« 2020年10月 | トップページ | 2020年12月 »

2020年11月

2020年11月29日 (日)

神の奇跡に希望を抱く

 クリスマスは、奇跡に期待が膨らむシーズンの一つです。救い主誕生の奇跡を祝う時だからです。ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスは、その奇跡について何も知らなかったはずです。彼は広大な領土を治め、絶大な権力を手にし、神とあがめられました。でも、その偉大な皇帝の想像を遙かに超える驚くべき奇跡が、帝国の片隅で始まりつつあったのです。

 それは、こんな奇跡でした。――聖霊の働きにより乙女が身ごもり、創造主なる神が被造物である人となったこと。飼葉桶に寝かされたユダヤ人大工の子が、後にローマ帝国全体を大きく変えること。アウグストゥス自身が出した勅令のため、その子はベツレヘムに誕生し、何百年も前の預言を成就したこと。その子は後にローマ軍に処刑されるのに、軍の中にも彼を「神の子」と信じる人々が現れること。ローマは多くの神々を信じる文化なのに、彼を唯一の神と信じる人が、帝国中に増え広がること。そして、ついには後のローマ皇帝も信者となり、帝国全体がそのユダヤ人だけを神とあがめるようになること――。ベツレヘムに生まれたその大工の子は、世界中に奇跡を起こす赤ん坊だったのです。

 クリスマスがその子の誕生祝いとなったのも、それらの奇跡の結果でした。ローマではその昔、太陽を神々の一人として祀っていました。日本のアマテラスのようです。紀元274年には当時のローマ皇帝が、太陽の神の誕生日を12月25日に定めたそうです。その日は、太陽の神を拝む特別な日になりました。クリスチャンは偶像を拝まないので、長い間、ローマ帝国内で迫害されました。

 流れが変わったのは、皇帝コンスタンティヌス1世が、奇跡的にイエス・キリストを信じてからです。彼はキリストを信じる自由を保障し、その後の皇帝たちもその信仰を受け継ぎました。すると紀元350年頃、時のローマ教皇は12月25日をキリストの公式な誕生日と定めたそうです。聖書にないキリストの誕生日をその日に決めたのは、太陽の神を拝む多くの人に伝道するためだったとも言われます。

 ローマの偶像を拝む日が、キリスト誕生を祝う日に変わったのは、奇跡的な変化でした。クリスマスの季節が来るたび、私たちはローマ帝国で起きた数々の奇跡を思い起こし、神をほめたたえることができます。

 天地創造の神は、奇跡を起こす神です。天地創造自体が、驚くべき奇跡です。地球環境は、奇跡的なバランスによって今も持続しています。一つ一つの命が生まれ、何十年も生きるのも奇跡的です。

 人類の歴史の中にも、神は数多くの奇跡を成し遂げられました。一人の人から、あらゆる人種や民族が子孫として誕生しました。世界的な大洪水の時は、一家族だけが奇跡的に箱舟で生き延びました。エジプトで奴隷となったアブラハムの子孫は、奇跡的に解放されました。彼らは奇跡的に荒野で生き延び、奇跡的にカナンの地で新たな国を造りました。後にその国は滅び、ユダヤ人は外国に連れ去られますが、彼らは奇跡的に再び祖国の土を踏みました。そして彼らは、さらなる神の奇跡を待ち望んだのです。神の約束通りメシア=油注がれた王が現れ、彼らの国が再建される奇跡です。

 ベツレヘムに生まれた赤ん坊は、その約束の王でした。多くの預言者が、その子が成し遂げる奇跡について預言していました。――その子の誕生の奇跡について。その子が全世界を治め、永遠の国の王となる奇跡について。ユダヤ人もローマ人もその他の国の人々も、その王の御前にひれ伏すようになる奇跡について。その王が弱い人、貧しい人のため、正義のさばきを下す奇跡について――。クリスマスの季節、私たちは神の御子のさまざまな奇跡を思い、新たな奇跡に希望を抱くことができるのです。

「神にとって不可能なことは何もありません。」(ルカ1:37)

| | コメント (0)

2020年11月15日 (日)

永遠の希望を共有する

 今週金曜日、アニメ映画「STAND BY ME ドラえもん2」が公開になるそうです。ドラえもん50周年記念作品です。コロナの影響で、8月公開の予定が11月になったとのこと。ドラえもんの3DCGアニメとしては、6年ぶりです。今回のストーリーは、主人公のび太がタイムマシンで過去に行き、おばあちゃんと再会します。おばあちゃんが「のび太のお嫁さんを見たい」と言うと、今度は彼の結婚式を見に未来へ。ところが新郎のび太がいなくなり、たいへんだ~!という話です。実に慌ただしいタイムトラベルですね。

