」(マタイ20:26-27)

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