キリストの平和を待望する
ウクライナの子供たちが描いた平和を訴える巨大絵画5枚が、今日3月6日まで富士山麓の広場に掲げられているそうです。これらの絵は、キッズゲルニカという国際プロジェクトの一環で、5年前に描かれました。ロシア軍が侵攻したウクライナ東部や北部、そして首都キエフ等にいた子供たちの作品です。パブロ・ピカソが制作した「ゲルニカ」と同じ縦3.5メートル、横7.8メートルの大きさです。虹や笑顔の子供たち、色とりどりの花、世界の国の景色等が描かれているそうです。
今回の展示を企画した渡辺実さんは、5年前ウクライナに行きました。子供たちがその絵を描く様子を見た渡辺さんは、こう語っています。「とても楽しそうに絵を描いていたあの子どもたちが今どのように過ごしているかを考えると、胸が締め付けられる思いです。・・・平和への願いを届けていきたいと思います。」
ピカソがゲルニカを描いたのは、1937年です。スペイン北部の小さな町ゲルニカへの無差別爆撃が、そのテーマでした。焼夷弾が本格的に使われた世界初の空襲で、多くの一般市民が命を落としました。
ゲルニカはバスクの文化的伝統の中心地で、自由と独立を象徴する町だったそうです。全体主義国家を目指すスペインの反乱軍と、彼らに協力したナチスドイツは、その町を格好の標的としました。ゲルニカはヨーロッパでは珍しく木材を使う家が多かったため、火が燃え広がるのが早かったそうです。多くの人が苦しんだ末に亡くなり、町は廃墟となりました。この空襲の悲惨さを、ピカソは絵画を通して訴えたのです。
第2次大戦後、この絵画と同じ図柄のタペストリーが3つ作成され、その一つは国連の安全保障理事会議場前に展示されています。先日はそのタペストリーの前でEUの国連大使らが青と黄色2色の国旗を掲げ、ウクライナへの連帯を示したそうです。
ご存知の通り、国際連合は第2次大戦直後に設立されました。国際平和と安全の維持が、目的の一つです。ニューヨークの国連広場には、旧約の預言者イザヤのことばが記された通称「イザヤの壁」があるそうです。イザヤ書2章4節の引用で、こんなことばです。
「彼らはその剣を鋤に、その槍を鎌に打ち直す。国は国に向かって剣を上げず、もう戦うことを学ばない。」
国連を設立した人々は、国家間の協調による世界平和実現を願い、このことばを壁に刻んだのかもしれません。ただこのイザヤの預言は、人々の努力による平和の実現を予告してはいません。そうではなく、世の終わりにキリストがもたらす平和を預言したことばです。「イザヤの壁」の引用箇所の直前には、全世界を治める救い主について聖書にこう記されています。
「主は国々の間をさばき、多くの民族に判決を下す。」
イエス・キリストは、世界に平和をもたらしに来られました。十字架の身代わりにより、天地創造の神との平和を回復する道を私たちに開かれました。その平和を土台とし、私たちは互いに平和な関係を築けるようになったのです。
今のところ、この世はまだ罪と悪に満ちています。地球上から戦いや争いが根絶されてはいません。天におられるイエス様は、そんな苦しみの中で平和を願い求める私たちの祈りに耳を傾けておられます。ですから最善の時に最善の解決が与えられることを、私たちは期待できます。
そしてイエス様は、いつか再びこの世に戻って来られます。その後、永遠の平和が完成します。私たちは祈りつつ、その時を待ち望むことができます。使徒パウロがしたように、その希望を人に伝えることもできるのです。
「パウロは、まる二年間、自費で借りた家に住み、訪ねて来る人たちをみな迎えて、少しもはばかることなく、また妨げられることもなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えた。」(使徒28:30-31)
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