オーガニックな関係を共有する
コロナ禍にあっても、健闘している企業があります。今治タオルのメーカー、IKEUCHI ORGANICも、その一つです。同社は、1953年に「池内タオル工場」という名前で創業しました。2014年には原材料のコットンを100%オーガニックにし、現在の社名に変更したそうです。コロナの影響で企業向けの売上は落ち込みましたが、ネット販売は増加しました。ステイホームで、ネット購入のニーズが増えたようです。Zoomでオンライン接客を始めると、利用者の約8割が新規の顧客で、そのうち実際に買う人は9割を超えました。店舗の売上も、前年より増加したそうです。
社名に「ORGANIC」とつけたのは、原材料以外の意味もあるそうです。コットンの生産者、IKEUCHIのスタッフ、そして顧客との間に「本来あるべき関係を築く」という意味とのこと。「本来あるべき関係」は、コロナ禍にも動じないのかもしれません。
「オーガニック」という言葉は、「有機的」と訳されます。多くの場合、農薬や化学肥料を使わずに作った食品を意味します。同じような方法で作った綿花は、オーガニックコットンと呼ばれます。最近は、オーガニックを謳い文句にする化粧品もあるようです。千葉県木更津市は、なんと4年前から「オーガニックなまちづくり」に取り組んでいます。人と自然が調和した、持続可能な「オーガニックシティ」を目指すそうです。同市のホームページでは、オーガニックという言葉の意味をこう説明しています。「『オーガニック』は、・・・人間の体のように、一つ一つの細胞がつながりあって、バランス良く連携・補完しあい、全体を形成している様子を意味します。」
実は「オーガニック」とは、人間や他の生き物の体の仕組みを表す言葉です。一つ一つの部分が全体と密接につながり、調和する仕組みです。この「本来あるべき関係」を保つ食品等も、オーガニックと呼ばれるのでしょう。
エデンの園は、オーガニックな世界でした。もちろん、農薬も化学肥料もありません。人と自然が調和した、持続可能な「オーガニックガーデン」でした。神に創造されたものの全てに、完全な調和がありました。互いの関係に完璧なバランスがあり、全てが創造主なる神と密接につながっていました。
この美しい調和とバランスを破壊したのは、サタンと人間です。サタンの誘惑に負け、アダムとエバはオーガニックを破壊する木の実を食べたのです。エデンの園は調和を失い、持続可能でなくなりました。創造主と被造物との密接な関係も壊れました。でも全知全能の神は、その事態をあらかじめ想定しておられました。その後、長い年月をかけ、オーガニックな世界を再建するプロジェクトを進められられたのです。
イエス・キリストは、このプロジェクトを完成させるため、調和を欠く世界に来られました。イエス様を信じる人は、創造主なる神との関係が回復します。聖霊の助けにより、神との密接なつながりを持てます。イエス様に呼び出された人の集まり=教会には、壊れた人間関係の回復も与えられます。教会は、「キリストのからだ」と呼ばれます。一人ひとりが体の一部のように互いに組み合わされ、支え合い、集まり全体につながるのです。
世界中には、さまざまなキリストの集まりがあります。小さな集まりや大きな集まり。静かな集まりや賑やかな集まり。気楽な集まりや秩序だった集まり。今はオンラインの集まりもあります。イエス様につながる人は皆、オーガニックな関係を共有します。オーガニックな世界はまだ再建途中ですが、いつか完成する日が来ます。私たちは、その日を楽しみに「本来あるべき関係」を築くことができるのです。
「あなたがたはキリストのからだであって、一人ひとりはその部分です。」(Ⅰコリント12:27)
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