異教の地でキリストを語る
今年の初詣客は、昨年に比べ大幅に増加したそうです。コロナ感染が拡大した昨年の正月三が日の人出は、関東で人気の初詣スポットでは前年の3割程度でした。明治神宮や川崎大師、成田山新勝寺等の場所です。政府の要請等があり、鉄道の終夜運転がなかったことも影響したようです。
でも今年の正月は感染者が減り、自粛要請も特になく、鉄道の終夜運転も行われました。すると多くの人が初詣に行き、明治神宮の人出は去年の1.9倍、川崎大師や成田山新勝寺では1.8倍だったそうです。
コロナ流行前よりはかなり少ないようですが、それでもそれらの初詣スポットに、それぞれ百数十万人が集まったと思われます。消毒液やビニールカーテン等、コロナ対策もとられたそうですが、そんな中、寒い三が日にも初詣する人たちは、熱心な信者の群れのように見えました。
明治神宮はその名の通り、明治天皇とその皇后だった昭憲皇太后を祀っています。実業家・渋沢栄一も、神宮創設を目指す有志委員会のメンバーだったそうです。明治神宮は亡き天皇皇后の霊を敬い、礼拝するための神殿ですが、商売繁盛や家内安全、試験合格や厄払い等の祈りもするようです。
川崎大師は真言宗のお寺で、弘法大師・空海の像を本尊として祀っています。本来は空海を供養するお寺ですが、厄除けや交通安全、安産等の祈りもするそうです。
成田山新勝寺も真言宗のお寺ですが、こちらの本尊は仏の一つである不動明王の像です。煩悩を抱える人々を力ずくで救うと言われています。新勝寺によると、祈れば必ず御利益があるとのこと。そんな御利益を期待して、多くの人が初詣に出掛けるのでしょう。
その昔、エーゲ海岸の古代都市・エペソにあったアルテミス神殿も、似たような場所だったようです。今は原形をとどめていませんが、かつては古代世界の七不思議の一つに挙げられました。最初の神殿は紀元前700年頃建てられ、その後何回か建て直されたそうです。その神殿の巨大さは、見た人の度肝を抜くほどだったと記されています。
アルテミスは、もともとギリシアの神話で純潔を守る狩人の女神でした。ところがエーゲ海の対岸にあるエペソでは別の神々と融合し、アルテミスは全く違った性格を持ちました。豊かな収穫やたくさんの子宝をもたらす女神と信じられたのです。多くの人はそんな御利益を求め、アルテミス神殿に集まったのでしょう。
この女神信仰の本拠地にも、イエス・キリストの福音を喜んだ人々がいました。イエス様は、世界中の人をあらゆる偶像の束縛から解放しに来られたからです。
バベルの地から世界中に散った人々は、天地創造の神に背を向け、さまざまな偶像を拝みました。アルテミスや不動明王のように、神話の神々を拝む人たちがいました。弘法大師や明治天皇のように、特別な権威を持った人間を拝む人たちもいました。動植物や太陽、山、岩等を拝む人たちもいました。でもそれらの偶像を拝む行為は全て間違いだと、聖書は断言しています。
多くの人は偶像礼拝の因習にとらわれ、本当の神が分からなくなっています。イエス・キリストは、そんな因習から私たちを救いに来られました。
このお方を信じる人は、天地創造の神を礼拝する神殿の一部とされます。その人は、異教の地でもキリストの素晴らしい恵みを語れるようになるのです。
「こうして、主のことばは力強く広まり、勢いを得ていった。」(使徒19:20)
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