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2019年12月

2019年12月29日 (日)

来る年の祝福を祈る

 今年の年末年始は、最長で9日間の連休になるそうです。昨日の土曜日から、5日日曜日までです。ある調査によると、9日全部休める人は36.2%で、7~8日の人は13.3%。両方合わせ、ほぼ半数の人は1週間以上休みがとれるとのこと。残りは5~6日の人が11.0%、3~4日は12.5%、1~2日は9.0%、全く休めそうにない人は10.6%。(コンビニ店主も年末年始は休みたいという話が、ニュースになっていましたね。)

 牧師はたいてい、年末年始に忙しく働いています。私は突然倒れたりしないように、この時期できるだけ予定を増やさないようにしています。特別な休みはなく、年末年始は「通常営業」です。いつも通り、礼拝の準備があるからです。実は私も妻も、人混みが苦手です。何日か休むなら、年末年始以外がいいなと思っています。(笑)

 「年末年始はどこで過ごすか」という調査もありました。自宅が60.8%、実家や親戚の家が22.5%、国内旅行は3%以下で、海外旅行はもっと少数のようです。純粋な旅行は、意外と少ないですね。8割以上の人は、自宅か帰省先で年末年始を過ごすとのこと。「何をして過ごすか」というと、男女ともベスト3が同じです。初詣、テレビ、家族や親戚との食事です。

 私は、北海道のサラリーマン家庭で育ちました。冬に旅行はしませんでした。北海道で冬に家を空けると、家全体が凍り付いたかもしれません。(笑)年末年始は、テレビや家族での食事が中心でした。「無宗教」の家だったせいか、初詣に行った記憶はありません。私の両親も、人混みが苦手だったのかもしれません。でも、しめ飾りは買い、玄関につけていました。私は餅が好きで、毎年食べるのが楽しみでした。もちろん、お年玉も楽しみでした。雪の中で遊ぶのも大好きでした。年賀状をもらうのも送るのも好きでした。(最近は「年賀状スルー」がトレンドだそうですが。)私にとって年末年始は、年一度の喜びや楽しみの時だったように思います。

 イスラエルの新年は冬ではなく、秋から始まります。9月か10月、仮庵の祭りの直前です。この特別な時をどう迎えるべきか、神はユダヤ人に教えられました。すべきことは、3つありました。1つ目は、過ぎ去った年の清算です。1年の反省をし、罪を悔い改めます。神との関係を修復し、新たな歩みを始めます。2つ目にするのは、感謝です。1年の収穫を感謝します。先祖代々伝わる恵みも感謝します。ユダヤ人の先祖は奴隷のくびきから救われ、新しい人生が与えられました。その偉大な恵みを思い起こし、神に感謝するのです。3つ目にするのは、期待です。「新しい年も、神は祝福の約束を必ず守って下さる。」そう信じ、期待するのです。1年の清算、恵みの感謝、来る年への期待をもって新年を迎える――。それが、ユダヤ人に対する神の教えでした。

 キリストは12月ではなく、イスラエルの新年の時季に誕生されたと、多くの人は考えています。キリストがもう一度地上に来て神の国が完成するのも、この新年の時季だと言われています。年明け早々の祭りの最終日、イエス様は大声でこう叫ばれました。「わたしのもとに来て、水を飲みなさい。」イエス・キリストに近づき、このお方を信じる人は、聖霊の新たな祝福で満たされます。新しい年、神が私たちに溢れるばかりの祝福を注がれると期待し、祈り求めましょう。

「さて、祭りの終わりの大いなる日に、イエスは立ち上がり、大きな声で言われた。『だれでも渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい。』」(ヨハネ7:37)

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2019年12月22日 (日)

新時代の平和を担う

 日本は今年、新たな時代を迎えました。「平成」が終わり、「令和」の時代になりました。「平成」は、「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味だったそうです。平成の時代、中東など世界各地で戦争が繰り返され、さまざまなテロもありました。難民も大量に生まれました。東京では地下鉄サリン事件が起きました。日本各地で大地震や津波など、自然災害が発生しました。でも日本の多くの人は、平成は平和だったと感じたようです。NHKが昨年秋に行った調査では、79%の人が「平成は戦争がなく平和な時代」と答えたそうです。その前の昭和の時代には大きな戦争があり、多くの人が命を落としました。その時代と比べれば、平成の日本は、確かに平和な時代だったと言えます。明仁上皇も昨年暮れ、天皇として迎えた最後の誕生日にこう語っています。「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています。」

