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2020年4月19日 (日)

天の導きに従う

 全世界は今、大きな危機に直面しています。どうしたらこの危機を突破できるかが今、問われています。危機突破について聖書からどんなことが学べるのか、何回かにわたり考えてみましょう。第1回目の今日は、「天の導き」についてです。

 先週の復活祭の前日、ある牧師がコロナウイルス感染症で天に召されました。ジェラルド・グレン牧師、66歳です。彼はその2週間以上前に体調を崩し、何度か病院に行きましたが、持病の症状だと言われました。ところが1週間以上経って新型コロナ陽性と判定され、その8日後に死亡。彼の家族は夫人と子供3人、義理の息子1人の計5人が感染しました。この悲しい時に一緒に集まれないのが、最も辛いという話でした。グレン牧師は元警察官で、25年前にバージニア州でペンテコステ系の教会を開拓。その地域の警察署で、黒人として初めてチャプレン(警察署付き牧師)になりました。牧師夫人は、亡き夫についてこう語っています。「愛と思いやりに満ちた、正しい人でした。人々をただ愛していました。主がそんな愛を与えて下さったのだと信じています。」

 グレン牧師は、礼拝の自粛はしませんでした。それが、神の導きだったかどうかは分かりません。彼は体調を崩す前、たくさん集まった人々の前でこう宣言しました。「私は刑務所か病院に入らない限り、メッセージを語り続ける。」州知事は外出自粛を要請し、参加者が10人を超える集会を控えるよう呼びかけていました。しかしグレン牧師は、最期の説教の中でこう語ったそうです。「神はこの非常に恐ろしいウイルスより大きなお方だと、私は固く信じています。」

 残念ながらグレン牧師は、地上でメッセージを語る働きを終えました。多くの人が訃報を聞き、涙しました。でもこの最悪の状況にも、良いことがいくつかありました。グレン牧師は、復活の主イエスから永遠のいのちを受け取っていたこと。時が来たら、家族や世界中のクリスチャンと再会できること。牧師の家族は、回復中であること。家族も復活の主を信じ、この困難を乗り切ろうとしていること。そして今回、グレン牧師が払った大きな犠牲により、全世界に暗黙のメッセージが発信されたこと。「今は教会も、むやみに集まる時ではない」というメッセージです。これこそ神の導きではないかと、私は感じています。同牧師の娘さんは、こう語っています。「この重大性と深刻さを人々が理解してくれるよう、ただ願っています。自分自身だけでなく、私たちの周りにいるすべての人に関わると言われているからです。」

 神は、さまざまな方法で私たちにメッセージを発信されます。自然界の奇跡的な営みを通し、創造主なる神はご自身の知恵と力を示しておられます。聖書のみことばを通し、神は全世界に対する永遠の計画を語っておられます。そしてイエス・キリストの十字架と復活を通し、神は全人類に対する深い愛と永遠のいのちの道を伝えておられます。私たちがどんな危機に直面しても、神の愛は決して変わりません。私たちが危機を突破する道を、神は備えておられます。

 信仰の父アブラハムは天の導きに従い、数々の危機を乗り越えました。私たちも同じようにして、危機を突破できるのです。今日はアブラハムの歩みを通し、私たちはどんな危機を突破できるのか考えてみましょう。

 第一に私たちは、変化の危機を突破できます(創世12:1)。神は、アブラハムに語りかけられました。「これまで慣れ親しんだ土地や人々、生活から離れなさい。見ず知らずの土地で新たな生活を始めなさい。」天の導きでした。それは、アブラハムの生活が大きく変わることを意味していました。彼はその時、75歳でした。今の感覚なら、たいていの人はその年齢になると、大きな変化は望まないかもしれません。年を取れば、多くの人は安定を求めます。今まで通り同じことをするなら、結果はだいたい予想がつきます。でも何かを変えると、結果の予想がつかなくなります。いきなり、危機に陥るリスクもあります。新型ウイルスの感染爆発で、多くの教会の働きがオンラインに切り替わりました。それがどんな結果になるのか、今は予想がつきません。世界中のクリスチャンは今、アブラハムのように先の見えない未来に向かっているのです。