 映画公開に合わせ、前回の作品「STAND BY ME ドラえもん」も、今週テレビ放映されます。前回の映画では、ドラえもんとのび太の出会いが描かれているそうです。タイムマシンを使い、22世紀の猫型ロボットをのび太の時代に送ったのは、彼の孫の孫・セワシでした。のび太が大人になって莫大な借金をつくり、子孫は困っていたからです。ドラえもんをお世話係として遣わし、先祖のび太の人生を変えようと、セワシは考えました。

 セワシの思惑通り、のび太は生き方が変わり、見違えるように明るくなります。将来の結婚相手も変わります。結婚相手が変わると、セワシは生まれないはずですね。でもなぜかセワシは、「心配はいらない」と言っているそうです。(映画の中かどうかは知りません。笑)未来の世界から過去の世界を変えようとしたセワシの計画は、見事に成功しました。未来から遣わされたドラえもんは、のび太の現在と未来を一変させたのです。

 聖書が伝える神の計画も、これと似た部分があります。創造主なる神は、私たちが住む世界とは全く別の世界から、私たちの世界を変えようとされました。神は無限の存在であり、永遠の世界におられます。時間の縛りのない世界です。

 この無限の神が有限の世界、私たちが住む世界を造られました。私たちの世界には、時間の縛りがあります。太陽の動きに合わせ、私たちは日々生活しています。1日1日の労苦があります。80年前後生きる人生があります。百年、千年単位で変化する時代もあります。私たちの目から見れば、それぞれ時間の長さがあり、貴重なひとときです。でも永遠の世界から見れば、この世界は一瞬に過ぎません。1日も百年も千年も、あっと言う間です。

 神は、永遠の世界から私たちの一瞬の世界を、愛をもって熱く見つめておられます。そして、この世界を永遠に変える計画を、神は進められておられるのです。

 イエス・キリストは、私たちの一瞬の世界を変えるため、神の永遠の世界から来られました。無限の存在である神が、有限の存在である人となり、私たちが永遠の世界で神とともに生きる道を開いて下さったのです。イエス・キリストを信じる人は、未来が大きく変わります。一瞬の世界が過ぎ去った後、私たちは永遠の世界の限りない祝福の中に入ります。王様のような暮らしです。

 未来が変わると、私たちの現在の生き方も変わります。永遠の希望をもって、今の貴重な瞬間を大切に生きることができます。永遠の世界から遣わされたイエス様は、私たちにとって最高の羊飼い=お世話係になっておられます。いつでもどこでも、いつまでも私たちとともにいて下さいます。私たちはこの限りない希望を喜び、感謝し、周りの人とも共有できるのです。

「もはや夜がない。神である主が彼らを照らされるので、ともしびの光も太陽の光もいらない。彼らは世々限りなく王として治める。」(黙示録22:5)

| | コメント (0)

2020年11月 8日 (日)

弟子づくりのミッションを共有する

 料理レシピ投稿・検索サービスの「クックパッド」は、先月からアプリに買い物機能が追加されたそうです。ユーザーはこのアプリを使い、送料無料で商品を1品から注文できるとのこと。レシピページの材料欄に買い物可能な商品が表示され、注文すると宅配ボックス「マートステーション」に配達されます。このボックスは、東京・神奈川のコンビニや駅等に約200カ所ありますが、コロナの影響で、1万戸を超えるマンションにも設置されたそうです。ユーザーは献立の決定と買い物を一緒に済ませ、珍しい食材も購入できる利点があります。利用者の9割以上は、家のすぐ近くで注文品を受け取れる便利さに満足しているそうです。

 クックパッドは、料理レシピをシェアするネットワークサービスとして1998年に始まりました。2013年には、プレミアムサービス会員が100万人を突破。翌年から、本格的に海外展開を開始。昨年末の売上高は117億円以上、現在の投稿レシピ数は341万品以上、日本の月間利用者は約7,400万人だそうです。

 同社が掲げるミッションは、「毎日の料理を楽しみにする」とのこと。全てのサービスは、このミッション達成のために行っているそうです。クックパッドは、次のように言っています。「料理は健康なからだをつくり、豊かな社会をつくり、地球のこれからをつくる。だからこそ、私たちは料理のつくり手を増やしたい。」クックパッドのミッションは、「オンラインによる弟子づくり」と言えます。「毎日の料理を楽しみにする」人を増やそうとしているのです。

 「ミッション」という言葉は、日本語では「任務、使命」等と訳されます。もともとはラテン語の「mittere(送る)」という単語が語源で、教会の福音宣教を意味しました。今は、もっと広い意味で使われます。軍事作戦や宇宙開発、ビジネスや教育等の分野です。スパイの活躍を描いた「ミッション:インポッシブル」という映画もありますね。いずれの場合も「ミッション」とは、どこかに遣わされ、果たすべき重要な使命という意味になります。

