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2021年12月

2021年12月26日 (日)

闇に輝く光をたたえる

 岩手県一関市には、明るいイルミネーションを飾る家が、600メートルほど道の両脇に建ち並ぶ場所があるそうです。先日、NHKの番組で紹介されていました。一関市の山間部の地域で、「中津谷川イルミネーション街道」と呼ばれています。

 サンタクロースやクリスマスツリー、天の川など、さまざまなデザインの電飾があるそうです。今年は、大谷翔平選手のMVP獲得を祝うイルミネーションも追加されました。

 この取組みは、人口減少が進む地域の人々を元気づけようと、2010年から始まったそうです。最初2軒だけだったのが、今年は50軒ほどの家が参加しました。デザインは、それぞれの家庭で工夫を凝らすそうです。

 リーダーの佐藤守一さんは、こう語っています。「飾りを見ると過疎化、高齢化で暗くなった気持ちが明るくなる。これからも続けていきたい。」

 イルミネーションは16世紀の宗教改革の時代、マルティン・ルターから始まったという説があるそうです。ある晩、ルターは森から見える星の美しさに感動しました。子供たちのためにその様子を再現したいと思いました。そこで木の枝にロウソクをくくりつけ、火を灯したそうです。これが、現代に続くイルミネーションの始まりと言われるようです。

 電球を使うイルミネーションは、かのトーマス・エジソンが最初に飾ったとのこと。自分が発明した電球をPRするため、研究所の周りを白熱電球で飾ったそうです。

 日本では明治時代から、大きなイベントにイルミネーションが登場しました。高級スーパーの「明治屋」は、1904年に東京・銀座でクリスマス・イルミネーションを点灯し、大きな話題になったようです。

 今では日本各地で、美しいイルミネーションを見ることができます。今年は、年末に暗いニュースが続いています。暗くなりがちな心が、光の輝きで少しでも明るくなると良いですね。

 聖書の中で、天地創造の神は光に例えられています。神は最初に光を創造し、私たちの世界を明るく照らされました。創造された世界の美しさを私たちが見て、神の偉大さをたたえられるようになったのです。

 シナイ山で神とお話ししたモーセは、その顔が神の栄光で輝きました。その輝かしさは、ユダヤ人たちが恐れおののくほどだったと記されています。

 ダビデは数々の試練を乗り越え、詩篇27篇でこう宣言しました。「主は私の光、私の救い。だれを私は恐れよう。」どんなに苦しい状況でも、神はそこに光を照らし、私たちに救いの手を差し伸べて下さいます。周りがどんなに暗くても、私たちの心には希望の光が灯るのです。

 預言者イザヤは、さらにこう語りました。「神はある人を国々の光とし、地の果てにまで救いをもたらす。」彼は、こうも預言しています。「神が永遠の光となり、私たちの嘆き悲しむ日は終わる。」

 イエス・キリストは、これらの預言を成就されました。闇に覆われた世界に光を照らすため、イエス様はこの世に来られました。

 ご降誕の夜、羊飼いたちはまばゆい光に照らされました。その輝きは、彼らが恐れおののくほどでした。

 神殿で幼子イエスを抱いたシメオンは、「神の救いを見た」と宣言しました。そしてイエス様は「異邦人を照らす啓示の光」だと、彼は証言しました。私たちを救うため、イエス様は全世界に真理の光を照らされたのです。

 この世の闇がどんなに深くなっても、私たちは暗くなることはありません。イエス様が永遠のイルミネーションとして輝き、嘆き悲しみをなくして下さるからです。

「光は闇の中に輝いている。闇はこれに打ち勝たなかった。」(ヨハネ1:5)

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2021年12月19日 (日)

キリスト降誕を喜び祝う

 2年前から、12月に国民の祝日がなくなりました。明仁前天皇(現上皇)が退位され、天皇誕生日が12月23日でなくなったからです。23日にクリスマス・イベントを行っていた教会は、多かったのではないかと思います。以前の私の教会も、その日に広い会場を借りて盛大な持ち寄りパーティーをしていました。

 今の徳仁天皇の誕生日は2月なので、クリスマス・シーズンではありません。雅子皇后のお誕生日は先日の9日でしたが、皇后誕生日は国民の祝日ではありません。この間20歳になられた愛子内親王の誕生日は、今月1日でした。愛子さまが将来もし天皇になれば、12月1日は祝日になりそうです。そうなると、クリスマスのイベントはちょっと早めに行われるかもしれませんね。(ちなみに皇嗣・秋篠宮文仁親王の誕生日は、11月30日だそうです。)

 天皇誕生日は、かつて「天長節」と呼ばれました。紀元748年に中国・唐の玄宗皇帝が自らの誕生日をそう名付け、祝ったそうです。「天長節」という名には、「天地が永遠であるのと同じく、皇帝の寿命も限りないように」という願いを込めたとのこと。日本では775年、光仁天皇の時代に初めて天長節がお祝いされました。その後、祝賀行事はすたれたようです。