 神は、アブラハムに約束を与えられました(創世12:2-3)。「アブラハムを祝福し、彼を通して世界中の人が祝福される」という約束です。もしこの素晴らしい約束を信じなかったら、アブラハムは生活を変えようと思わなかったかもしれません。いままでと同じで、それなりに安定した生活を続けたかもしれません。後世の人は、誰も彼の名を覚えていなかったかもしれません。でもアブラハムは、神の祝福の約束を信じました。そして未知の世界に一歩踏み出しました。祝福を全世界に届けるため、敢えて危険を冒しました。そして彼は、変化の危機を突破したのです。イエス・キリストを信じる人は、この祝福の約束を受け継いでいます。私たちは、周りの人に永遠のいのちの祝福を伝えることができます。天の導きに従い、私たちも今直面する変化の危機を突破できるのです。

 第二に私たちは、待機の危機を突破できます(創世15:3-4)。アブラハムとサラは長い間、子供ができることを待ち続けました。でも、80歳近くになっても与えられませんでした。アブラハムは、使用人に全財産を譲ろうと思っていました。でも神は、さらに待ちなさいと言われたのです。待つのは、辛いです。今は、多くの人がコロナ問題の終息を待っています。学校の再開を待っています。どこにでも自由に行き、自由に集まれる時を待っています。クリスチャンは思い切り賛美を歌い、交わりを楽しめる時を待っています。でも神は今、私たちに「待ちなさい」と言われているようです。アブラハムとサラは、待ちきれなくなりました。女奴隷ハガルにアブラハムの子を産ませました。それで問題が起きました。じっと待っていれば、もっと良いことが起きたのです。

 それは、神の偉大な奇跡でした(創世21:1-2)。年老いたサラが、アブラハムの子を産む奇跡です。そんな奇跡が起こるとは、誰も予想しませんでした。神の導きに従い、待っていれば、私たちも奇跡を体験できるかもしれません。思いも寄らない、素晴らしいことが起きるかもしれません。ただじっと待つ時は、なかなか良いことが起きるとは考えられません。外から悪いニュースばかり聞こえてきます。友人と会い、ストレス解消もできません。気分が落ち込みます。「コロナうつ」になりそうです。家族で一緒に過ごす時間が増え、イライラする人もいるようです。家庭内の虐待や「コロナ離婚」の恐れもあります。でも私たちは神の憐れみを信じ、この待ち時間の先にある神の祝福を期待することができます。天の導きに従い、待ち時間の危機を突破できるのです。

 第三に私たちは、犠牲の危機を突破できます(創世22:1-2)。神はアブラハムに、大きな犠牲を求めました。約束の子イサクを生け贄として献げなさいと言われたのです。これはアブラハムにとって、「天の導き講座」の卒業試験のようでした。彼がそれまで学んだことを十分に活かせば、合格点をとれる試験でした。世界中で今、同じような試験が行われています。天に導かれ、多くの人が犠牲を払っています。医療関係者。福祉施設や保育園で働く人。警察官や消防署員、自衛官。政府や自治体、マスコミの人。その他、やむを得ず電車通勤する人。あるいは休む人。多くのクリスチャンは、一カ所に集まることを犠牲にしています。一日中パソコンの前に座り、オンラインで祈り、他の人を励ます人もいます。多くの人が今、「天の導き講座」の試験中なのです。

 試験に合格したアブラハムには、神が2つの素晴らしいプレゼントを用意されていました(創世22:15-18)。1つは、イサクの身代わりとなる雄羊。この雄羊は、全人類の身代わりとなったイエス様の象徴でした。もう1つのプレゼントは、アブラハムの「子孫」による祝福の約束です。この子孫というのも、イエス様のことです。イエス・キリストを信じる人は、誰でもこの祝福を受けられます。私たちは今、この素晴らしい知らせを全世界に伝える使命を担っています。イエス様は私たちを愛し、大きな犠牲を払って下さいました。今度は、私たちが愛をもって犠牲を払う番です。救い主イエスを信じる人は、聖霊の助けを得て、「天の導き講座」の試験に合格できます。大きな犠牲を伴う危機も突破できるのです。

 神が私たちを導き、危機を突破させて下さることを感謝しましょう。私たちは天の導きに従い、今直面しているこの危機を突破していきましょう。

「主はアブラムに言われた。『あなたは、あなたの土地、あなたの親族、あなたの父の家を離れて、わたしが示す地へ行きなさい。』」(創世記12:1)

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