« 2020年11月 | トップページ | 2021年1月 »

2020年12月

2020年12月27日 (日)

救いの神をほめたたえる

 今年は、コロナに終始した1年でした。昨年の大晦日、中国の武漢市で「肺炎の集団感染」が報告されました。すると年明けの1月9日に新型コロナウィルスが検出され、その2週間後、武漢市は封鎖されました。その後、ウィルスは全世界に広がり、今日までに世界の感染者は8,000万人以上、死者は176万人以上となっています。通常のインフルエンザでも年間50~150万人の死者が出るようですが、それを超えるパンデミック=世界的大流行の様相です。

 感染対策が成功した国もいくつかあるようですが、多くの国は悪戦苦闘しており、日本もその一つです。冬が近づくとともに第3波の感染が広がり、とうとう先週、医療関係9団体が医療の緊急事態宣言を出しました。経済的にも多くの人が苦境に立たされていますが、政府には有効な救済策がなさそうです。GoToトラベルキャンペーンは全国一斉に停止されましたが、判断の遅さと総理の行動が問題視され、政権支持率は下がっています。先日指摘したように、自殺者も増えています。

 各国で開発が進むワクチンは、強いアレルギー反応も報告され、安心して摂取できるまで暫くかかりそうです。多くの人が楽しみにしていた東京オリンピックは、「中止すべき」と考える人が32%に増え、「開催すべき」と言う人の割合27%を上回りました。「さらに延期すべき」と考える人と合わせると、62%の人が来年の開催に否定的だそうです。社会の動向を見る限り、今は明るい材料が見当たりません。コロナ禍からの救いは、どこにあるのでしょうか。

 もちろん救いは、天地を造られた神から来ます。苦境にある人がどう救われるのか、神は古代イスラエルの歴史を用い、示して来られました。奴隷にされ、虐待されたユダヤ人を、神は解放されました。荒野を旅した彼らを、野垂れ死にから救われました。相続地を用意し、居場所のない生活から彼らを救われました。敵の攻撃からも、彼らは何度も救われました。国が滅んだ後も、神はユダヤ人に希望と励ましを与え、絶望の淵から救い出されました。いつか救い主を遣わし、彼らの国を再建すると、神は約束されたのです。

 イエス様は、その約束のメシアです。嬉しいことにイエス様は、ユダヤ人だけでなく全世界の人をあらゆる苦境から救い出し、永遠の祝福の御国に導き入れて下さいます。コロナ禍の世界からも、私たちを救って下さるのです。

 旧約聖書の詩篇は、キリスト到来の数百年前、ユダヤ人が捕囚となり、メシア到来を待ち望んでいた頃に編纂されました。彼らは詩篇のことばに思いを重ね、神の救いを祈りました。辛さや悲しさ等、率直な思いを神に伝えました。自らの思いを打ち明けると、彼らの心は変えられました。辛い、悲しい思いを、神が癒して下さったのです。そんな癒しの体験を通し、ユダヤ人たちは神の豊かな恵みや慈しみを知りました。そして、彼らは神を賛美したのです。

 詩篇は、そのような祈りのサンプルが収められた祈りの教科書です。私たちも詩篇を通し、どう祈ったら良いかを学ぶことができます。辛さや悲しさを全て神に打ち明け、心が癒される体験をすることができます。そのプロセスを通し、私たちは救い主の深い愛にふれ、感謝や賛美へと導かれます。コロナ禍が続くこの年末年始は、まさに詩篇のことばに思いを重ねる祈りにふさわしい時かもしれません。

「わがたましいよ なぜ おまえはうなだれているのか。なぜ 私のうちで思い乱れているのか。神を待ち望め。私はなおも神をほめたたえる。私の救い 私の神を。」(詩篇43:5)

| | コメント (0)

2020年12月20日 (日)

神のことばの栄光をたたえる

 先月グランドオープンした「ところざわサクラタウン」には今、イルミネーションが輝いているそうです。「冬花見」という、サクラをモチーフにしたツリーの演出が中心です。「密」の状態を避けながら楽しむ、コロナ禍に配慮した展示とのこと。施設中央付近にはツリーがあり、台座にケロロ軍曹が描かれているそうです。その奥にある神社の鳥居も、明るくライトアップされています。写真を見ると、クリスマスの光が神社の暗がりをも照らしているかのような印象を受けます。

 ところざわサクラタウンは、KADOKAWAグループが東所沢に作った複合施設です。所沢市とKADOKAWAが共同で進める、文化と自然の共生を目指す地域づくりの中心です。国内最大級のポップカルチャーの発信拠点となるそうです。施設にあるのは、KADOKAWAのオフィスや書籍工場、書店やレストラン、イベントホールやホテル等。ひときわ目を引く巨大な岩のようなミュージアムは、隈研吾さんが国立競技場と同じ時期にデザインしたそうです。

