救いの神をほめたたえる
今年は、コロナに終始した1年でした。昨年の大晦日、中国の武漢市で「肺炎の集団感染」が報告されました。すると年明けの1月9日に新型コロナウィルスが検出され、その2週間後、武漢市は封鎖されました。その後、ウィルスは全世界に広がり、今日までに世界の感染者は8,000万人以上、死者は176万人以上となっています。通常のインフルエンザでも年間50~150万人の死者が出るようですが、それを超えるパンデミック=世界的大流行の様相です。
感染対策が成功した国もいくつかあるようですが、多くの国は悪戦苦闘しており、日本もその一つです。冬が近づくとともに第3波の感染が広がり、とうとう先週、医療関係9団体が医療の緊急事態宣言を出しました。経済的にも多くの人が苦境に立たされていますが、政府には有効な救済策がなさそうです。GoToトラベルキャンペーンは全国一斉に停止されましたが、判断の遅さと総理の行動が問題視され、政権支持率は下がっています。先日指摘したように、自殺者も増えています。
各国で開発が進むワクチンは、強いアレルギー反応も報告され、安心して摂取できるまで暫くかかりそうです。多くの人が楽しみにしていた東京オリンピックは、「中止すべき」と考える人が32%に増え、「開催すべき」と言う人の割合27%を上回りました。「さらに延期すべき」と考える人と合わせると、62%の人が来年の開催に否定的だそうです。社会の動向を見る限り、今は明るい材料が見当たりません。コロナ禍からの救いは、どこにあるのでしょうか。
もちろん救いは、天地を造られた神から来ます。苦境にある人がどう救われるのか、神は古代イスラエルの歴史を用い、示して来られました。奴隷にされ、虐待されたユダヤ人を、神は解放されました。荒野を旅した彼らを、野垂れ死にから救われました。相続地を用意し、居場所のない生活から彼らを救われました。敵の攻撃からも、彼らは何度も救われました。国が滅んだ後も、神はユダヤ人に希望と励ましを与え、絶望の淵から救い出されました。いつか救い主を遣わし、彼らの国を再建すると、神は約束されたのです。
イエス様は、その約束のメシアです。嬉しいことにイエス様は、ユダヤ人だけでなく全世界の人をあらゆる苦境から救い出し、永遠の祝福の御国に導き入れて下さいます。コロナ禍の世界からも、私たちを救って下さるのです。
旧約聖書の詩篇は、キリスト到来の数百年前、ユダヤ人が捕囚となり、メシア到来を待ち望んでいた頃に編纂されました。彼らは詩篇のことばに思いを重ね、神の救いを祈りました。辛さや悲しさ等、率直な思いを神に伝えました。自らの思いを打ち明けると、彼らの心は変えられました。辛い、悲しい思いを、神が癒して下さったのです。そんな癒しの体験を通し、ユダヤ人たちは神の豊かな恵みや慈しみを知りました。そして、彼らは神を賛美したのです。
詩篇は、そのような祈りのサンプルが収められた祈りの教科書です。私たちも詩篇を通し、どう祈ったら良いかを学ぶことができます。辛さや悲しさを全て神に打ち明け、心が癒される体験をすることができます。そのプロセスを通し、私たちは救い主の深い愛にふれ、感謝や賛美へと導かれます。コロナ禍が続くこの年末年始は、まさに詩篇のことばに思いを重ねる祈りにふさわしい時かもしれません。
「わがたましいよ なぜ おまえはうなだれているのか。なぜ 私のうちで思い乱れているのか。神を待ち望め。私はなおも神をほめたたえる。私の救い 私の神を。」(詩篇43:5)
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