罪からの解放を感謝する
昨夜から、イスラエル三大祭りの一つ、「過越の祭り(ペサハ)」が始まりました。来週日曜夕方までの8日間、世界中のユダヤ人たちがこの祭りをお祝いします。今回は、コロナ禍で2回目の過越となります。
イスラエルでは昨年1月から、厳しいコロナ対策が始まりました。ところがユダヤ教超正統派の人たちは、いつも通りの生活を続けたそうです。そして昨年3月、彼らの中でクラスター発生が確認されました。警察と軍隊が彼らの居住地区を封鎖し、あらゆる集会が禁止されました。ユダヤ教の指導者は、人々にこう呼び掛けたそうです。「過越は同居家族だけでお祝いし、同居していない親族とはリモートでつながるように。」
過越の祭りが始まると、大勢の警官が人々を監視しました。するとたくさんの人が自宅の前やマンションのベランダに食卓を出し、近所の人と一緒に歌ったそうです。ある女性警官はその様子を見て、パトカーのマイクを手にし、こう叫びました。「イスラエルの民よ、私はあなたたちを愛している。あなたたちの安全を守っている。ペサハおめでとう!」住民たちからは、歓声が上がったそうです。
今年はイスラエルでワクチン接種が迅速に進み、人々の生活は徐々に平常に戻りつつあるようです。ワクチン接種の証明書が発行され、市場やショッピングモールは買い物客であふれているとのこと。スイミングスクールやスポーツジムにも人が戻って来たと聞きます。過越の祭りの期間も、昨年のような移動や外出の厳しい制限はなさそうです。今年は例年通り、親族が集まり、お祝いの食事をともにする楽しいひとときを過ごしているのかもしれません。
過越の祭りは、ユダヤ人たちがエジプトからの解放を感謝する時です。彼らの先祖ヤコブの家族は、大飢饉の時、カナンからエジプトに移住しました。当初70人だった家族は、400年後には数百万人になりました。ファラオ(エジプト王)は、彼らの存在に脅威を感じ始めました。そこでユダヤ人を奴隷化し、こき使うようになったのです。ユダヤ人たちはその苦しみの中、天地創造の神に救いを求めました。すると神は数々の奇跡の末、彼らをエジプトから解放して下さいました。
その時、象徴的な役割を果たしたのが、生け贄の子羊でした。神は、ユダヤ人たちにこう命じられました。「家族ごとに、一歳の羊を一匹用意すること。その羊の血を、家の門柱と鴨居に塗ること。その肉を家族で食べること。」神のことばに聞き従い、生け贄をささげたユダヤ人の家は死の災いから救われました。一方、聞き従わなかったエジプト人たちはその罪が問われ、災いが訪れました。生け贄の子羊が、救いの象徴となったのです。
イエス・キリストが十字架につかれたのは、この過越の祭りの時です。イエス様は、全人類を死の災いから救い出す、生け贄の子羊になって下さいました。この十字架の真実を信じ、受け入れる人は、罪が赦されます。
罪とは、天地創造の神に背を向ける態度や生き方のこと。アダムとエバ以来、全ての人は罪に支配されて来ました。イエス様は人類を罪から解放するため、十字架につかれたのです。つまりイエス様を十字架につけたのは全ての人であり、その中に私たちも含まれていると言えます。イエス様は、そんな私たちの罪の赦しを求め、祈られました。イエス様の十字架により、私たちが罪の支配から解放されたことを感謝しましょう。
「そのとき、イエスはこう言われた。『父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです。』・・・」(ルカ23:34)
最近のコメント