 でも明治天皇の時代、1868年以降になって再び盛大にお祝いされるようになりました。そして天長節は、日本の祝日となりました。1949年以降は「天皇誕生日」という名に変わりましたが、今も国民の祝日です。国民が天皇の誕生を祝う日と、法律で定められています。

 クリスマスは、天の王なるキリストの誕生をお祝いする時です。イエス様の誕生日は、聖書に書かれていないので、何月何日だったか分かりません。御降誕を祝う日は1月から12月まで、さまざまな案が過去にあったようです。私は個人的には、一年中いつお祝いしても構わないと考えています。

 聖書に書かれていないので、クリスマスのお祝いはすべきでないと言うクリスチャンもいるようです。でも「お祝い禁止」とも書かれていません。禁じられていないことを自発的に行う自由を、神は私たちに与えておられます。(もちろん、お祝いしない自由もあります。)

 ベツレヘム近くにいた羊飼いたちは、自発的にイエス様の誕生をお祝いしました。エルサレムの神殿にいたシメオンとアンナも、自発的にキリスト誕生をお祝いしました。そして東方の博士たちも、メシア誕生をお祝いするため、はるか遠くの国から自発的に駆けつけたのです。

 イエス・キリストは今、天におられ、王として全世界を治めておられます。時が来たら、永遠の神の国を完成して下さいます。どこの国の人でも、永遠の王なるイエスを信じるなら、神の国の国籍が与えられます。イエス様は、この素晴らしい特権を私たちに授けに来て下さいました。

 無限の存在である神の立場をイエス様は一時的に放棄し、有限の存在である人間になられました。限られた人しか入れない王宮にではなく、誰もがいつでも近づける飼葉桶にその身を置いて下さいました。そして全人類を代表して十字架で死に、その後よみがえられました。

 私たちは、この偉大な天の王の御降誕を心から喜ぶことができます。永遠の御国の祝日のように、ともにお祝いできるのです。

「イエスがヘロデ王の時代に、ユダヤのベツレヘムでお生まれになったとき、見よ、東の方から博士たちがエルサレムにやって来て、こう言った。『ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。私たちはその方の星が昇るのを見たので、礼拝するために来ました。』」(マタイ2:1-2、新改訳2017

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2021年12月12日 (日)

天の喜びを分かち合う

 先月、イスラエルの北にあるゴラン高原とガリラヤ湖にサンタクロースが現れたそうです。彼が乗っていたのはトナカイの引くそりではなくカヤックで、プレゼントとクリスマスツリーを積んでいました。

 サンタに扮したのは、イサ・カシシエさんという元プロバスケットボール選手で、アメリカのサンタの学校を卒業したそうです。彼は15年前からエルサレムの公式サンタクロースを務め、6年前からは「聖地のサンタ」という役割を果たしています。イスラエル観光省の協力の下、全世界のクリスチャンに対し、イスラエル旅行を呼び掛けているようです。

 「聖地のサンタ」は地域の子供たちにプレゼントを持ってきて、こう語りました。「ゴランとガリラヤ湖の子どもたちに喜びを届けに来ました。」

 多くの人にとって、クリスマスはサンタの季節です。イギリスでは先週、「サンタ・ダッシュ」というチャリティー・イベントが開催されました。5千人以上の参加者がサンタの姿で5キロほど走り、新生児用の施設への寄付を募ったそうです。

 アメリカでは今年、サンタの人手が足りないと聞きます。高齢で太めの人はコロナで重症化しやすいので、サンタになりたくないからだそうです。コロナでサンタ役の人が57人も亡くなったことや、小さな子へのワクチン接種が遅れている影響もあるようです。

 日本では去年に引き続き、本場フィンランドのサンタが来日できないとのこと。その代わり兵庫県の三田市では、フィンランドのサンタとZoomによるオンライン交流を計画しているそうです。オンラインでもサンタさんとお話できれば、小さな子供たちは喜ぶのかもしれません。

 サンタクロースのモデルは、聖ニコラオスという紀元3~4世紀頃のクリスチャンだと言われます。彼は、ローマ帝国による最後の大迫害を耐え抜いた指導者の一人でした。社会的な弱者を助けた伝説が、たくさん残っているそうです。

 そのうちの一つが、財産を失った商人の家族を助けた話です。その人は生活に困り果て、3人の娘たちを売春婦にせざるを得ない状況でした。聖ニコラウスはその家に多額の金貨を投げ入れ、娘たちを売春から救ったと言われます。

 夜、密かに金貨を投げ入れたら、暖炉の前に干されていた靴下の中に入ったとも伝えられます。それが、クリスマスにプレゼントを入れる赤い靴下の由来だそうです。金貨を見つけた家族は、大喜びだったでしょう。