 向かい側の神社も、隈さんの設計です。うるわしく輝く日本文化が永久に継続発展することを祈る場だそうです。祀られた神々は、アマテラスとその弟スサノオ。両方の神々を合わせて「言霊大神(ことだまのおおかみ)」と、この神社では呼んでいます。それは、さまざまな文化活動を通して発信される情報、コンテンツに宿り、力をあらわす神々とのこと。所沢の新たな地域づくりの中心に「言霊の神社」があるのは、残念な思いがします。でもその場所にさえイルミネーションが輝き、キリストの光が差し込みつつあるようにも思えます。

 言霊とは、言葉に宿る霊的な力とされています。現実の出来事に影響を及ぼす力です。日本は、言霊が幸いをもたらす国だと言われました。古事記には、言霊の神が人の姿で現れたという話もあるそうです。

 それらの信仰は、聖書の教えと重なる部分があります。聖書は、創造主なる神のことばにより世界が造られたと記しています。神のことばには霊的な力があり、世界の歴史にその影響を与えて来ました。

 神のことばにより、アダムとエバには罪が宣告され、エデンから追放されました。神のことばにより大洪水が起き、ノアの家族だけが救われました。神のことばによりバベルの塔が壊され、人々は世界中に散らされました。そして神のことばにより、アブラハムの子孫には全世界の祝福の管となる約束が与えられました。

 神の御霊が宿る預言者たちは神のことばを語り、それらはその通り実現しました。日本の国の人々が言霊を信じる遙か以前に、古代イスラエルの人々は神のことばとその御霊による驚くべき力を体験していたのです。

 その神のことばが人になったと、ヨハネ福音書は伝えます。イエス・キリストは、創造主なる神のことばです。アダムとエバ以来、壊れていた神と人との平和をイエス様は回復しに来られました。

 神の御霊が宿るイエス様のみことばは、全て実現します。そのみことばを信じる人は神の子供とされ、心の内に神の御霊が宿り、うるわしく輝く人生を生きることができます。信じる人は、永遠に平和な国――「とこしえの和の国」に迎えられ、その文化の広がりを祈る神殿とされています。創造主なる神の宮、神の社(やしろ)です。

 私たち一人ひとりは、全世界に広がる永遠の御国づくりのために用いられます。この御国づくりを実現する神のことばの栄光を、私たちはたたえることができるのです。

「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた。」(ヨハネ1:14)

| | コメント (0)

2020年12月13日 (日)

約束のメシアと和を結ぶ

 コロナ禍により、日本全国で自殺者が増えているようです。自殺者数は2003年の約3万4千人がピークで、その後は年々減り続けていました。過去10年間は急激に減少し、昨年は約2万人にまで減ったそうです。ところが今年は緊急事態宣言が解除された後、7月以降に自殺者が増え始めました。10月は2,153人となり、5年前の水準に戻ったそうです。10月に自殺した人は、1月からの10ヶ月間にコロナで亡くなった人より、383人も多かったとのこと。

 特に、女性の自殺者が急増しました。10月の男性自殺者は昨年より21.3%増えたのに対し、女性は82.6%増加したそうです。コロナ禍で経済が落ち込み、女性の貧困が極まっていることが、大きな要因と見られています。

 海外では、「コロナうつ」が増えているとも聞きます。フランスでは9月末から11月初め、うつ状態にある人が2倍に増えたそうです。特に若者や経済的に困っている人に多いとのこと。夜間外出禁止やロックダウンがあり、孤独感や将来への不安を抱える人が増えている模様です。

 フランスの学校では9月の年度初めに毎年、自殺未遂が増加しますが、今年は特に多いようです。自殺未遂で搬送される15歳以下の子が、昨年の2倍に増えた病院もあるとのこと。度重なる外出制限によるストレスや、ウイルスへの恐怖等が原因と見られています。

 日本でも、新年度や新学期の頃に自殺が増えると言われます。15~39歳の日本人は、死因のトップが自殺です。

 今は世界中で、多くの人が助けを必要としているように見えます。本当の助けはどこから来るのか、私たちは知る必要があります。それは、天と地を造られた神から来るのです。

 イエス・キリストが生まれた頃にも、うつになり、自殺未遂をした人がいました。ヘロデ大王が、その一人です。彼はたいへんなやり手で、権力とお金を手にしました。ローマ初代皇帝アウグストゥスにも認められ、ユダヤの王に任命されました。

 ヘロデはユダヤ教に改宗したエドム人の家系で、ダビデ王朝の血筋ではありませんでした。律法の教えも守りませんでした。ユダヤ人たちの支持を得るため、彼はエルサレムの神殿を大幅にリフォームし、壮大な建物にしました。ただ神殿の外側には、ローマ帝国の象徴である金の鷲を設置したそうです。さらにヘロデは自分が王位を奪った旧王家の美しい娘と結婚し、子供も生まれました。でも後に自分の王位を脅かしそうな子供たちを殺し、妻もその親族も殺害しました。

 晩年は皇帝の信頼も失い、病気で体調を崩し、うつと被害妄想、孤独感に苦しんだようです。彼も、創造主なる神の助けを必要としていました。でも残念ながら彼は、最期まで神に助けを求めなかったようです。

