愛の輪を世界に広げる
パレスチナのガザ地区は、地中海に面し、イスラエルとエジプトの国境に接した帯状の地域です。旧約の時代には、イスラエルの強敵ペリシテ人が住む地域の一部でした。今は住民の大部分が、パレスチナ難民とその子孫とのこと。1948年のイスラエル建国により、故郷を失った人々です。
ガザ地区の面積は東京23区の6割ほどで、人口は200万人以上。世界で最も人口密度の高い地域の一つだそうです。8割の人が食糧援助に依存し、失業率は40%。それでも女性一人あたりの出生率が4.7人で人口は急増しており、9年後の2030年には310万人になる予測だそうです。
ガザ地区では、飲料水も危機的状況にあります。95%の水は汚染され、病気の3割は水が原因と言われるそうです。このためEUやユニセフ等は、水から塩分を除去する浄水場の建設・拡大を進めています。でも、まだ道のりは遠いようです。
巨大プロジェクトとは別に、個人的に支援を始めたユダヤ人もいるそうです。ガザ地区の水問題を知り、彼は自分の会社の製品を2台寄付しました。空気中の湿気を飲み水に変える装置です。彼は、こう言っています。「私たちの目標は、地上の全ての人が飲料水の供給を受けることです。・・・先ず隣人を助けるべきだと、すぐ分かりました。」
さらに彼は、こう付け加えました。「ガザ地区の人々は、この装置がユダヤ人からのプレゼントだとは思わないでしょう。これは、神からのプレゼントなのです。神が下さる物は受け取るべきだと、彼らは理解したのです。」この方は「敬虔なユダヤ教徒」だそうですが、イエス・キリストの愛の教えを実践しているかのようですね。
異邦人に愛をあらわす行動は、実は旧約聖書の中にも前例があります。エジプトの食糧危機を解決するため、ヨセフはファラオの王宮に遣わされました。彼の働きは自分の家族だけでなく、エジプト人たちを飢餓から救いました。アッシリアを滅亡から救うため、ヨナはニネベの町に遣わされました。ヨナの警告のおかげで、アッシリア人は滅びずに済みました。バビロニアの有識者たちを救うため、ダニエルはバビロンの王宮に遣わされました。ダニエルのおかげで、カルデア人の有識者たちは命拾いしました。エリヤはシドン人の命を救い、エリシャはシリア人の将軍を助けました。
天地創造の神がユダヤ人を選んだのは、ご自身の愛を全世界の人に伝えるためでした。ユダヤ人たちの愛の行いは、彼らを通して異邦人に与えられた、神からのプレゼントだったのです。
イエス・キリストは、全ての人に差し出された、神からの新たなプレゼントです。イエス様は全ての人――自分を憎む人々をも愛し、自ら命を捨てられました。自分を十字架につけた人々のため、こう祈られました。「父よ、彼らをお赦し下さい。彼らは自分が何をしているのかが分かっていないのです。」
イエス・キリストを信じる人は、神の愛のプレゼントを授かります。永遠のいのちを頂き、神の愛により人生が変えられます。自分に敵対する人、自分を憎む人をも愛せる力が与えられます。イエス様の愛の輪を全世界に広げるチャレンジングな働きに、私たちも加えていただけるのです。
「しかし、これを聞いているあなたがたに、わたしは言います。あなたがたの敵を愛しなさい。あなたがたを憎む者たちに善を行いなさい。」(ルカ6:27)
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