 新天皇即位に合わせ、新元号は「令和」になりました。「美しい調和」という意味だと、政府は説明しています。実際は、この2つの漢字を組み合わせると、「平和を(上から)命令する」という意味になるようです。誰が命令するのかと疑問を持つ人もいます。それでも「令和」という元号は、圧倒的多数の人から支持されました。今年の漢字第1位には「令」、第2位には「新」、第3位には「和」が選ばれました。新しい令和の時代は、確かに喜ばれているようです。天皇即位の儀式も、多くの人が大歓迎しました。新天皇は即位宣言の中で、「平和」という言葉を3回繰り返しました。前天皇の世界平和への思いを受け継ぎたいと、新天皇が誓ったのです。新たな令和の時代には、新たな課題が見えています。自分の国の益しか考えない傾向が強まっています。国々の間で合意を得るのが難しくなっています。右翼的な発言が世界各地で支持を集めています。ヘイトスピーチも増えています。平和への絶え間ない努力が、これまで以上に求められる時代となりつつあるように思えます。

 宇宙の全てを造られた神は、人類の平和を心から願っておられます。遠い昔、私たちの祖先は、創造主なる神と仲たがいしました。神との平和を壊し、人間同士も互いに争うようになりました。暴力を振るい、人殺しや戦争もするようになりました。神は人々の争いを見て、長い間、心を痛めておられました。何とかしなければならないと、ずっと思っておられました。そして2000年前、とうとう自ら解決に乗り出されたのです。神ご自身が人間になり、この世に誕生されました。イエス・キリストです。イエス様は、全世界に平和をもたらしに来られました。イエス・キリストを信じる人は、創造主なる神との平和を回復できます。神との平和を土台とし、人間同士の平和も築くことができます。イエス様は、今も天から私たちに手を差し伸べておられます。神による永遠の平和のネットワークを全世界に広げ続けておられるのです。

 この2000年間、残念なこともいろいろ起きました。キリストを信じても、間違いを犯す人がいました。暴力沙汰や戦争もありました。でもキリスト誕生とともに、新たな平和の時代が始まったことに間違いはありません。この新時代に生きる私たちには、平和を担う使命が委ねられているのです。

「すると突然、その御使いと一緒におびただしい数の天の軍勢が現れて、神を賛美した。『いと高き所で、栄光が神にあるように。地の上で、平和がみこころにかなう人々にあるように。』」(ルカ2:13-14)

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2019年12月15日 (日)

神のことばを心から喜ぶ

 先週は、ノーベル賞授賞式がありました。吉野彰さんが化学賞を受賞し、スウェーデン国王からメダルと賞状を授与される様子が報道されました。「(気分は)最高です」とコメントし、吉野さんは喜んでいました。行事の合間には、家族でストックホルムのクリスマスマーケット等を散策したようです。お孫さんと手をつないでいる時も、吉野さんはたいへん嬉しそうでした。

 吉野彰さんは、1948年大阪府生まれの71歳。京都大学大学院を卒業後、旭化成に入社。大学ではなく、民間企業での研究開発を希望し、そこで新しい充電式電池の開発に取り組みました。最も軽い金属、リチウムを使った電池です。リチウムは、水素、ヘリウムとともに最初にできた元素の一つと考えられています。チリやアルゼンチン、ボリビア等、南米に多く埋蔵されているそうです。SNS映えで有名なウユニ塩湖には、全世界のリチウム埋蔵量の約半分があるという話です。

 リチウムを使う充電式電池を初めて作ったのは、M・スタンリー・ウィッティンガムという英国出身の化学者。1970年代です。彼の研究は、その後のリチウム電池開発の土台となりました。彼は、リチウムをマイナス側の電極として使いました。すると1980年、別な人がリチウムを使い、プラス側の電極にする材料を開発しました。米国人の物理学者ジョン・B・グッドイナフです。(この材料は十分良かった――good enough!笑)さらにその5年後、吉野彰さんはマイナス側の電極に適した材料を発見。炭素を使う材料でした。これで充電式のリチウムイオン電池が、実用可能になりました。それから30年経った今、リチウムイオン電池は至る所で使われています。今後もさらに使用範囲が広がると見られています。この電池開発に大きな貢献をした3人の博士、ウィッティンガム、グッドイナフ、吉野さんが今年、仲良くノーベル化学賞を受賞しました。彼らのチームの見事なコンビプレー――ウィッティンガムがレシーブし、グッドイナフがトスを上げ、吉野さんがアタックしたかのようです!

