祈りの輪を共有する
今年、日本ではアマビエという妖怪が大ブレーク中です。江戸時代末期に、熊本の海に現れた妖怪だと言われています。当時の瓦版によると、長髪の人魚のような姿で、鳥のようなクチバシがついています。体には魚のようなウロコがあり、3本足で立っています。「病気が流行したら、自分の姿を写して人々に見せなさい」とアマビエは言い、海の中に消えたそうです。
TVアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」でも、13年前に登場したとのこと。「昔は大名やお姫様にちやほやされたのに、最近は知る人もいなくなった妖怪」というキャラクターだったそうです。
今回のアマビエの「リバイバル」は、ツイッターが発端でした。「大蛇堂(おろちどう)」という妖怪掛軸専門店が、2月末にアマビエ紹介のツイートをしたのです。新型コロナ感染拡大にふれ、「妖怪絵描きのみなさんには、今こそアマビエの絵をあげてほしい」と訴えました。すると多くの人が感染終息を祈願し、続々とネット上にアマビエを投稿しました。イラストやグッズ、お菓子、コスプレ等さまざまです。お寺や神社でも、アマビエのお守りやお札、絵馬等の販売が開始。小中学校でもアマビエの絵が描かれ、政府もこの妖怪のイラストをホームページやアプリで使い出しました。多くの人が、この妖怪に疫病退散を期待しているようです。
妖怪は、「人間の理解を超えた不思議な力を持つ、超自然的な存在」と言われています。八百万の神々の一種と考えられます。最新の科学にも期待しつつ、同時に「苦しい時の神頼み」をする人が、日本には多いのでしょう。
これまで何度も語ったことと重なりますが、聖書の大きなテーマの一つは、「どの神に頼るべきなのか」です。――八百万の神々なのか、それ以外の神なのか――。古代メソポタミアにも、たくさんの神々がいました。アブラハムは、その文化の中から外に呼び出されました。あらゆる神々に勝る「いと高き神」の存在を、全世界に伝えるためでした。古代エジプトにも、たくさんの神々が祀られていました。ユダヤ人たちは、その国の外に呼び出されました。「いと高き神」は、当時の超大国エジプトの神々にはるかに勝ることをその時、自ら証明されました。
「いと高き神」が約束した通り、ユダヤ人はカナンの地に戻りました。そしてソロモン王の時代、イスラエルは絶頂期を迎え、平和と繁栄を手にしました。エルサレムに神殿が完成すると、大勢の人が集まりました。この集まりも、ヘブル語で「カハール」です。ソロモンが神殿で祈った時、人々はその祈りに心を合わせました。ユダヤ人たちは「いと高き神」に頼り、その祈りの輪に加わったのです。
イエス・キリストは、八百万の神々の文化から私たちを呼び出し、解放して下さいました。「いと高き神」こそが、はるかに頼りになることを教えておられます。全知全能のこの神は、あらゆる病を癒し、パンデミックを終息させる力があります。信じる人に、よみがえりのいのちを授けて下さいます。そして私たちを深く愛し、私たちの祈りをよく聴いておられます。天の王なるイエス様は、私たちのために絶えず祈っておられます。私たちは、その最強の祈りの輪を共有することができるのです。
「ソロモンはイスラエルの全会衆の前で、主の祭壇の前に立ち、天に向かって両手を伸べ広げて、こう言った。『イスラエルの神、主よ。上は天、下は地にも、あなたのような神はほかにありません。・・・』」(Ⅰ列王8:22-23)
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