 旧約の時代、エジプトを脱出したユダヤ人たちのミッションは、約束の地に向かい、神の教えを守り続けることでした。日々の生活を通し、子供たちに神のことばを教え込むことが、親たちの使命になりました。彼らのミッションは、家庭中心の弟子づくりだったのです。

 新約の時代になり、イエス・キリストの弟子たちには、新たなミッションが与えられました。血筋を超えた弟子づくりです。イエス様を信じる人は、血縁を超え、誰でも天の王族に加わります。エクレシア=教会の使命は、新たに王族となる人を見出し、守るべき教えを伝えることです。

 弟子づくりは、「毎日のみことばを楽しみにする」ミッションと言えます。私たちは、日々の生活の中でみことばを学び、楽しむことができます。家族の密な語らいもオンラインのつながりも活かせます。みことばを表示・検索できるアプリや、朗読してくれるアプリもあります。神のみことばは、私たちの心と体を健やかにします。社会に豊かさをもたらし、地球のこれからをつくります。「毎日のみことばを楽しみにする」人を増やす、素晴らしいミッションを私たちは今、共有しているのです。

「ですから、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。父、子、聖霊の名において彼らにバプテスマを授け、わたしがあなたがたに命じておいた、すべてのことを守るように教えなさい。・・・」(マタイ28:19-20)

| | コメント (0)

2020年11月 1日 (日)

王族の特権を共有する

 コロナの影響で延期された立皇嗣の礼は、来週行われるそうです。秋篠宮親王が次の天皇だと宣言する儀式です。楽しみにする人がいる一方、反対もあるようです。法的根拠があいまいなのに、国会審議なしで実施されるからだそうです。あくまでも男性を天皇とし続ける動きのようにも見えます。ただ国民の中には、女性天皇への期待感もあります。ある調査によると、85%の人が女性天皇支持とのこと。「日本国の象徴」としてふさわしい方なら性別は関係ないように、私も個人的には思います。天皇の地位は「国民の総意に基づく」はずなので、今後さらにしっかり議論を重ねてほしいですね。

 「象徴」という天皇の地位も、実は法的位置づけがあいまいなように感じます。英国の女王は、名目上、国の元首で主権者だそうです。軍の最高指揮官で、かつ英国国教会のトップでもあります。世界最高レベルの大富豪でもあり、自由にお金を使えるそうです。(宮殿には女王専用のATMもあるとのこと。)

 ところが日本の天皇は、名目上も国の元首でなく、主権もありません。自衛隊の最高指揮官や神社本庁のトップでもありません。国に全財産を管理され、国から生活費が支給される終身制の国家公務員のような立場です。経済的安定がある反面、権限や自由はほとんどなさそうです。日本の天皇は、英国女王より地位が低いと言う人もいるとのこと。特権的というより奴隷的な境遇にも見え、個人的にはたいへんお気の毒な思いがします。「日本国の象徴」とそのご家族が、「奴隷的拘束」からいつか解放されることをお祈りしています。

 古代イスラエルでは紀元前1000年頃、ダビデが国王になりました。国の最高指導者として、あらゆる特権を手にしました。主権者として、国の方針を決める特権。軍の最高指揮官として、命令を下す特権。霊的なトップリーダーとして、礼拝のあり方を定める特権。神殿建設のような国家的プロジェクトを立案し、計画推進を命じる特権。国家予算をふんだんに使い、立派な王宮を建てる特権。ダビデの子孫が代々イスラエル国王になる特権も、神から与えられました。(古代イスラエルの王家と「万世一系」と言われる天皇家は、少し似た部分があります。)しかし残念ながらダビデの子孫たちは、それらの特権を捨て去る生き方を選びました。創造主から頂いた特権的立場を失い、偶像の奴隷的拘束に苦しむようになったのです。

 イエス・キリストは、ダビデの子孫としてこの世に来られました。イスラエル王家の特権を、全く新たな形で回復するためです。イエス様は今、天の御国の王としてあらゆる特権を手にしておられます。天の御国の元首、主権者として御国の方針を定める特権。天の軍勢の最高指揮官として、霊的戦いを指導する特権。全世界のエクレシア=クリスチャンの集まりのトップとして、人々の生き方を導く特権。全宇宙のオーナーとして、あらゆる資源を自由に活用する特権・・・。

 イエス・キリストを信じる人は、誰でも天の王の家族となり、王族の特権を授かります。例えば、王なるイエス様といつまでも一緒にいて、自由にお話できる特権。イエス様に導かれ、天の御国の愛を周りの人と分かち合う特権・・・等々。私たちは偶像による「奴隷的拘束」から解放され、特権的地位に置かれています。天の王族の素晴らしい特権を共有しているのです。

「しかし、あなたがたは選ばれた種族、王である祭司、聖なる国民、神のものとされた民です。・・・」(Ⅰペテロ2:9)



| | コメント (0)

« 2020年10月 | トップページ | 2020年12月 »