 3人の科学者の業績は確かに偉大で、ノーベル賞に十分値します。彼らの背後にもおそらく、数え切れないほど多くの人がいて、重要な研究を陰で支えたのでしょう。でも私たちは、さらにそのずっとずっと背後におられた、目に見えない支援者を忘れてはなりません。創造主なる神です。神は、宇宙の全てを造られました。リチウムも炭素も造られました。地球を造り、人間を造り、ウユニ塩湖も造られました。科学者たちに命を吹き込み、優秀な頭脳と貴重な出会いを与えられました。そして3人を選び、人類の歴史に大きな足跡を残す重要な研究へと導かれたのです。3人の博士は、リチウム電池研究のコートに立ちました。世界中の人が息をのむ、素晴らしいプレーを見せてくれました。でもそのコートを準備し、3人をそこに呼び、ボールを投げ入れたお方がいたのです。宇宙の全てを造り、全ての人を背後から支える神です。

 世界を造った神のことばは、人となり、人間社会のコートに立たれました。ボールを投げ入れるだけでなく、一人のプレーヤーとして人類のゲームに参加されました。イエス・キリストは、世界の片隅のコートで神業のプレーを連発し、人類の歴史を大きく変えられました。このお方を信じる人は、人生が大きく変わります。人生のコートで大勝利する喜びを味わえます。2000年前にいた3人の博士は、キリストと出会い、この上ない喜びを体験しました。私たちも同じように心から喜び、「(気分は)最高です」と言うことができるのです。

「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。」(ヨハネ1:14)

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2019年12月 8日 (日)

神の奇跡を期待する

 先日、ある「奇跡」が話題に上りました。天皇が即位した日の天候です。10月22日、東京は昼過ぎまで大雨でした。ところが午後1時、ハイライトの儀式が始まる頃には雨が上がりました。青空が見え、虹がかかりました。皇居には光が差し込み、即位式の参加者から「おおっ」とどよめきが起こったそうです。静岡では、富士山の初冠雪も見えたとのこと。NHK中継の解説者は、「エンペラーウェザー」という言葉を口にしました。明治天皇の即位式も直前に晴れ、昭和天皇は晴れ男だったという話です。この話を聞いた人たちがツイッターでどんどんつぶやき、「エンペラーウェザー」はトレンドワードになりました。「すご」、「カッコ良すぎ」、「神スキル」等の反応です。天皇家の祖先とされるアマテラスは太陽神なので、アマテラスの超自然的な力が働いたと信じる人がいたのでしょう。その日「奇跡が起きた」と感じた人は、結構多かったようです。

 奇跡を信じる人は、21世紀の日本にもいます。NHK放送文化研究所では、1973年から5年ごとに日本人の意識調査を行っています。16歳以上の5,400人が対象です。昨年の調査では、奇跡を信じる人は14%。過去40数年、15%前後で推移しています。お守りやお札の力を信じる人の割合も、ほぼ同じ動きです。聖書や経典の教えを信じる人は6%で、減少傾向。ちなみに仏を信じる人は38%、神(神々?)を信じる人は31%、何も信じない人は32%とのこと。目に見えない存在やその力を信じる人は、意外と多いですね。

 面白いのは、年齢別のグラフです。最も奇跡を信じるのは、10代・20代の若年層。ここ数年減っていますが、それでも昨年29%です。30代から50代の中年層では19%。60代以上は6%。私も来年から、この6%クラブに仲間入りします。奇跡を信じる「残りの民」です。年老いても奇跡を信じる人には、希少価値がありますね。(笑)

 聖書は、奇跡のエピソードで満ちています。この世界は、奇跡により生み出されました。神のことばにより、全てが創造されたのです。人類も、奇跡により誕生しました。土をこねてできた塊に、神が命を吹き込まれたのです。ノアの家族は、奇跡的に洪水被害を免れました。天から防災情報を受け取り、箱舟を建造しました。100歳のアブラハムと90歳のサラには、奇跡的に赤ん坊が生まれました。神は、はるか昔になされた約束を忠実に果たして下さったのです。モーセは、奇跡的にユダヤ人をエジプトから解放しました。海を二つに分け、当時世界最強クラスのエジプト軍を全滅させました。ダビデも、奇跡的にイスラエルの王になりました。羊飼いの美少年は最強の戦士になり、時の権力者から命を狙われても最後まで生き残ったのです。これ以外にも、ユダヤ人たちは多くの奇跡を体験しました。神の奇跡の重要な記録を記し、聖なる書として後世に残したのです。(重要データは、決して削除しませんでした!)

 新約の時代にも、神はさらに驚くべき奇跡を行われました。全てを造られた神が、人として私たちの世界に来られたのです。乙女マリアから誕生されたイエス・キリストは、地上で多くの奇跡を行われました。最後に復活の奇跡を成し遂げ、天に昇られました。

 クリスマスは、創造主なる神が人として来られた奇跡を感謝し、お祝いする時です。神のさらなる奇跡を期待する時でもあります。人の力で成し遂げられることは限られています。でも神には、どんなことも可能です。(天候を変える奇跡も、アマテラスではなく、創造主なる神が行われます!)神の奇跡を信じましょう。これから起こる新たな奇跡にも期待しましょう。

「神にとって不可能なことは何もありません。」(ルカ1:37)

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