神の祝福を分かち合う
さまざまな議論の中、東京五輪が始まりました。「五輪は本来、祝福に満ちた祭典」だと、ある新聞に書いてありました。「スポーツを通した平和の実現を祝うイベント」という意味なのかもしれません。
近代オリンピックの父・クーベルタン男爵は、オリンピックのあるべき姿について、こう提唱したそうです。「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する 。」
今は全世界が新型コロナとの戦いの最中なので、平和を祝う気にならない人が大多数のように思えます。それでもアスリートの活躍を通し、元気をもらう人もたくさんいるのでしょう。感染の爆発的拡大にならないように、お祈りしています。
クーベルタン男爵の次の言葉は、有名です。「オリンピックは、勝つことではなく参加することにこそ意義がある。」この言葉には、元になった別の言葉があったそうです。語ったのは、米国聖公会のエセルバート・タルボット主教。開拓時代の米国西部に、10年間で38の教会を設立した人だそうです。
1908年、ロンドンで開かれた会議に彼が出席すると、ちょうどそこで五輪が開催されていました。米国と英国のチームが対立し、陰険なムードが漂っていました。そこでタルボット主教は選手や職員を教会に招き、こう語りました。
「競技や賞よりも、もっと五輪自体は良いものだ。」「一人だけが月桂樹の冠をかぶるが、全ての人が平等に競技の喜びを分かち合える。」
コロナ禍でも競技の喜びを分かち合えるのは、選手や関係者、応援する全ての人にとって、「祝福」と言えるかもしれません。
天地創造の神は、造られたもの全てを祝福したいと願っておられます。あらゆる生き物を祝福し、「生めよ。増えよ」と、神は言われました。アダムとエバを造られた時も、神は彼らを祝福し、こう言われました。「生めよ。増えよ。地に満ちよ。」
多くの人が神の祝福から離れ去ると、神はある特別な人たちを選び、彼らを通して全世界を祝福しようとされました。アブラハムと彼の子孫たちです。
彼らは神の豊かな祝福を受け取り、その祝福を全世界に広げる役割が与えられました。天地創造の神から特別なメッセージを長年にわたり、彼らは受け取りました。祝福に満ちた生き方について、貴重な教えを授かりました。
エジプトの奴隷だった彼らは、約束の地に行き、自分たちの国を造ることができました。最盛期には、平和と繁栄も味わいました。その国が滅んだ後も、神は彼らを祝福し、祖国を回復すると約束して下さいました。
アブラハムの子孫として生まれたイエス・キリストは、全世界に神の祝福を今も広げておられます。神のメッセージを世界中に伝え、祝福に満ちた生き方を教えておられます。
罪と死の奴隷だった私たちは自由にされ、永遠の国の住まいに向かっています。そこには、限りない平和と繁栄があります。今のこの世が滅んだとしても、神は私たちを祝福し、新たな永遠の世界に住まわせて下さるのです。
イエス・キリストを通し、私たちは心が新たにされ、文化や国籍等の違いを超えられます。友情や連帯感、犠牲的な愛の精神により、互いを受け入れることができます。永遠に平和な、よりよい世界の実現のために貢献できます。
罪と死に打ち勝ったイエス様は、天地の王の冠をかぶられました。そして人生のレースを走り終える私たちに、「義の栄冠」を授けて下さいます。全ての人が平等に、神の祝福の喜びを分かち合うことができるのです。
「神はまず、そのしもべを立てて、あなたがたに遣わされました。その方が、あなたがた一人ひとりを悪から立ち返らせて、祝福にあずからせてくださるのです。」(使徒3:26)
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