 でもこの聖ニコラウスは、赤い服を着てトナカイのそりに乗ったりはしなかったはずです。現在知られるサンタクロースは、おとぎ話に登場する架空の人物に過ぎません。

 クリスマスは本来、救い主誕生のお祝いです。サンタと違い、イエス・キリストは歴史上実在し、その生涯の記録が福音書として残されています。

 ローマ帝国の時代、イエス様はエルサレム近郊のベツレヘムに誕生されました。アブラハムの子孫で、ダビデ王の子孫でもありました。ナザレの大工の家で育ち、30歳頃からメシアとして活動を始められました。

 数々の驚くべき奇跡と画期的な教えは、多くの人に強烈なインパクトを与えました。弟子たちと共同生活をし、教えと実践を通してイエス様は人材を育てられました。十字架の上で死なれ、3日目によみがえられました。それは弟子たちにとって、大きな喜びでした。

 イエス様誕生の夜、天から伝わった喜びは、弟子たちを通して世界中に広がりました。私たちも今、その喜びを周りの人と分かち合うことができます。

 イエス様ご自身が、史上最大のクリスマスプレゼントなのです。

「御使いは彼らに言った。『恐れることはありません。見なさい。私は、この民全体に与えられる、大きな喜びを告げ知らせます。』」(ルカ2:10)

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2021年12月 5日 (日)

神のあわれみを感謝する

 ワールド・ビジョン・ジャパンでは、先月初めから「クリスマス募金箱」を先着3000名の人にプレゼントしているようです。クリスマスを待ち望む12月1~24日までの間、アドベントカレンダーのように毎日一つずつ窓を開け、お金を入れる募金箱です。窓を開けるたびに世界の子供たちに喜びを送る仕組みだそうです。

 世界中には、紛争や気候変動等により水や食料の不足に苦しむ子供がたくさんいます。コロナ禍の今は食糧不足が急拡大し、ある調査によると55カ国で1億5千500万人が飢餓状態とのこと。今回のクリスマス募金箱による募金は、南スーダンやバングラデシュ、ソマリア等の国々で食糧支援活動に用いられるそうです。

 このクリスマス・シーズン、必要な人に必要な物資が届いてほしいですね。食べ物のない子供たちのため、あわれみの支援の輪が広がるようにお祈りしています。

 ワールド・ビジョンは、クリスチャンの精神に基づいた緊急人道支援や開発援助、政府や社会への働きかけを行う国際的なNGO(非政府組織)です。1950年にボブ・ピアスという宣教師によって創設されました。

 彼は第2次大戦直後、中国大陸に渡り、悲惨な状況を目にしました。病院や学校、教会等が破壊尽くされていました。そこで神に祈り、自分にできることは何かと聞いたそうです。するとこんな思いが、彼に与えられました。「すべての人々に何もかもはできなくとも、誰かに何かはできる。」

 具体的な支援は、中国にいた一人の女の子との出会いから始まりました。ピアス宣教師の伝道により、クリスチャンになった子でした。その子が親に福音を伝えると、暴力を振るわれ、捨てられたそうです。その子への支援から始まったワールド・ビジョンの働きは、今や世界100カ国に広がりました。彼らはイエス・キリストにならい、全世界に神のあわれみを証ししていると言えます。

 「あわれみ」とは、「かわいそうに思う心」だと日本語の辞書に書かれています。天地創造の神は、愛に溢れたお方です。苦しむ人や悲しむ人がいたら、かわいそうだと思われます。その人たちに、ご自身のあわれみを具体的に表して下さいます。

 エデンの園から追放されたアダムとエバに対し、神はあわれみを示されました。彼らのために皮の衣を作り、着せて下さいました。

 アブラハムの家から追い出され、絶望していた女奴隷ハガルにも、神はあわれみを示されました。天使を遣わし、彼女に慰めと励ましのことばをかけられたのです。荒野にいた彼女とその息子に、井戸の水も与えられました。

 エジプトで苦しむユダヤ人たちにも、神はあわれみを示されました。指導者モーセを遣わし、彼らを苦役から解放されました。

 夫や息子たちを失ったナオミにも、神はあわれみを示されました。モアブ人の嫁ルツを遣わし、失われた財産を回復させ、孫にあたる子まで与えて下さったのです。

 イエス・キリストは、その神のあわれみを全世界に示しに来られました。どんな暗闇にも光を照らし、私たちを永遠の平和へと導くあわれみです。

 救い主イエスを信じる人は誰でも、「キリストの衣」を着て、神のあわれみを証しできます。聖霊の語りかけにより、慰めと励ましのことばを分かち合えます。心の奥底から溢れ出る生ける水により、傷ついた心は癒されます。

 あらゆる苦しみや悲しみから、イエス様は私たちを解放して下さいます。失われた喜びを、神は回復して下さいます。永遠の祝福と希望で、私たちの人生は満たされます。

 私たちは神の深いあわれみを知り、感謝できるのです。

「これは私たちの神の深いあわれみによる。そのあわれみにより、曙の光が、いと高き所から私たちに訪れ、暗闇と死の陰に住んでいた者たちを照らし、私たちの足を平和の道に導く。」(ルカ1:78-79)

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