 イエス・キリストは、全ての人を助けるため、私たちの世界に来られました。イエス様は、旧約の時代から預言されていた約束のメシア、救い主です。

 ヘロデ大王はメシア誕生の知らせを聞いても、神の助けを願うどころか、また邪魔者が現れたとしか考えませんでした。でも一方、はるばる遠くから、その幼子の下に馳せ参じた人たちがいました。東方の博士たちです。彼らは誰だったのか、詳しいことは分かっていません。ユダヤ人以外の人々、全世界の異邦人を代表して、メシア誕生のお祝いに来たとも考えられます。創造主に助けを求めるため、博士たちはメシアと和を結びに来ました。

 救い主と和を結ぶ人は、どんなに厳しい状況下でも、神の助けに希望を抱くことができます。コロナ禍の困難やうつ状態を克服することもできるのです。

「その星を見て、彼らはこの上もなく喜んだ。それから家に入り、母マリアとともにいる幼子を見、ひれ伏して礼拝した。そして宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。」(マタイ2:10-11)

| | コメント (0)

2020年12月 6日 (日)

「平和の君」の栄光をたたえる

 クリスマスが近づくと、例年はNHKの大河ドラマが大詰めを迎えます。たいていは、クリスマスストーリーとほとんど関係のない歴史物語です。でも私はほぼ毎年、興味深く視聴しています。受信料収入の多くを費やすNHKの看板ドラマは、どんなフィナーレを描くのか、関心があるからです。ただ今年は、コロナの影響等で勝手が違います。撮影をしばらく休んだ影響で放送が遅れ、最終回は来年2月初めだそうです。コロナ同様、続きは来年に持ち越しのようですね。

 今年の大河は「麒麟がくる」ですが、「麒麟」は中国神話に登場する霊的な動物です。(動物園のキリンとは違います。)形は鹿、顔は龍や獅子のようで、角があります。体には鱗があり、毛は黄色か金色のようです。非常に穏やかで優しい性格とのこと。仁徳のある、立派な王が治める平和な時代に現れると言われたようです。

 「麒麟がくる」が描く戦国時代、人々は平和に飢え渇いていました。有力な武将たちの勢力争いにより、日本中で戦乱が続きました。戦いの中で、多くの人が命を落としました。その戦国の世は、どのように終わるのか。泰平の世を開く人物は、誰なのか。麒麟はいつ、どのように来るのか――。それが今回のドラマのテーマのようです。

 ドラマの主人公・明智光秀の娘たまは、キリシタンになりました。細川ガラシャです。でも父・光秀は、キリシタンに好意的ではなかったようです。イエズス会のルイス・フロイス宣教師は、彼のことを「悪魔と偶像の大いなる友」と呼んでいます。「神社や仏前で熱心に拝んだ」という意味かもしれません。麒麟は竜の仲間で、偶像の一つと言えますが、光秀が拝んだかどうかは分かりません。

 世界が平和でなくなったのは、人類の罪の結果です。エデンの園は最初、平和でした。創造主なる神と人との関係、人間同士の関係、そして人と環境との関係に平和がありました。ところが人は神を裏切り、平和な関係全てにひびが入ったのです。その結果、世界に争いや人殺し、戦争が起き始めました。

 でも神は、そうなることを初めからご存知でした。そして世界の平和を回復するため、人の理解を遙かに超える壮大な計画を進められました。創造主なる神ご自身が人となり、永遠に平和を築く計画です。

 この計画の抵抗勢力は、悪魔と偶像――つまりサタンと悪霊たちです。エデンの園でサタンは人を誘惑し、平和の破壊工作に成功しました。その後もさまざまな悪霊の働きを通し、世界中の人々を偶像の神々の支配下に置いています。平和の回復を妨害し続けているのです。

 イエス・キリストは、エデンの平和を回復するため、この世に来られました。「平和の君」という名で呼ばれ、永遠に平和な時代をほどなく完成して下さいます。「平和の君」の誕生を告げたのは、麒麟ではありません。天使たちでした。彼らは天の栄光と地の平和を喜び、神を賛美しました。

 永遠に平和な時代は、人の力では到来しません。天から下ったお方が神の力で実現し、「みこころにかなう人々」にプレゼントされるのです。それは仁徳のある、立派な人々という意味ではありません。たとえ立派でなくても、平和の君を信じ、天からのプレゼントを受け取る人々です。

 イエス様は、全ての人を愛しておられます。永遠の平和の贈り物を受け取ってほしいと、強く願われています。今年はコロナ禍で、平和な年ではありませんでした。でもこのクリスマスには、多くの人が「平和の君」の贈り物を受け取り、その栄光をたたえられるように願っています。

「いと高き所で、栄光が神にあるように。地の上で、平和がみこころにかなう人々にあるように。」(ルカ2:14)

| | コメント (0)

« 2020年11月 | トップページ | 2021年1月 »